オーダースーツ 銀座英國屋コラムライヒットフリードのオーダー生地ローデンクロスは未来に継承されゆく進化系文化遺産

ライヒットフリードのオーダー生地ローデンクロスは未来に継承されゆく進化系文化遺産

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ライヒットフリード(Leichtfried )は、オーストリアのチロル地方の伝統的な防寒素材「ローデンクロス」の供給元のひとつとして名高い老舗のミル(織元:織物業者)であり生地ブランドです。名門テーラーから支持されてきました。

ローデンクロスとは、アルプスの羊飼いの防寒着や、オーストリアの王侯貴族たちが狩猟用に着る「オーストリアンローデンシューティングコート」などに使われてきた独特のフェルトタイプの縮絨生地です。オーダージャケット用の生地です。

今回の記事ではユニークでおしゃれなヘヴィデューティ素材、ローデンクロス製造の名手であるライヒットフリード(Leichtfried )の魅力について詳しく紹介します。

ライヒットフリード(Leichtfried )とは?

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ライヒットフリード(Leichtfried )は、主に極細繊維を持つ上質なオーストラリア産メリノウールを原料とする高品質のウール生地とローデンクロスの製造を専門とするミル(織元:織物製造会社)です。

ライヒットフリードの成功の背景にあるのは、長年にわたる製造経験、一貫した職人技、そして現代の技術の組み合わせです。これにより、ライヒットフリードの工場は140年近い歴史を駆け抜けることができました。

最高品質への絶え間ない努力の裏付けとなる伝統と絶えざる革新が、生地の完成度を揺るぎないものにしているかぎり、ライヒットフリードはこの先の100年以上もまた悠々と駆け抜けるのでしょう。

ライヒットフリードの十八番「ローデンクロス」とは?

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ローデンクロス(Loden Cloth)はアルプスの風雪と極寒の環境下で活動するための、保温性と撥水性と耐久性を持たせるために、ウールに強い縮絨をかけた生地です。また、オーストリアと南ドイツの伝統的な衣装に使われる理想的な生地としても知られています。

「Loden」の語源の由来は「獣毛で織った毛布」を意味する「Loda」です。

縮絨とはウール繊維の、蒸気と圧力をかけると繊維が絡み合い結合(フェルト化)する性質を利用して、織物を収縮させて組織を緻密にする作業です。

それに使うウールは、山岳地帯の粗めの毛質のものを、撥水性を持たせるためにあまり脱脂しないで(油脂をある程度残して)織り上げ、2/3から1/3程度まで縮絨し、防寒・保温性を上げるために起毛・剪毛・刷毛掛けなどの加工を施して仕上げます。

そうやって目が詰まっていることで防風性が高く、油脂分があるため自然な撥水性があり、毛足が細かく起毛していることで熱伝導率の低い空気を取り込み保温性が高い、ローデンクロスが出来上がります。

ライヒットフリード(Leichtfried )のローデンクロスには、アルパカなどの高級獣毛をブレンドしたものもあります。

ライヒットフリードのローデンクロスがひときわ高品質な理由

ライヒットフリード(Leichtfried )ではローデンクロス用に厳選された極細繊維を持つウール原料から糸を紡ぎ、染め上げ、生地を織り、縮絨加工し、仕上げて完成した生地に至るまで完全にコントロールされた製造プロセスを経ます。

最も重要な工程は縮絨加工であり、それによって生地は縦糸と横の両方向にかなり収縮します。このプロセスは、生地の心地よい手触りとその独特のグリップ感(つかみやすさ)の素となります。

製造プロセス全体を通して綿密な品質基準を満たす手順により、エンドユーザーは常に一流の品質の素晴らしさを実感できます。

羊飼いの生地を世界基準にまで伸し上げたライヒットフリード

ライヒットフリード(Leichtfried )は伝統のローデンクロスをさらにきめ細かく、軽く、柔らかい生地に進化させることに成功しました。

そのため、オーストラリアの極細メリノウールを使用したローデンクロスは、今日のファッション業界やオートクチュールにも使用されるほど世界基準の生地となっています。

ヨーロッパの多くの人気アパレルメーカーや国際的に有名なファッションハウスは、ライヒットフリードの生地の品質を信頼しています。

メリノウールには多くのプラスの特徴があるため、ライヒットフリードのローデンクロスは装飾品やインテリアにも使用されています。

ライヒットフリード(Leichtfried )の栄光の歴史

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ライヒットフリード(Leichtfried )の歴史は、1884年にケルンテン州のレーザッハタール出身の手織り職人ヨハン・オバールガウアーが、ローデンクロスの生産を開始するために小さな土地を購入したことから始まりました。

創業者の急逝を乗り越えて事業を拡大

しかしそれから2年後の1886年、ヨハン・オバールガウアーは急逝しました。生前のヨハンが最も信頼していた熟練職人ヨハン・マイヤーホーファーが、故人の遺志を継いでオバールガウアー未亡人と結婚し、それ以降、1919年まで会社を率いていました。

この間にビジネススケールは拡大し、工場面積も拡張されます。

1919年、ジョセフ・ライヒットフリードがマイヤーホーファーの工場でインターンシップを行いました。同年に、ジョセフはオーナーの娘、カロリン・マイヤーホーファーと結婚して後継者となります。

英国皇太子もお気に入りのライヒットフリードのローデンクロス

ライヒットフリードのローデンクロスの需要は高まり、それに対応できるように、工場面積は継続的に拡張されていました。

1935年のオーストリアの新聞は、当時のファッションリーダーでもあったプリンスオブウェールズ(翌年にシンプソン夫人との世紀の駆け落ちで世間を驚かせることになる後のウィンザー公)が、ライヒットフリードのローデンコートを購入したと報じています。

1965年にライヒットフリードはウールマークカンパニーとパートナーシップを結び、ウール業界での立場を揺るぎないものにしました。

1983年にライヒットフリードはグローバル企業化の方針を立て、製品のクオリティに更に磨きがかけられました。

とりわけ、本来は渋いローデングリーンを中心にグレーやダークネイビーくらいだったカラーバリエーションが、シーズンごとに多彩で美しいバリエーションがコレクションに加わるようになったことは大きな変貌でした。

時代の寵児ヘルムート・ラングとコラボ

1984年に創業100周年を迎えたライヒットフリードは、フランスを拠点とするオーストリアの超人気デザイナー、ヘルムート・ラングとのコラボレーションを行い、それがフランスのハイファッションとオートクチュールの世界での地位を確立する足がかりとなります。

1989年にライヒットフリードは仕上げ部門を刷新し、より高品質の生地を製造できるようにし、クライアントの高い要求にすべて応えられる体制を構築しました。

その後の数年間で、主要な会社の部門ごとに最新テクノロジーの機械が装備され、歴史的な工場が抜本的にリニューアルされます。

伝統に安住しないライヒットフリードの未来のローデンクロス

2013年には第五世代のジョセフ・マクシミリアン・ライヒットフリードとそのファミリーが経営に参画し、積極的な投資で設備の近代化はさらに進みました。

2015年には世界最大のアパレルテキスタイル見本市として知られるパリのプレミエールビジョンに参加します。これは、グローバル展開しているライヒットフリードのブランド力が増し、需要が世界的に増加傾向にあることの証しといえるでしょう。

重厚な伝統があり、それを継承しつつも一切それに安住せずに次の舞台を見据えるライヒットフリードは、古き良き伝統あるローデンクロスをそれぞれの時代に合わせて進化させてきました。

これからの未来にも、進化系の文化遺産としてライヒットフリードの手によってローデンクロスは受け継がれていくことでしょう。

ライヒットフリード(Leichtfried )のおすすめな人

ライヒットフリードには上質なウール素材もありますが、やはり最初に選びたいのはローデンクロスです。冬用に重厚で洗練されたコートを仕立てたい人にとって、ライヒットフリードはおすすめです。

ライヒットフリードのローデンクロスは、あらゆるコートのデザインに対応できる生地です。ロング丈のチェスターコートでも、ハーフ丈のステンカラーコートでも、ショート丈のピーコートやダッフルコートでも、それぞれに似合います。

ローデンクロスは見た目の垢抜けた素朴さだけでなく、実際に保温性と撥水性の恩恵も受けられます。カラーバリエーションも豊富なので、あなたのオリジナリティが出せるコートが仕立てられるでしょう。

さいごに

長い歴史と常に進化と近代化を繰り返して、現在でもファッション界の最先端で未来を見据えている生地ブランド、ライヒットフリード(Leichtfried )。

冬に向けて暖かくて丈夫で雨風に強く、しかも垢抜けている素朴なコートに興味があるみなさんは、ライヒットフリードのローデンクロスでコートを仕立ててみてはいかがでしょうか。

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監修者

オーダースーツ銀座英國屋 代表取締役社長 小林英毅

小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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