オーダースーツ 銀座英國屋コラムセミナー講師にオススメの服装|ジャケット、スーツを徹底解説!これでもう悩まない!
セミナー講師にオススメの服装|ジャケット、スーツを徹底解説!これでもう悩まない!
セミナーや講演会に登壇する講師の服装には、明確な基準やルールがないため、どのような服装で臨めば良いか迷われる方も多いのではないでしょうか。また、TPOに応じた変化をつけずに、多様な趣旨の講演にも同じスーツを選ばれる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、このコラムではセミナー講師の服装について、目的に応じた着こなし方を解説していきます。
なお、セミナー講師の服装についてのポイントを先に紹介すると以下の通りです。
・セミナー講師の服装に求められるもの
・セミナー講師の服装は目的で使い分ける!
・参加者に親近感を持っていただきたい場合は、ジャケパンスタイルがオススメ
・威厳・権威性を持たせたい場合は、スーツスタイルが基本
・移動で使うバッグは、A4サイズのファイルが入る本革製のものを
このコラムが、セミナー講師としてさらに信頼を得るための一助となりましたら幸いです。
セミナー講師の服装に求められるもの
セミナー講師として登壇する際には、スーツスタイルで登壇する方も多い一方、ラフな普段着でお話しされる方もいらっしゃいます。実際には、どのような服装が良いのでしょうか。
セミナー講師の服装は目的で使い分ける!
セミナー講師の服装を考える上で重要なのは、「どのような目的があるか?何を得たいのか?」という視点を持つことです。
講師として登壇する場合、大前提として「参加者の信頼を得たい」という目的があると思います。このほかにも、例えば「造詣の深い講師、専門家に見られたい」という場合や「親近感を持ってもらいたい」、さらには「威厳、権威ある雰囲気に見られたい」など講師によってその目的は様々です。
服装についても、講師自身の目的に応じて使い分けることが大切なポイントとなります。
以下では、ケースごとにセミナー講師のオススメの服装を解説していきます。
参加者に親近感を持っていただきたい場合
セミナー講師によっては、参加者にフレンドリーな印象や親近感を持っていただきたいというケースもあると思います。
例えば、少しくだけた内容を扱う場合や、セミナールームなどで行う比較的少人数のセミナーなど、講師側と参加者との距離が近い場面です。
オススメはジャケットスタイル(ジャケパンスタイル)
セミナー講師に親近感を持ってもらいたい場合、ベーシックなスーツスタイルももちろん良いのですが、さらに親しみやすい印象を届けたい時には、ジャケットスタイルがオススメです。
ジャケットには上品さや知性といったイメージがあることから、ジャケットを羽織ることで「きちんとした印象」を与えることができます。
一方で、上下共生地のスーツと比較すると、ジャケットスタイルの方が柔らかで洒落感のある印象を与えることができるため、親近感を持ってもらいたい場合に適していると言えるでしょう。
ジャケットスタイルのコーディネートは主に単品ジャケット、シャツ、スラックス、靴で構成されます。以下では、各アイテムについて具体的に解説していきます。
(ジャケットスタイルは、ジャケパンスタイル(ジャケット+パンツ)と呼ばれることもあります。)
最初に持つべきはネイビーのジャケット
定番のジャケットは、ネイビー無地のシンプルなもの。特にダークネイビー(色が濃い目のネイビー)はどのような洋服とも合わせやすく、着ることで快活な印象を与えてくれます。
NGなジャケットは?
ジャケットスタイルとして「スーツの上着を着てはいけないのか?」というご質問を頂戴することがあります。たしかにスーツの上着としてのジャケットと、単品で販売されているジャケットは形がほぼ同じなため、スーツの上着だけを着て、下は別のスラックスを穿くというコーディネートも検討されるかもしれません。
しかし、ジャケットスタイルでスーツの上着を着るのはNG。なぜなら、スーツはジャケットとスラックスが同じ生地で作られていて、上下を合わせて着ることで初めて全身のシルエットがきれいに見えるものだからです。
似ているように見えても、スーツのジャケットを単品ジャケットとして着てしまうと、いかにもスーツの上着だけを着ているというふうに見えてしまうため、単品で扱われているジャケットを選びましょう。
ズボンはグレーを選ぶ
ジャケットスタイルのスラックス(ズボン)は、グレーがオススメです。これはネイビージャケットにグレーのズボンを合わせるコーディネートが定番となっており、色の組み合わせとしてもバランスが取れているからです。
また、下半身に明るい色を配することで、洒脱な印象を与えることができます。
なお、コーディネート全体を落ち着いたイメージにしたい場合は、グレーの中でも暗いトーンの色(ダークグレー)のズボンを選ぶと良いでしょう。逆に快活な印象、明るい印象を打ち出したいときは、やや明るい色のグレー(ミディアムグレー)のズボンを穿くと、ジャケットとの境目がハッキリするために若々しく明るい印象になります。
そして、スラックスを穿くときは、クリースライン(センタープレス)という両脚中央にある縦方向の折り目がきちんと付いている状態を保つようにしましょう。これはクリースラインが消えてしまうと、どこか垢抜けない印象になってしまうため、心を配りたいポイントです。
オススメのシャツ
ジャケットスタイルでのオススメのシャツは、無地の白シャツです。白のシャツは、ネイビージャケットはもちろん、どのようなジャケットとも合う万能選手。
次にオススメなのが、サックスブルーと呼ばれる淡い水色のシャツです。サックスブルーのシャツは、ネイビージャケットと同じ青系統の寒色なので、しっくりと馴染みます。また、シャツに色味が加わることで柔らかさ、親しみやすさを醸し出すことができます。
シャツの襟型についてはワイド、セミワイドと呼ばれる、襟先がやや外側に広がった形状のものがオススメです。
(一般的に販売されているシャツで多いのは「レギュラーカラー」と呼ばれる襟型のもの。レギュラーカラーのシャツは真面目な印象を与えますが、襟先がややすぼまった形状のため、ジャケットの下襟よりも内側にシャツの襟先が位置し、やや不恰好な印象となってしまいます。)
また、ノーネクタイの場合には、ボタンダウン(襟先をボタンで留める形状)のオックスフォードシャツも良いでしょう。少しカジュアルな印象とはなりますが、柔らかく親しみやすい印象を届けることができます。
ベルト、靴も気を抜かない
ジャケットスタイルでは、基本的に革靴を履きます。革靴は色やデザインによってフォーマル度が異なり、一番フォーマルなものは黒の内羽根ストレートチップの革靴です。
ジャケットスタイルには厳格な靴のドレスコードはありませんが、ローファーなど紐を使わない革靴は、カジュアルな印象になり過ぎるので注意が必要です。
色は、黒よりも茶色の方がカジュアルな印象になります。
また、素材は光沢のある表革より、スエード素材の方が、カジュアル度合いが高くなります。
きちんとしたイメージを打ち出したいときは、最もフォーマルな黒のストレートチップが無難です。また、少し柔らかい印象を与えたいときは、茶色のストレートチップ、Uチップと呼ばれるデザインの革靴を選びましょう。
ただし、明るすぎる茶色の革靴は、靴だけが浮いて見えるためオススメしません。焦茶〜茶色の色味がオススメです。
また、ベルトは靴の色に合わせましょう。黒の革靴であれば、ベルトも黒といった具合です。ベルトと革靴ともに、革が乾燥して毛羽立っていたり、傷や汚れが付いていたりすると、そこばかりが目立ちコーディネートが台無しになってしまいます。靴とベルトは使う前に状態のチェックし、必要に応じてメンテナンスに出しましょう。
ネクタイは締めるべきか
スーツスタイルではネクタイを締めるのが基本ですが、ジャケットスタイルでは必ずしもそうではありません。
そのため、ネクタイをするか否かはセミナー講師の判断となりますが、親近感をもってもらいたい場であっても、誠実で信頼感のある印象を届けたいたいときは、ネクタイを締めた方がより良いでしょう。
その際は、無地のネクタイかピンドットと呼ばれる小さな点(ドット)があしらわれたネクタイ等がオススメです。
威厳・権威性を持たせたい場合
今度は逆に、威厳や権威性を持ってもらいたい時には、どのような服装が良いでしょうか。
基本はスーツスタイル
セミナー講師が登壇する際、存在感、権威性を持たせて「信頼感のある講師」という印象にするためには、スーツスタイルがオススメです。
スーツをきちんと着こなしている男性はどこにいても一目置かれます。また、スーツをきちんと着ることは単に威厳を持たせるだけではなく、参加者からの信頼も獲得することができるのです。
スーツには「正しい着方」があり、そのルールを守ることで一目置かれる装いとなります。例えば、「ジャケットの一番下のボタンは外す」という作法はスーツをきちんと着る上での代表的なルールです。スーツの着こなし方については、下記の記事でも分かりやすく解説をしていますので、あわせてご覧ください。
参考:スーツのオシャレな着こなし方とは?|理想的な着方とコーディネート例を項目別に解説
大事なのはサイズ感
スーツを着る上で最も大切なのが「きちんとサイズが合っていること」です。大き過ぎるスーツは生地が余ってだらしのない印象になり不恰好です。また、小さいスーツを着ると体のあちこちに不要なシワが寄り、窮屈な印象を与えたり、太って見えたりしてしまいます。
スーツを選ぶ上ではジャケット、スラックスそれぞれにベストな着丈やサイズ感があります。一例を挙げると、ジャケットの袖の長さは中のシャツの袖口が1〜1.5cm程度覗く必要があるなどです。一つ一つは小さな要素ですが、それらをきちんと踏まえた上でスーツを着ることで、美しく威厳のあるスーツスタイルが完成します。
スーツのサイズ感に関しては下記の記事でも分かりやすく解説していますので、あわせてご覧ください。
参考:スーツはサイズ感が命!|正しいスーツ選びのチェックポイント|オーダースーツの基礎知識
重厚感を演出するために、スリーピーススーツもオススメ
威厳のある雰囲気ではスーツスタイルがオススメですが、さらに重厚感を出したい場合では、スリーピーススーツもオススメです。
現在、多くのスーツはツーピース(ジャケット+スラックス)が大半ですが、もともとはそれにベストを加えたスリーピースが正式な装いでした。スリーピースの方が伝統的なスタイルであり、一層かしこまって見せることができるのです。
セミナー講師がバッチリとスリーピースを着こなしていると、それだけで権威性を出すことができ、信頼も得やすくなるでしょう。
また、スリーピースで使うベストはサイズ選びが非常に重要となり、ベストの一番下のボタンは外すなどスリーピースならではの着こなし方もあります。下記の記事でスリーピーススーツについて分かりやすく解説しています。あわせてご覧ください。
参考:ビジネスシーンでの、ベスト付きスーツ(スリーピーススーツ)のカッコいい着こなし|オーダースーツの基礎知識
移動時に使うバッグ
最後に、セミナー講師がセミナーや講演会で使うバッグについて解説します。
バッグの大きさ
講演中に、ノートパソコンや各種資料を使う方も多いと思のではないでしょうか。バッグに求められる大きさは、収納する物によってまちまちですが、一つの目安としてA4サイズのファイルが入るかを基準にすると良いでしょう。
バッグの素材、デザイン
素材は、きちんとした印象となる本革製のバッグがオススメです。また、最近では軽くて天候に左右されないナイロン製のバッグも人気があります。バッグの色は、本来は靴の色と合わせるのがセオリーのため、黒と茶色のバックを持っていると重宝するでしょう。
デザインは、なるべくシンプルで主張が強すぎないビジネスバッグ、ブリーフケースがオススメです。逆に誰が見ても分かりやすい高級ブランドのバッグは、人によっては嫌味に取られてしまうこともあります。またバッグばかりが目立って肝心のセミナー内容の印象が薄れる恐れがあるためオススメしません。
バッグの使い方
ビジネスバッグによっては、バッグの両端に肩がけ用のショルダー紐が付いているものがあります。実際、バッグにノートパソコンなどを入れたときは、バッグがとても重くなるので、このショルダー紐が活躍するでしょう。
しかし、ジャケットを着ているときに、のショルダー紐を使うことはオススメしません。これはジャケットの肩に重い荷物がついたショルダー紐が乗ることで、ジャケットの肩を傷めてしまうからです。
ジャケットの肩と袖の付け根との接合部分は、職人の手で繊細に縫製されています。またアイロンを使うことで微妙なカーブを美しく形作るなど、ジャケットの肩周りはスーツ全体の中でも特に手が込んだ部位です。
そこに重い荷物がついたショルダー紐が食い込むと、せっかくのスーツの肩の造作が台無しになってしまいます。
また、ショルダー紐とジャケットの間で摩擦が生じるため、ジャケットの生地を傷めてしまうことがあります。
ジャケットスタイル、スーツスタイルでは、バッグの肩がけや斜めがけはせず、手持ちをするようにしましょう。同様の理由で、リュックサックなどジャケットを着た上から背負うのも厳禁です。
まとめ
今回のコラムでは、セミナー講師の服装について目的に応じた着こなし方を解説いたしました。
なお、セミナー講師の服装についてのポイントを改めて紹介すると以下の通りです。
・セミナー講師の服装に求められるもの
・セミナー講師の服装は目的で使い分ける!
・参加者に親近感を持っていただきたい場合は、ジャケパンスタイルがオススメ
・威厳・権威性を持たせたい場合は、スーツスタイルが基本
・移動で使うバッグは、A4サイズのファイルが入る本革製のものを
このコラムが、セミナー講師としてさらに信頼を得るための一助となりましたら幸いです。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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