オーダースーツ 銀座英國屋コラムタリア・ディ・デルフィノのオーダースーツ生地は120年の伝統を今の感性で彩る生地
タリア・ディ・デルフィノのオーダースーツ生地は120年の伝統を今の感性で彩る生地
タリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)は、イタリアのテキスタイル業界の中でひときわ信頼度が高い生地製造業者です。日本でも多くのテーラーがタリア・ディ・デルフィノの生地を提案し、また多くのアパレルメーカーも使用しています。
今回の記事ではタリア・ディ・デルフィノの歴史と生地の特徴や魅力についてご紹介します。イタリアンテイストの洗練されたオーダースーツを仕立ててみたいと考えているみなさんは、ぜひ参考にしてください。
目次
タリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)とは?
タリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)は、世界3大織物産地のひとつとして知られるイタリアのビエラ地方で、100年以上の歴史を誇る最高級オーダースーツ生地ブランドです。
カシミヤおよびキャメルの製造業者の協会であるCCMIに加盟しており、1980~1990年代には世界30ヶ国以上に販路を拡大し、イタリアを代表する高級アパレルメーカーにも生地を供給しています。
日本でもファッション好きの人にはよく知られていますが、イタリア本国では大変認知語が高く、業界関係者からは高い評価を得ています。また、タリア・ディ・デルフィノは「ISO9002(国際品質保証規格の最高位)」を取得している数少ない生地製造業者でもあります。
タリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)の歴史
1903年に生地づくりに有効な良質の水に恵まれたイタリア・ビエラ地方のストローナに、デルフィノ家によってタリア・ディ・デルフィノ羊毛工場が設立され、高級織物事業が開始されます。
創業者の息子は1921年に、生地の貿易を専門とする商社を設立し、8年後に梳毛糸を生産する紡績会社を設立しました。
カーテン事業から衣料の世界へ進出
1933年には最初の織物会社と次にできた紡績会社の2社が協力して、市場をリードする生地ブランド「タリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)」としての地位を築き始めます。
1960年代の経済成長の大きな波に乗って、タリア・ディ・デルフィノはアパレル産業に参入する一方で、生産力のかなりの部分をサルトリア(仕立て屋)向けのオーダー生地市場に割り当て続けました。
そして最も権威のあるイタリアのサルトリアに、タリア・ディ・デルフィノブランドのオーダースーツ生地を供給しています。
著名人がタリア・ディ・デルフィノのアイコンに
タリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)が生み出した生地の品質は、俳優などの芸能人やスポーツ選手などの、当時のさまざまな著名人に支持され、彼らがアイコンとなってタリア・ディ・デルフィノというブランドの生地の認知度は上がっていきました。
1970年代には同社の研究開発部門によって『Linea Uomo』誌が発刊されるやいなや、イタリアのサルトリアがこぞって参考に読む専門誌となりました。
世界的なテキスタイルグループ、マルゾットグループに参加
2008年にタリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)は、ヨーロッパ最大のテキスタイルグループであるマルゾットグループに加わります。
ウールに関して世界的リーダーであるマルゾットグループの強みと広範なネットワークに、タリア・ディ・デルフィノブランドの伝統的な価値と卓越性を組み合わせたマッチングとなりました。
2011年にタリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)はジュエリーコレクション24Kを発表します。最高級のウールと24カラットのゴールドを混ぜ合わせて作られた画期的な超高級生地です。
これは、Fratelli Tallia di Delfinoと繊維用途のゴールドの加工を専門とするPiana Clericoの共同研究開発の成果です。この新しいシリーズは、ラグジュアリー分野における Tallia di Delfinoの存在感を示しました。
2013年にタリア・ディ・デルフィノi はウールマークカンパニーとともに、サックス・フィフス・アベニューから2回目の受賞をします。これは、生地の品質で最も際立っている製造業者に贈られる名誉ある賞です。
タリア・ディ・デルフィノのオーダースーツ生地の特徴
タリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)は原料にこだわりを持ち、基本的にスーパー130’s(繊維の平均直径が17.0ミクロン:1ミクロン=1/1,000ミリ)以上のクラスの良質原毛を用いる生産ポリシーを持っていて、高級素材をふんだんに使用しつつ、イタリア特有の優れた風合いを活かした生地づくりを徹底しています。
また、生産部門における織機を操作する技術は熟練工によって、ストローナ川のせせらぎのように静かで確実に、世代から世代へと受け継がれています。
伸縮性や耐久性にも優れている織組織の構造はタリア・ディ・デルフィノの際立った特徴で、それは極めてしなやかなドレープ性として目に見える状態となります。
平織りが中心の春夏コレクション、綾織りが中心の秋冬コレクションはともに柔らかくしなやかです。耐久性と高級な見た目の美しさを兼ね備えた、エグゼクティブ向けの上級オーダースーツ生地といえるでしょう。
タリア・ディ・デルフィノ羊毛工場は1世紀以上同じ場所にありますが、ブランド自体は、オーストラリアやニュージーランドのウール、モンゴルのカシミヤ、南アフリカのモヘアなど、最高の素材を求めて数え切れないほどの遠征を行いました。
タリア・ディ・デルフィノの生地が持つイタリアらしい特性は、海上を滑るように進むヨットの優雅さと、高性能エンジンの機能美を備えたイメージで表現されることがあります。
タリア・ディ・デルフィノがおすすめな人
タリア・ディ・デルフィノ(TALLIA DI DELFINO)のオーダースーツ生地は、ビジネスファッションに関して、柔軟な考え方を持っているみなさんにオススメです。
既成概念にとらわれず、自由にチャレンジできる感性を持っている人にとって、新たな自分流のスーツスタイルを開拓できるきっかけとなってくれるでしょう。
さいごに
120年近い歴史を持つ老舗であるにもかかわらず、常に時代を先取りする感覚を持ち、伝統を守りつつ進化してきた生地ブランドがタリア・ディ・デルフィノです。ファッション感度の高さはトップデザイナーやトップアパレルメーカーが顧客であることから明白でしょう。
これまでとひと味ちがうテイストのスーツをきちんとした品質の生地で仕立てるなら、ぜひタリア・ディ・デルフィノの生地を、選択肢に入れてみることをオススメします。私たち銀座英國屋の店頭でお気軽にお確かめください。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
最近の投稿
-
2024年11月22日
サラリーマンのスーツは何着必要?失敗しない選び方と着こなしマナーを解説
-
2024年11月16日
大学入学式のスーツはどう選ぶ?男性向けに選び方と着こなし方を解説
-
2024年11月8日
モーニングコートはいつ着る?燕尾服との違いと着こなしマナーを解説
-
2024年10月28日
ブラックスーツとは?ダークスーツとどう違う?着こなし方を解説
-
2024年10月21日
燕尾服とは?着る場面や着こなし方をわかりやすく解説