スーツをオシャレに着こなすための要素として、小物アイテムのカフスがあります。結婚式などでシャツの袖口に付けるものというのが一般的なイメージです。

一方で、実際にはどのようにして使うのか分からない方も多いのではないでしょうか。そこでこのコラムではカフスの使い方はもちろん、歴史や種類、選び方に至るまで詳しく解説します。

先にカフスについてのポイントをお伝えすると以下の通りです。

・カフスの歴史

・カフスの種類

・スウィブル式

・チェーン式

・スナップ式

・紐式

・カフスをつけることが出来るシャツ

・コンバーチブルカフス

・ダブルカフス

・テニスカフス

・シングルカフス

・ターンナップカフス

・カフスはビジネスシーンでも使える

・シルバーのシンプルなものがオススメ

・派手・装飾性が強いものは避ける

・趣味・趣向をカフスで表現するのも一案

・カフスはスーツ専門店で探すのがオススメ

このコラムの重要なポイントを押さえることで、カフスの選び方の参考になれば幸いです。

カフスの歴史

シャツの袖口に付ける装飾品「カフス」。日本ではカフスやカフスボタンと呼ばれることが多いですが、正式には「カフリンクス」と言います。カフ（袖）を「つなぐ・留める」（＝リンク）というのが語源です。

17世紀のフランスではシャツの袖を装飾するためにリボンやレースを結んでいました。それが表と裏の金属ボタンをチェーンでつなげて留めるようになったのが起源だとされています。

なお、現代のチェーンを使わないタイプのカフスは1930年頃に主流になりました。

カフスの種類

現代のカフスにはいくつかの種類があります。ここではそれらについて解説します。

スウィブル式

別名「レバー式」」とも呼ばれるカフスで、金属製の留め具をシャツのボタンホールに通した後、先端を90度曲げることで固定させる仕様です。留め具がまっすぐなのでボタンホールに通しやすく、使いやすいのがメリット。現在流通しているカフスの中ではこの仕様のものが多く、もっとも一般的なカフスです。

チェーン式

カフスの装飾部分と留め具がチェーンで繋がっているタイプのものです。カフリンクスが誕生してから1920年代頃まではこのチェーン式がカフスの主流でした。ボタンホールにチェーンを通して使うので、カフスをするとチェーン部分はほぼ見えなくなります。

ただ、チェーンを通すことで、カフスホールが傷みやすいのが難点となります。

またカフスを留めた際にシャツの袖口の外側にチェーンが見えるタイプのカフスもあります。そちらはチェーン自体が装飾の一部になっていて華美な印象を与えます。そのため、ビジネスシーンでは使用を控えた方が良いでしょう。

スナップ式

表と裏の２つに分かれたカフスをスナップボタンの凸と凹を合わせて留める仕様のものです。1940年代頃まで流行していました。現在ではあまり流通していません。そのため、お使いになりたい場合はビンテージのものから探すのも良いです。

紐式

ゴム素材などの組紐で作られたカフスです。素材の見た目からもカジュアルで砕けた印象になります。ビジネスシーンでも使うことはできますが、フォーマルさが求められるような場面では金属製のカフスを使う方が無難でしょう。

カフスをつけることが出来るシャツ

カフスは袖口の両端をカフスで留めて使用します。そのため、前提としてシャツの袖口の両端にカフス用の穴が開いている必要があります。

ここではシャツの袖口に注目して、どのようなシャツにカフスを付けることが出来るか解説します。

コンバーチブルカフス

袖口の両端にボタン穴があり、ボタン留めとカフス留めの両方に対応している仕様のシャツです。袖口の幅を調整できるようにボタンが２つ付いていて、そのボタンとボタンの間にカフス用の穴が開いているタイプのものが多いです。カフスを付けることが出来るシャツの中ではもっともポピュラーなものです。

ダブルカフス

先程のコンバーチブルカフスとは異なり、ボタン自体が付いていないカフス留め専用のシャツです。カフ（袖）を折り返して２重にしてカフスで留めます。袖先にボリュームが出るので、ドレッシーで重厚感のある印象になります。

テニスカフス

一般的なシャツの袖先であるシングルカフスと似ていますが、カフス留め専用のシャツです。そのためボタンは最初から付いていません。既製品ではあまり流通していないため、入手したい場合はオーダーで仕立てると良いでしょう。シャツの袖口の種類でもっともフォーマルな仕様はこのテニスカフスです。

ボタン留め専用のシャツ

カフリンクスを付けることは出来ませんが、ボタン留め専用のシャツの袖口についても見てみましょう。

シングルカフス

コンバーチブルカフスのシャツと似ていますが、ボタンが付いている側にカフス用の穴が開いていないため、カフスを通すことができません。ボタン留めにのみ対応したシャツです。カフスを付けないタイプのシャツの中では最もポピュラーなシャツです。

ターンナップカフス

ダブルカフスのように袖先を折り返しますが、ダブルカフスとは異なりボタンが付いている仕様のシャツです。ボタンが付いている側にカフス用の穴が開いていないので、カフスは付けられません。袖先に緩いカーブがかかっており、折り曲げてボタンを留めると折り返した部分からボタンが見えるのが特徴です。オシャレで華やかな印象を与えます。

カフスはビジネスシーンでも使える

カフス＝結婚式というイメージをお持ちになる方もいらっしゃいますが、お仕事でも使うことが出来ます。具体的にどのようなものが良いか解説します。

シルバーのシンプルなものがオススメ

そもそもビジネススーツを着る目的はスーツをきちんと着用することでお相手へ敬意をお届けし、信頼を得ることです。そのように考えると、ビジネスシーンで使うカフスのデザインは自ずとシンプルなものになります。色に関してはゴールドやその他様々ありますが、もっともベーシックでかつどのようなシーンでも使うことができるシルバーがオススメです。

派手・装飾性が強いものは避ける

カフスの中には主張が強いものもあります。例えばダイヤや宝石などが入っていたり、派手な印象のモチーフを使ったりしているものなどが該当します。そうしたものはカフスばかりが目立ってしまうため、ビジネスシーンで使うのは不向きと言えます。
もし主張が強いカフスを使うならパーティーや結婚式などの華やかさが重視される場面での使用にしましょう。

趣味・趣向をカフスで表現するのも一案

カフスは様々なものがあります。その中でご自身の趣味趣向をカフスのデザインに取り入れてみるのも一案です。

例えば、文筆業、作家の方であれば万年筆がモチーフになったカフスを付けることでご自身の印象づけ、ブランディングにもなります。

また、ゴルフが趣味の方ならゴルフボール、ゴルフクラブがモチーフになったカフスなども良いでしょう。

ただし、こうしたカフスはオシャレ度合いが高く、カジュアルな印象になります。そのため、気心の知れたお相手と会うときに使うのが良いでしょう。

カフスはスーツ専門店で探すのがオススメ

カフスはデパート、百貨店はもちろん、紳士物の洋服を扱っている店舗などで広く取り扱われています。このようにカフスを入手するお店は様々ありますが、オススメはスーツ専門店です。

スーツ専門店はビジネスシーンで着用するスーツを取り扱っています。お仕事での使用を想定しているため、そこで取り扱っているカフスもビジネススーツに準じたセレクトがされているはずです。

つまり、スーツ専門店に置いてあるカフスはビジネス使用に向いているものが多いと言えるため、失敗も少ないでしょう。

なお、カフスを使うことはスーツをオシャレに着こなす要素にはなりますが、そもそもスーツ自体をきちんと着ていないと、綺麗には見えません。下記のコラムではスーツのオシャレな着こなし方について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

ネイビースーツの着こなし方｜シーン別のオススメ着こなしもご紹介。

まとめ

今回はカフスの選び方について解説しました。カフスの選び方についてのポイントを改めてお伝えすると以下の通りです。

 

・カフスの歴史

・カフスの種類

・スウィブル式

・チェーン式

・スナップ式

・紐式

・カフスをつけることが出来るシャツ

・コンバーチブルカフス

・ダブルカフス

・テニスカフス

・シングルカフス

・ターンナップカフス

・カフスはビジネスシーンでも使える

・シルバーのシンプルなものがオススメ

・派手・装飾性が強いものは避ける

・趣味・趣向をカフスで表現するのも一案

・カフスはスーツ専門店で探すのがオススメ

このコラムの重要なポイントを押さえることで、カフスの選び方の参考になれば幸いです。

監修者

小林英毅（銀座英國屋 代表取締役社長）

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の３代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学ＭＢＡ・明治大学ＭＢＡ・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・東京赤坂・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか？」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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