オーダースーツ 銀座英國屋コラム失敗しないオーダーシャツの仕立て方|チェックすべき5つのポイント
失敗しないオーダーシャツの仕立て方|チェックすべき5つのポイント
お仕事で日常的にスーツを着る方の中には、オーダーでスーツを誂えたことがある方もいらっしゃると思います。しかし、シャツをオーダーで作った経験がある方は、意外に少ないのではないでしょうか。
既製品のシャツにもいろんな種類がありますが、身体にジャストフィットするオーダーシャツは、既製シャツにはない別格の着心地があります。このコラムでは、「失敗しないオーダーシャツの仕立て方」と題し、シャツをオーダーする際のポイントや注意点などについて詳しく解説します。
先にこのコラムのポイントを紹介すると以下の通りです。
・オーダーシャツはオーダースーツ店で仕立てる
・「失敗しないオーダーシャツの仕立て方」のポイントは「着る目的の明確化」
・相談で「安心できる提案」が受けられるかを確認する。
・相談をする際の5つのポイント
・シャツ生地の選び方
・オーダーシャツでこだわりたいところ
このコラムをご覧いただくことで、オーダーシャツについての理解を深めていただければ幸いです。
目次
オーダーシャツはオーダースーツ店で仕立てる
シャツをオーダーしたい場合、基本的にはオーダースーツ店に行けば間違いありません。多くのオーダースーツ店はシャツのオーダーも受け付けており、スーツをオーダーしているように、シャツのオーダーへの知識やノウハウにも長けているからです。オーダーシャツを仕立てたいときは、オーダースーツ店に行くのがベストと言えます。
「失敗しないオーダーシャツの仕立て方」のポイントは「着る目的の明確化」
オーダースーツを新調する場合はどのような場面で着るか、その着用シーンをイメージされると思います。これはオーダーシャツでも同じです。ここでは、「シャツを着る目的の明確化」というテーマでお伝えいたします。
「目的」によって「手段」が変わる
オーダーシャツをどのような目的で仕立てるのか、その目的は人それぞれです。また、同じ人であってもシャツを仕立てるときはその都度、「何のために仕立てるのか?」という目的も変わります。
例えば、オーダーシャツを作る目的が「女性から格好良いと思われたい」のであれば、最新のファッショントレンドを理解し、そのトレンドをシャツのデザイン、色、柄に反映してくれるテーラーを選ぶのが良いでしょう。現代の最新のスーツに合うようなスタイリッシュなシャツを体現してくれるはずです。
また、「大事な商談で成果を上げたい」のであれば、清潔感があって誠実な印象が漂うシャツを得意とするテーラーにお願いするのが良いでしょう。
このようにシャツ単体では大きく主張することはありませんが、スーツを着用したときの「見え方」を左右する重要な存在です。そのため、同じ人であってもシャツを着る「目的」によってどのようなシャツを着るのか?という「手段」が変わってくるのです。
オーダーシャツを仕立てる際に大切な視点は、そのシャツを着用する場面で「どなたから」の信頼が欲しいのかという点です。「どなたからの信頼が必要か?」という視点で考え、明確なターゲットを持てば持つほど、相談を受けるスタッフもイメージがしやすくなります。
相談で「安心できる提案」が受けられるかを確認する。
既製品のシャツは購入してすぐに着ることができますが、オーダーシャツを仕立てる場合はある程度費用と期間がかかります。また、どのようなシーンで着用するのか定まっていないままオーダーをすると、思惑とは異なるシャツが仕上がる恐れもあります。それは避けたいところです。
スーツ店では多くのテーラーが無料で相談に応じてくれます。
正確なイメージが湧いていなくても構いません。「○◯でスーツを着る際のシャツを作りたい」とおっしゃっていただけば、プロが具体的な提案をしてくれます。ぼんやりとしたイメージでも構わないので、疑問点があれば直接テーラーに足を運び、スタッフに相談してみましょう。きっと快く相談に乗ってくれるはずです。
相談をする際の5つのポイント
スーツ店でシャツをオーダーする際のポイントについて以下に具体的に解説します。
1.シャツを着る目的(どなたから信頼を得たいのか)を伝える
ビジネスシーンでスーツを着用する方が、シャツ単体で人と会うことはあまりないと思います。しかし、スーツのVゾーンから覗くシャツの印象によっても見られ方は異なります。
オーダーをする前に、どのような人と会うのか(性別、年齢、役職等)をできる範囲で構わないのでスーツ店のスタッフに伝えておきましょう。そうすることで担当スタッフが提案すべきシャツをイメージしやすくなります。
2.着用する場面を伝える
2つ目のポイントは「どのような場で着るのか?」をしっかりと伝えることです。
「お仕事で着るシャツ」と一括りに言っても、それが自社のデスクワークなのか、気の知れた取引先との会食で着るのか、はたまた重要な商談で着るのかなどによって求められる印象は異なります。
例えば、自社でデスクワークをするなら使い勝手の良さを重視してシンプルな白シャツを選ぶのも良いでしょう。また、重要な商談であればネクタイを締めたときに襟からネクタイの結び紐が見えてしまうのは避けたいところです。そんなとき、結び紐が見えにくい襟型を選んでおけば外見のミスを未然に防ぐことができます。このようにどのような場面でシャツを着るのかを具体的にお伝えいただくことがポイントです。
3.お気に入りのスーツコーディネートで来店する
ご自身が普段愛用されているスーツやお気に入りのスーツなどを着て来店するのもポイントです。これは愛用しているスーツ、シャツを見ることで、その方が良しとするシャツのサイズ感、着心地が良いと感じる具合をうかがい知ることができるからです。
また、すでにお気に入りのスーツやシャツをお持ちえあれば、それを着てくることでご自身が求めているシャツの方向性を視覚的にスーツ店のスタッフに伝えることができます。
4.予算感を伝える
オーダースーツ同様、オーダーシャツについても概ねの予算をお伝えしておくとスムーズに進みます。これまでシャツをオーダーした経験がある方は過去に誂えたオーダーシャツの価格をお伝えするのも良いでしょう。そうすることでスーツ店のスタッフはその方のだいたいの相場感を知ることができます。
また、シャツをオーダーした経験がない場合も躊躇することはありません。シャツをオーダーしたことがなく、いくらくらいかかるのかの目安も分からない場合はその状態で来店していただいて構いません。「いくらくらいかかるものなのか?」と率直にご質問いただければ、生地別、目的別など状況をいくつか想定しながら大まかな費用を伝えてくれるはずです。
5.フィッティング担当の専門性を確認する
これはシャツではなくスーツの話になりますが、専門性の高いスーツ店では店舗で接客を担当するスタイリストとは別に、スーツの採寸を専門に行うフィッターと呼ばれる専門職の技術者が存在します。
両者が別々に存在する理由は、接客を担当するスタイリストもフィッティングを担当する技術者もそれぞれが高度で専門的な技能を必要とするため、兼務をすることが難しいからです。
シャツをオーダーする場合は接客を担当するスタッフが採寸をすることが多いですが、それでも来店したスーツ店にフィッティングを専門的に行う技術者がいるかどうかは、スーツ、シャツ作りにこだわっているかの目安になるでしょう。
せっかくオーダーでシャツを誂えるのであれば、より専門性の高いスーツ店にお願いしたいものです。
ちなみにオーダースーツのお店選びのコツとして下記のコラムもぜひご覧ください。
オーダースーツ専門店
の選び方|カギは「着る目的の明確化」&「無料相談」
シャツ生地の選び方
ビジネススーツとは異なり、シャツは通年で着用するものが多くなります。それでも場面によって素材や色、柄などを使い分けることで「着る目的」に適ったシャツを作ることができます。ここではシャツの生地選びのポイントについてお伝えします。
ビジネスシーンで着るシャツの基本は白・無地
フォーマルな場で着るスーツの中に着るシャツは白の無地が基本です。生地はブロードと呼ばれる艶のあるものの方がドレッシーな印象になります。
また、白シャツの中には織りで柄が表現されたものがありますが、これは無地と同じ扱いで構いません。ただし、織りといってもギンガムチェックのようにブロック状に柄が配されているようなシャツは無地と言えども目立ってしまうため避けた方が無難でしょう。
自由度が高い場合は色、柄を変えるのも一案
ビジネスシーンでお会いする方との間柄が近い場や比較的華やかな場面などでは白無地以外の生地のシャツを選ぶのも一案です。
例えば、淡い水色のシャツなどは品格を崩さずに華やいだ印象を与えることができます。また、ストライプ柄を選ぶとお持ちのスーツとのコーディネートの幅も広がります。もっとも、ストライプ柄は縞の色や太さなどによって主張が強く出すぎることがあります。不安があればスーツ店のスタッフに尋ねると良いでしょう。
チェック柄はビジネスシーンでは選ばない
スーツを着用する場面によっては柄が入ったシャツを着る場合もあると思います。しかし、柄物といってもチェック柄のシャツはファッション、オシャレの要素が強くなるためビジネスシーンには不向きです。注意しましょう。
オーダーシャツでこだわりたいところ
オーダーシャツはデザイン、色、柄などはもちろん、それ以外にもこだわったオーダーをすることができます。ここではオーダーシャツならではのポイントをご紹介します。これらを知ると、きっとオーダーシャツを作ることが楽しくなるはずです。
ネームを入れる
既成品のシャツは当然ながら完成した状態で販売されています。そのため、基本的にはシャツにご本人の名前を刺繍することができません。しかし、オーダーシャツなら話は別です。製作段階でネーム(ご本人の名前)を刺繍してもらうことができます。
ネーム入れは通常ローマ字で入れることが多いようです。例えば「山田太郎」というお名前であれば「T.Yamada」とイニシャル+苗字で刺繍したり、単に「T.Y」とイニシャルだけを入れることもできます。
また、刺繍を入れる場所も選ぶことができます。よくあるのが袖先のカフ部分や袖(肩と肘の中間あたり)に入れるケースです。袖先に入ったネームはジャケットから袖口が覗くときにチラリとネームが出るため、知的な印象を与えます。さらにネームを刺繍する際の糸色も選ぶことができます。くっきりとネームを見せたいのであればネイビーなどの濃い色、目立たせずにほんのりネームを入れたい場合は淡い色で入れます。
ネーム刺繍は必ず入れないといけないわけではないので、迷っている場合はスーツ店のスタッフと相談してから決めると良いでしょう。
シャツの袖丈を左右で変える
オーダーシャツは、文字通り「オーダー」してシャツを誂えます。そのため、身体の各箇所のサイズを計測してその数値をもとにシャツ作りが始まります。
当然、袖の長さも計測するのですが、オーダーシャツの場合は袖の長さを左右で変えて作ることができます。これは人によって重いバッグを持ったり、スポーツ選手など肩回りの筋肉が発達したり、生来の姿勢の影響などで腕の長さが左右で異なる方がいらっしゃるためです。
既製品のシャツを着ていると左右どちらかの袖丈が長すぎる、または短く感じるという方はオーダーシャツであれば悩みが解消するはずです。
シャツの袖口の幅を変える
ビジネスシーンでは腕時計をする方が多いと思います。しかし、いざ腕時計を見ようとしたときにシャツの袖に腕時計が引っかかってしまい、時計が見づらいという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
これはシャツの袖口のカフ部分の周囲が腕時計を付けるという想定がされていないため、腕時計の厚さとカフが干渉することが原因です。
このような場合もオーダーシャツであれば、腕時計を付ける側のカフの周囲だけを大きめに作ることが可能です。
例えば左手首に腕時計を付ける方の場合、左側だけカフの周囲を少しだけ大きくするといった具合です。無制限に広げられるわけではありませんが、それでもご自身が望むカフのサイズにすることはできるでしょう。
もしこのオーダーをご要望の場合は普段お使いの腕時計を付けていき、それを見せながらサイズを調整するとスムーズに進みます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は「失敗しないオーダーシャツの仕立て方」というテーマでシャツのオーダーについて解説しました。このコラムのポイントを改めて紹介すると以下の通りです。
・オーダーシャツはオーダースーツ店で仕立てる
・「失敗しないオーダーシャツの仕立て方」のポイントは「着る目的の明確化」
・相談で「安心できる提案」が受けられるかを確認する。
・相談をする際の5つのポイント
・シャツ生地の選び方
・オーダーシャツでこだわりたいところ
このコラムのポイントを押さえることでオーダーシャツについての理解が深まれば幸いです
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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