オーダースーツ 銀座英國屋コラム葬儀、不祝儀でのネクタイの選び方。押さえるべきルールから着こなし方まで徹底解説!

葬儀、不祝儀でのネクタイの選び方。押さえるべきルールから着こなし方まで徹底解説!

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お通夜やお葬式に参列することになったとき、ネクタイは黒いものを締めるのが一般的です。しかし、その細かいルールや締め方については意外に知られていません。

そこでこのコラムでは不祝儀、弔事の際に使うネクタイについて詳しく解説します。

なお、不祝儀、葬儀で使うネクタイについてのポイントを先に紹介すると以下の通りです。

・葬儀のネクタイは黒・無地の一択

・お通夜の服装

・お葬式・告別式の服装

・シャツは白無地の一択

・シャツの生地は織柄のないプレーンなものを選ぶ

・ボタンダウンシャツは着ない

・喪服に合わせる革靴

・靴は黒のストレートチップ

・靴の汚れ、傷みにも気を付ける

・ポケットチーフは使わない

・不祝儀・弔事用ネクタイ選びのポイント

・黒無地で光沢のないものを選ぶ

・ネクタイの大剣幅にも気を付ける

・黒ネクタイの結び方にも気を付ける

・ネクタイの結び方はプレーンノットが基本

・ディンプルは作らない

・ネクタイの長さはベルトが隠れるくらい

・ネクタイバー

・ご葬儀より後の服装

・一周忌・三周忌

・七回忌以降

このコラムの重要なポイントを押さえることで、不祝儀で使うネクタイについての理解を深めていただければ幸いです。

葬儀のネクタイは黒・無地の一択

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葬儀は一般的に通夜、葬式(告別式)、火葬という順番で執り行われます。それぞれの目的が異なることから、弔問客として参列する際の服装も異なります。

以下に場面を分けて解説します。

お通夜の服装

お通夜の服装については「取り急いで駆けつけたので黒のスーツを準備する間がなかった」という意味合いから、スーツは黒だけではなくダークグレー、ダークネイビーなどの地味な平服で構わないとする考え方があります。

もっとも最近は故人が亡くなった日を一日目とし、その二日目にお通夜をするのが通例とされています。そのため、お通夜でも喪服を着るのが一般的です。それに合わせてネクタイも弔事用のものにします。

お葬式・告別式の服装

お葬式は喪服で臨みます。喪服はもちろん、それ以外の各アイテムにも気をつけたいところです。ここでは喪服以外のシャツ、靴、靴下などについて解説します。

シャツは白無地の一択

不祝儀、弔事で着るべきシャツは白無地一択です。チェック柄、ストライプ柄などは選びません。たとえ線が細いストライプ柄であっても案外目立つものです。喪服では柄が入っていない白無地のシャツを選びましょう。

シャツの生地は織柄のないプレーンなものを選ぶ

喪服を着る際の白シャツは無地のものを選びますが、生地にも注意をしましょう。一見無地に見えるものでも、よく見るとチェック柄やストライプが織り柄で表現されているものがあります。これらは「平織り」と呼ばれるプレーンな生地と比べるとカジュアルな見え方になります。そのため、不祝儀で着るシャツは織柄が入っていないものを選びましょう。

ボタンダウンシャツは着ない

シャツの襟型にも注意が必要です。よく襟先をボタンで留める形状のシャツ(ボタンダウンシャツ)を着用されている方がいらっしゃいますが、喪服ではボタンダウンシャツは着ません。もともとボタンダウンシャツはポロ競技をする際、襟先がヒラヒラと跳ね上がるのを防ぐためにボタンで留めたことが起源のカジュアル由来のシャツです。そのため、フォーマル度合いが高い不祝儀で使うのは相応しくありません。

同様にビジネススーツ着用時にもボタンダウンシャツは着ないようにしましょう。

なお、喪服ではありませんが、スーツの着こなし方については下記のコラムでも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

スーツのオシャレな着こなし方とは?|理想的な着方とコーディネート例を項目別に解説

喪服に合わせる革靴

続いて喪服を着る際に履く革靴について解説します。

靴は黒のストレートチップ

オーダースーツ・フルオーダースーツ・不祝儀・喪服・ストレートチップ

革靴は黒色の内羽根色、ストレートチップと呼ばれるデザインのものを選びます。紐が付いていないローファーやモンクストラップは革靴の中でもカジュアルなデザインです。そのためフォーマルさが求められる弔事では履きません。

靴の汚れ、傷みにも気を付ける

また、革靴は普段から使っているとけっこう汚れていたり傷が入っていたりするものです。こうした傷みは意外に見られているものです。葬儀に出席する前にご自身の靴をチェックしておきましょう。

喪服に合わせる靴下は黒無地

喪服に合わせる靴下は黒無地の薄手のものを選びましょう。これは喪服の色が黒であるため、コーディネートに統一感を持たせるためです。また、靴下を黒にしておけば、喪服から革靴に至るまでがすべて黒一色になり、繋がっているように見えます。喪服のスラックスと革靴が分断されないため、スタイル良く見える効果もあります。

ポケットチーフは使わない

ビジネスシーンや結婚式などで胸ポケットにポケットチーフを挿すことがあります。ポケットチーフを挿すことでコーディネートに華を添えることができますが、不祝儀、弔事ではオシャレの要素、華のある装いはNGです。そのため、不祝儀全般でポケットチーフは使いません。色味のあるものはもちろん、ポケットチーフの中ではもっともベーシックとされる白の麻素材のものであっても使わないように気をつけましょう。

不祝儀・弔事用ネクタイ選びのポイント

ここでは弔事用のネクタイを選ぶポイントをいくつかの項目に分けて詳しく解説します。

黒無地で光沢のないものを選ぶ

弔事用のネクタイはシンプルなものであるほどフォーマル度合いが高くなります。そのため、黒の無地が最適です。また、不祝儀で光沢のあるものは身につけないのがマナーとされています。そのため不祝儀用のネクタイも光沢が出過ぎていないシルクを選ぶようにしましょう。ポリエステルなど化学繊維のネクタイは光沢が出やすいので注意が必要です。

最近では黒の不祝儀用ネクタイであってもストライプ柄が入っていたり、大剣部分(ネクタイの正面側)に刺繍の飾り柄が入ったネクタイも流通しています。これらはいずれも装飾的、オシャレな要素になります。葬儀ではそうした要素は全てご法度です。そのため、やなりそのような柄が入っていない黒の無地ネクタイがオススメです。

ネクタイの大剣幅にも気を付ける

ネクタイの正面側に来る方を「大剣」といいます。この大剣の幅が太いか細いかで見え方の印象が変わってきます。一般的に細くなるほどモードファッション、オシャレな印象になり、また逆に太くなるほどクラシックな見た目になります。

大剣幅が46cm程度の細いネクタイをナロータイ(narrow tienarrow=「狭い・細い」)と呼び、これはオシャレの要素が強く、カジュアルな印象になります。そのため喪服で使うネクタイとしては控えましょう。オススメは大剣幅が標準的(8cm程度)なものです。

黒ネクタイの結び方にも気を付ける

ネクタイは結び方によって派手に見えてしまったりだらしなく見えてしまったりすることがあるので、気をつけたいところです。ここでは弔事用のネクタイの結び方について解説します。

ネクタイの結び方はプレーンノットが基本

ネクタイを結ぶ際はプレーンノットの結び方がもっともシンプルでかつ縦長の綺麗な形を作ることができるのでオススメです。結び方もウインザーノットなどに比べると簡単で結びやすいです。

基本的にはどの襟型であってもプレーンノットの結び方で対応できますが、ワイドカラーのシャツなど、シャツの襟が左右に広く空いているものはネクタイのノット(ネクタイを結んだときのコブ状の部分)の左右に結び目が見えてしまうことがあります。この結び目が見えるとだらしない印象を与えてしまいますので、襟に結び目がきちんと隠れるようにネクタイはしっかりと締め上げましょう。

もしプレーンノットでは襟とノットの間に結び目が見えてしまうときは、ウインザーノット、セミウインザーノットなどの結び方でも構いません。

ウインザーノット、セミウインザーノットはプレーンノットと比べるとノットが横方向に大きくなりますが、その分襟との間隔が狭まるので結び目は見えにくくなります。

ディンプルは作らない

ネクタイを美しく締める技法の一つに「ディンプル」を作る方法があります。ディンプルとは英語のdimple(えくぼ)が由来の用語で、ノットの下位置に意図的にくぼみを付けることでネクタイを立体的に見せることができ、Vゾーンを華やかな印象にしてくれます。

ビジネスシーンではネクタイにディンプルを作ることはお勧めしていますが、これはネクタイの結び方の中では華やかな演出方法です。そのため、華やかさを演出することに不向きな不祝儀・弔事ではディンプルは作らないように気をつけましょう。

ネクタイの長さはベルトが隠れるくらい

ネクタイを結んだ際の大剣の長さにも一定のルールがあります。具体的にはネクタイを結んだ際に大剣の剣先がベルト金具に被るくらいの長さになるようにします。これより長くても短くても違和感のある印象を与えます。

ネクタイバー

ネクタイを締めた際にネクタイが揺れ動くのを防ぐためにネクタイバーをすることがあります。このようにネクタイバー(ネクタイピンを含む)は実用品ですが、同時にコーディネートに華を添える装飾品としての意味合いもあります。そのため、ビジネスシーンではネクタイバーを付けることは問題ありませんが、不祝儀での使用は人によっては華美に見られる場合があるため控えた方が無難でしょう。

ご葬儀より後の服装

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お通夜から告別式までは先に解説しました。ここでは、ご葬儀より後の服装について解説します。

一周忌・三周忌

お通夜から四十九日法要までは弔事なので喪服、黒ネクタイで臨むのが基本です。その後の一周忌、三周忌などは喪服・黒ネクタイよりややカジュアルなダークスーツに紺やグレー系の落ち着いた色のネクタイで臨んでも良いとする意見もあります。

しかし、喪服と比較するとやはり砕けた印象になってしまうため、場合によっては顰蹙(ひんしゅく)をかってしまう恐れもあります。そのため、一周忌、三周忌は喪服に弔事用の黒ネクタイが良いでしょう。

七回忌以降

七回忌頃になると一般的には黒、紺、グレーなど落ち着いた色のスーツ、平服で良いとされています。しかし、故人への哀悼の意を伝えるためには七回忌までは喪服、黒ネクタイで臨むと良いでしょう。特に社会的な立場がある方などは周囲がカジュアル方向に進んでいても敢えてきちんと喪服で臨むことで信頼を得ることができます。

まとめ

このコラムでは不祝儀・おくやみごとでのネクタイの選び方について解説しました。ネクタイ選びのポイントをまとめると以下の通りです。

葬儀のネクタイは黒・無地の一択

・お通夜の服装

・お葬式・告別式の服装

・シャツは白無地の一択

シャツの生地は織柄のないプレーンなものを選ぶ

・ボタンダウンシャツは着ない

喪服に合わせる革靴

・靴は黒のストレートチップ

靴の汚れ、傷みにも気を付ける

・ポケットチーフは使わない

・不祝儀・弔事用ネクタイ選びのポイント

・黒無地で光沢のないものを選ぶ

・ネクタイの大剣幅にも気を付ける

黒ネクタイの結び方にも気を付ける

ネクタイの結び方はプレーンノットが基本

・ディンプルは作らない

・ネクタイの長さはベルトが隠れるくらい

ネクタイバー

・ご葬儀より後の服装

・一周忌・三周忌

・七回忌以降

また、今回は不祝儀でのネクタイ選びについて解説しましたが、喪服自体もきちんとしたサイズ感でないと、綺麗に着こなすことができません。下記のコラムではスーツの正しいサイズ感について詳しく解説しておりますので、こちらも併せてご覧ください。

スーツはサイズ感が命!|正しいスーツ選びのチェックポイント|オーダースーツの基礎知識

 

このコラムの重要なポイントを押さえることで、不祝儀のネクタイの選び方の参考になれば幸いです。

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監修者

オーダースーツ銀座英國屋 代表取締役社長 小林英毅

小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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