英国生地の典型的な特徴といえばハリとコシがあり、構築的なスーツを仕立てるのに向いていることです。そういう生地で胸元にゆとりを取って、なめらかにウエストをシェイプする「イングリッシュドレープ」を強調すれば「ザ・英国」の紳士服になります。

英国のマーチャント（生地商社）「アルフレッド・ブラウン（ALFRED BROWN）」がプロデュースするウッドヘッド（WOODHEAD）は、まさにそういう英国生地らしい特徴を備えたオーダースーツ生地で、コストパフォーマンスでも定評がある生地ブランドです。

今回の記事では、そんなウッドヘッドの魅力についてご紹介します。英国のスーツスタイルを愛するみなさんは、ぜひ参考にしてください。

ウッドヘッド（WOODHEAD）とは？

ウッドヘッド（WOODHEAD）は、ウエストヨークシャーで1915年に創業された歴史あるマーチャント、アルフレッド・ブラウン（ALFRED BROWN）がプロデュースするオーダースーツ生地ブランドです。

同社はハリーポッターの映画シリーズの中の、ホグワーツ魔法魔術学校の教師や生徒が身にまとうマントの生地を提供していることで有名です。かつてオリンピックの英国代表選手が着用するスーツの生地にも採用されました。

ウッドヘッド以外に社名と同じ名を冠した「アルフレッド・ブラウン（ALFRED BROWN）」と自社工場の名にちなんだ「エンパイヤミルズ（EMPIRE MILLS）」の合計3ブランドを発信するマーチャントです。

とりわけウッドヘッドは数ある英国生地ブランドの中でも、仕立てやすさと仕立て映えの良さからテーラーにも人気が高いブランドでもあります。

そのクオリティの確かさから、英国の一流ブランドであるアクアスキュータムやポールスミスのコレクションにも生地配給を行っており、またサッカーワールドカップの南アフリカ大会において、イングランド代表選手が着用するオフィシャルスーツの生地に採用されたことも、信頼感と高品質の証左です。

ウッドヘッド（WOODHEAD）のオーダースーツ生地の特徴

ウッドヘッドのオーダースーツ生地は、英国生地の持つ特徴をしっかり押さえていてハリとコシがあります。その品質と高級感に比べて価格設定は意外とリーズナブルなので、コストパフォーマンスが良いと評判です。

展開する柄行きは基本的にオーソドックスで、王道的なクラシックモチーフが多く見られます。

秋冬コレクションには英国テイストとともに、しなやかなヌメリ感や光沢などのイタリア生地的な持ち味も窺え、初夏コレクションでは、いかにも英国春夏素材らしい快適な通気性やシワに対する強さが特質です。

中でも経糸（縦糸）と緯糸（横糸）のそれぞれに強撚の双糸（複数の糸を1本に撚り上げた糸）を用いた生地は、湿気が多いときでも型くずれしにくく、ドライな清涼感を保つ秀逸な夏向け素材です。

ウッドヘッドはしばしば、有名な英国生地ブランドであるジョンフォスター（JOHN FOSTER）のオーダースーツ生地と比較されることがあります。

ウッドヘッドはジョン・フォスターの打ち込みをさらに強くして、より英国テイストを強めた感がありますが、展開する色柄も、モダンなブリティッシュテイストが多いジョン・フォスターと比べてよりクラシックでスタンダードなものが多いのもウッドヘッドの特徴です。

また、プリンスオブウェールズチェックやオルタネイトストライプ、バンカーズストライプやバーズアイ、ネイルヘッドなどのクラシックの王道柄が展開されており、エグゼクティブのビジネスシーンに格調を与えてくれます。

ウッドヘッド（WOODHEAD）がおすすめな人

ウッドヘッドはベーシックな英国テイストとともに英国生地らしい耐久性も持ち合わせていて、なおかつ比較的リーズナブルなことから、オーダースーツのビギナーのみなさんにオススメです。

自分自身を引き立てるファッションテイストや好みがまだ確立していない方でも、ウッドヘッドの定番的な王道柄であればワードローブに備えておけば必ず重宝するのは間違いありません。

さいごに

英国の伝統スタイル系譜を継ぐ、品格ある英国生地が選べるウッドヘッドは、オーダースーツビギナーからもちろんベテランまで、多くのオーダーファンにおすすめできる、奇をてらわない安定した品質の生地ブランドです。

ビジネスシーンにおいて堅実に存在感を築いていきたいみなさんは、次回のオーダースーツにぜひジョン・フォスターの生地を選んでみてください。

私たち銀座英國屋も、ウッドヘッドの手堅いコレクションからご提案差し上げることができます。

監修者

小林英毅（銀座英國屋 代表取締役社長）

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の３代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学ＭＢＡ・明治大学ＭＢＡ・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・東京赤坂・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか？」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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