結婚式のスーツに合わせるネクタイといえば以前は白でしたが、現在はシルバーのネクタイが定番となっています。

一方でシルバーネクタイは種類も多く、どれを選んだら良いか分からないという声もあります。そこで今回はシルバーネクタイの選び方について詳しく解説します。先にポイントを紹介すると以下の通りです。

・シルバーネクタイはフォーマル度合いで考える

・無地のシルバーネクタイ

・織柄のシルバーネクタイ

・他の色が入ったシルバーネクタイ

・カラーネクタイ

・斜め縞柄（ストライプ）は避けるのも一案

・結婚式でのNGネクタイ

・黒いネクタイ

・動物柄・アニマル柄のネクタイ

・派手・インパクトのあるネクタイ

・シルバーネクタイの結び方

・ディンプルを作る

・ポケットチーフを使う

・色はシルバーまたは白の無地

・リネン（麻）のポケットチーフ

・シルク素材のポケットチーフ

・色あり、柄物のポケットチーフ

このコラムの重要な部分を押さえていただくことで、シルバーネクタイの選び方の参考になれば幸いです。

シルバーネクタイはフォーマル度合いで考える

一口にシルバーネクタイといっても、無地のものから細かい色や柄が入ったものなどたくさんの種類があります。どのようなシルバーネクタイを選ぶかは、結婚式自体の雰囲気、新郎新婦との間柄などを考慮してフォーマル度合いで考えると分かりやすくなります。

ここではシルバーネクタイの種類別に分けて解説します。

無地のシルバーネクタイ

無地のシルバーネクタイは同じく無地の白ネクタイと並んで、もっとも格調高いネクタイです。格式のあるホテルウェディングはもちろん、職場関係の方の結婚式などフォーマル度合いを高くして臨みたいときに最適です。また、親族や主賓として式に臨む場合も無地のシルバーネクタイが良いでしょう。

無地のシルバーネクタイは柄がない分、素材のクオリティーがダイレクトに伝わります。そのため、シルク100%でツヤのあるものがオススメです。

織柄のシルバーネクタイ

ネクタイのベースはシルバーで、生地に織り柄が表現されているネクタイです。結婚式などお祝いの場で華やかな見た目になります。無地のプレーンなシルバーネクタイよりはややカジュアルな印象ですが、慶事用のネクタイであることは一目で分かります。

織り柄はストライプ、チェック柄、ペイズリー柄など様々ありますが、これらはあくまで織りで柄が表現されているため、色自体はシルバー単色です。その点で通常の柄物のネクタイとは異なります。

なお、織り柄でドット柄が入っているものは、柄の大きさにも注意が必要です。ドットの柄が大きくなるほどカジュアルな印象を与えます。そのため、大ぶりのドット柄ネクタイは披露宴で使うのは避けて、たとえば結婚式の二次会やガーデンウエディングなどカジュアルな装いでも問題ない場面で使うのが良いでしょう。

他の色が入ったシルバーネクタイ

シルバーをベースにしながら、水色やピンクなど他の色が少し入ったネクタイです。ストライプ柄の縞に色が入っているものなどが一例です。

これらは無地ベースのシルバーネクタイと比較するとカジュアルな見た目になります。

そのため、ご友人の結婚式に出席するなど近しい間柄である場合に使うのが良いでしょう。これらはお仕事使いの通常のネクタイとは異なり、あくまで慶事用であることがポイントです。通常のネクタイと見分けがやや難しいかもしれませんが、結婚式などの慶事用の売り場で取り扱いがあるため、そのような場所で入手することができます。

カラーネクタイ

シルバーネクタイではありませんが、淡いピンクや水色といったパステルカラーのネクタイなどがあります。慶事用という明確な線引きはなく、あくまで明るい色味のネクタイです。そのため、ビジネス用のネクタイのように暗い色を基調とするものは避けましょう。

カラーネクタイは慶事用のシルバーネクタイと比べるとカジュアルな見た目になります。そのため、格式の高いホテルウェディングでの使用よりはガーデンウェディングやパーティー形式のお式などで使う方が馴染みます。

新郎新婦との間柄が友人などの近い場合などで使うのが良いでしょう。反対に親族や主賓としての出席の場合はあくまでシルバーネクタイで臨みます。

斜め縞柄（ストライプ）は避けるのも一案

男性の昼の正礼装がモーニングです。モーニングは結婚式の新郎新婦の父親、式典やセレモニーの主賓や主催者の装いで、その際に締めるネクタイがストライプ柄のシルバーネクタイです。

そのため、同じような縞幅のストライプ柄のネクタイを締めるとこうした主賓格の人と被って見える恐れがあります。そのような配慮から結婚式、慶事ではストライプ柄のシルバーネクタイは使わないのも一案です。

結婚式でのNGネクタイ

結婚式では主にシルバーネクタイを締めますが、中には使用することがタブーなネクタイもあります。ここではそうしたネクタイを解説します。

黒いネクタイ

黒いネクタイはお通夜、葬儀などの不祝儀、弔事で使うネクタイです。そのため、結婚式などの慶事で使うのは絶対に避けましょう。最近ではモードファッションの流れで弔事以外で黒ネクタイを締める方もいらっしゃいます。しかし、結婚式はあくまで新郎新婦をお祝いする場です。そうしたオシャレはプライベートで楽しみましょう。

動物柄・アニマル柄のネクタイ

二つ目は動物柄・アニマル柄のネクタイです。具体的にはレオパード（豹）柄、シマウマ柄など動物の表皮の模様を柄に取り入れたネクタイを指します。こうしたアニマル柄は生き物の殺生を表すことから、結婚式はもちろん、冠婚葬祭全てのフォーマルシーンで使うことがマナー違反となります。

オシャレを意識してアニマル柄のネクタイを締めると、主催者はもちろん、出席している方々のひんしゅくをかってしまいますので避けましょう。

派手・インパクトのあるネクタイ

最後は派手であったり、周囲に与えるインパクトが大きいネクタイです。主張の強すぎるネクタイはたしかに目立ちますが、結婚式の主役は新郎新婦です。そのため、新郎新婦より目立ってしまうようなネクタイをすることもマナー上よろしくありません。シルバーネクタイ以外のカラーネクタイで臨みたい場合は、新郎新婦との間柄、式典の開催場所等としっかり考慮しましょう。

シルバーネクタイの結び方

ここではシルバーネクタイの結び方について解説します。

結び方はシャツの襟型に合わせる。

シルバーネクタイはプレーンノットと呼ばれるもっともシンプルな結び方でカバーできます。このプレーンノットはもっともシンプルでかつ縦長の綺麗な形を作ることができるのでオススメです。結び方もウインザーノットなどに比べると簡単で結びやすいです。

基本的にはどの襟型であってもプレーンノットの結び方で対応できますが、ワイドカラーのシャツなど、シャツの襟が左右に広く空いているものはネクタイのノット（ネクタイを結んだときのコブ状の部分）の左右に結び目が見えてしまうことがあります。この結び目が見えるとだらしない印象を与えてしまいますので、襟に結び目がきちんと隠れるようにネクタイはしっかりと締め上げましょう。

もしプレーンノットでは襟とノットの間に結び目が見えてしまうときは、ウインザーノット、セミウインザーノットなども結び方でも構いません。

ウインザーノット、セミウインザーノットはプレーンノットと比べるとノットが横方向に大きくなりますが、その分襟との間隔が狭まるので結び目は見えにくくなります。

ディンプルを作る

ネクタイを美しく締める技法の一つに「ディンプル」を作る方法があります。ディンプルとは英語のdimple（えくぼ）が由来の用語で、ノットの下位置に意図的にくぼみを付けることでネクタイを立体的に見せることができ、Vゾーンを華やかな印象にしてくれます。

結婚式などの慶事ではこのディンプルを作り、お祝いの気持ちをお届けしましょう。

なお、このディンプルはネクタイの結び方の中では華やかな演出方法です。そのため、華やかさを演出することに不向きな不祝儀・弔事ではディンプルは作らないように気をつけます。

ポケットチーフを使う

結婚式などのお祝い事ではポケットチーフなどの小物を使うことで一層、華やかな印象になります。ここでは結婚式で使うポケットチーフについて解説します。

色はシルバーまたは白の無地

シルバー、白のポケットチーフは格式高い印象を与えることができます。そのため、結婚式、慶事では特にオススメです。シルバー、白のポケットチーフは様々なものが流通しており、無地のものや織りで柄が表現されたものまで多くの種類があります。織り柄が入ったポケットチーフは無地のプレーンなものに比べるとややカジュアルな印象になります。

そのため、親族や主賓格の方の場合は白、シルバーの無地のポケットチーフが良いでしょう。

リネン（麻）のポケットチーフ

ポケットチーフは素材による違いがあります。一つ目はリネン（麻）素材のポケットチーフです。麻特有の張り感のある感触が特徴で、真面目、きちんとした印象を与えます。

麻のポケットチーフはTVフォールドと呼ばれる挿し方で胸ポケットに挿します。これは正方形のポケットチーフを四分の一の正方形に折り、それをさらに半分（長方形）に折りまげて胸ポケットに挿す方法です。

リネンのポケットチーフは白無地のものから、色・柄が入ったものまで様々なものがあります。格式高い雰囲気で望むのであれば白無地がオススメです。

シルク素材のポケットチーフ

もう一つはシルク素材のポケットチーフです。生地にシルク特有の光沢があります。美しいドレープ（ゆるいヒダ、たわみのこと）を生むため、一層華やかな印象になります。挿し方はパフドスタイルと呼ばれる方法で挿すのが一般的です。これはシルクのポケットチーフの中央部分を指でつまんで残りを垂らし、反対の手の指て作った輪をくぐらせながらたわみを作り、その部分を胸ポケットから覗かせる挿し方です。

シルク素材のポケットチーフも様々な色、柄がありますが、格式が高いのはリネンのポケットチーフと同じく白かシルバーの無地です。

色あり、柄物のポケットチーフ

その他には色が入ったものや柄がプリントされたポケットチーフがあります。これらは白無地、シルバー無地のポケットチーフと比較するとカジュアルな見た目になるため、使うとすれば友人や会社の同僚など近しい間柄の場合が良いでしょう。

ポケットチーフだけが派手な印象にならないよう、全体との調和を考えて選ぶようにします。ネクタイの色と合わせると統一感あるコーディネートになるのでオススメです。

まとめ

このコラムでは結婚式でのシルバーネクタイの選び方について解説しました。シルバーネクタイの選び方についてのポイントを改めてまとめると以下の通りです。

 

・シルバーネクタイはフォーマル度合いで考える

・無地のシルバーネクタイ

・織柄のシルバーネクタイ

・他の色が入ったシルバーネクタイ

・カラーネクタイ

・斜め縞柄（ストライプ）は避けるのも一案

・結婚式でのNGネクタイ

・黒いネクタイ

・動物柄・アニマル柄のネクタイ

・派手・インパクトのあるネクタイ

・シルバーネクタイの結び方

・ディンプルを作る

・ポケットチーフを使う

・色はシルバーまたは白の無地

・リネン（麻）のポケットチーフ

・シルク素材のポケットチーフ

・色あり、柄物のポケットチーフ

このコラムの重要な部分を押さえていただくことで、シルバーネクタイの選び方の参考になれば幸いです。

なお、結婚式ではベスト付きスーツ（スリーピーススーツ）を着ると一層格式高い着こなしをすることができます。参考に下記のコラムもぜひご覧ください。

ビジネスシーンでの、ベスト付きスーツ（スリーピーススーツ）のカッコいい着こなし｜オーダースーツの基礎知識

監修者

小林英毅（銀座英國屋 代表取締役社長）

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の３代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学ＭＢＡ・明治大学ＭＢＡ・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・東京赤坂・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか？」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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