オーダースーツ 銀座英國屋コラムジャケパンスタイルとは?スーツとの違いからオススメのコーディネートまで徹底解説!
ジャケパンスタイルとは?スーツとの違いからオススメのコーディネートまで徹底解説!
ビジネスシーンで最も誠意を伝えられる装いはスーツですが、近年ではオフィスカジュアルやビジネスカジュアルも浸透してきました。TPOに応じて、少し崩したコーディネートを選ぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その中でも多いのが、「ジャケパンスタイル」。そこでこのコラムでは、ジャケパンスタイルの着こなし方、コーディネート方法について詳しく解説します。
なお、ジャケパンスタイルのポイントを先に紹介すると以下の通りです。
・ジャケパンスタイルとは、ジャケットとパンツを使ったコーディネート
・スーツよりもカジュアルな位置付け
・ビジネスカジュアルで増えたジャケパンスタイル
・スーツのジャケットを使うのはNG
・ジャケパンスタイルで使うジャケットは、スーツの上着とは別の物
・ジャケットをオーダーするのもオススメ
・オススメのコーディネートは、ネイビージャケットにグレーのスラックス
・靴は、まずは黒のストレートチップ
・周りとの差別化をするため、ネクタイを締めることもオススメ
・ベルトは、靴の色に合わせる
・靴下は、ロングホーズが最適
このコラムが、「ジャケパンスタイルの着こなし」の参考となりましたら幸いです。
ジャケパンスタイルとは
ジャケパンスタイルとは、「ジャケット+ パンツの組み合わせ」のコーディネートを指します。スーツが、「同じ生地のジャケット(上着)とスラックス」で構成されているのに対し、ジャケパンスタイルは「ジャケットとスラックスは別生地のもの」で組み合わせる点が特徴です。
単品のテーラードジャケットとパンツ(スラックス)を使ったコーディネートなので、ジャケット+パンツで「ジャケパン」という造語が生まれました。
以下では、ジャケパンスタイルについて詳しく解説いたします。
スーツよりもカジュアルな位置付け
スーツは上下が同じ生地で作られており、ジャケットとズボンを合わせて着ることで完成します。ビジネスシーンで最も誠意を伝えられる、基本の装いです。
これに対し、ジャケパンスタイルではスーツではない「単品のジャケット」を使います。ジャケットとズボンで別の生地を選び、コーディネートの幅が広がることに加えお洒落な印象になるので、スーツスタイルよりもカジュアルな位置づけとなります。
ビジネスカジュアルで増えたジャケパンスタイル
近年では、クールビズやウォームビズの影響で、ビジネスシーンでの服装のカジュアル化も進んでいます。こうした中で、ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルといった「ビジネスシーンでの崩しすぎないジャケパンスタイル」も浸透してきました。
スーツのジャケットを使うのはアリ?
ジャケパンスタイルで使うジャケットと、スーツの上着のジャケットは一見すると似ているので「スーツの上着をジャケパンスタイルで使っても良いのではないか?」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、一見すると似ているように思われますが、スーツの上着をジャケパンスタイルで使うのはNGです。それは、実はいくつも異なる点があるからです。では、具体的に両者にはどのような違いがあるのか、以下で解説します。
ジャケパンスタイルで使うジャケットとは?
それでは、ジャケパンスタイルで使うジャケットとはどのようなものでしょうか。
スーツのジャケットと何が違うのか?
着丈
ジャケパンスタイルで使う単品ジャケットは、着丈がやや短く作られています。具体的には、ジャケットの裾先がお尻の中間位置付近に来る長さです。
このように短くすることで、足が見える面積の割合が相対的に大きくなり、足を長く見せる効果が生まれます。
対してスーツのジャケットの着丈はお尻がすっぽりと綺麗に隠れるくらいの長さです。これはスーツが上下共生地で作られていて、一緒に着ることで全体を1本の線のように見せることに繋がります。このようにジャケパンスタイルのジャケットとスーツの上着は着丈も異なります。
ポケットの仕様
ジャケパンスタイルのジャケットの多くは、腰ポケットがパッチポケット(前身頃に袋状のポケットを取り付ける方法)の仕様になっています。
このパッチポケットは、スーツのジャケットに見られるフラップ(蓋)付きのポケットと比べるとカジュアルなディテールになるため、ビジネスシーンでは避け、TPOを考えて選ぶようにしましょう。
肩の作り
ジャケパンスタイルのジャケットは、肩にパッドが入っていないか、入っていてもごく薄い作りのものが多くなっています。これは、単品ジャケットが「カジュアル使い」も想定しているためです。
これに対し、スーツのジャケットは、デザインにもよりますが、肩は構築的なデザインのものも多く、薄くてもしっかりとした肩パッドが入っています。
このような点を見ても、単品のジャケットとスーツの上着は別物であると言えるのです。
セットアップとは
ジャケパンスタイルとスーツスタイルのちょうど中間に位置しているのが、「セットアップ」という概念です。
セットアップは、基本的にジャケットとズボンが共生地で作られていて、スーツとして使うことができます。ただし、セットアップスーツのジャケットは単品ジャケットのディテールに近く、ジャケパンスタイルでのジャケットとして使うこともできます。
ジャケットをオーダーするのもオススメ
自分のサイズや好みにバッチリと合ったジャケットを見つけるのも難しいもの。ジャケパンスタイル用にジャケットをオーダーするのもオススメです。
スーツに限らずジャケパンスタイルのジャケットも、サイズがきちんと合ったものを着ると見栄えが良く、着心地も良いものです。
オススメのコーディネート
ここでは、ジャケパンスタイルのオススメのコーディネートについて解説します。
ジャケット
最初の一着目には、無地ネイビーのシングルジャケットがオススメです。ネイビーのジャケットはどのようなスタイルにも合わせやすく、汎用性が高いため一着持っておくと重宝します。
スラックス選び
ジャケパンスタイルはスーツとは異なり、スラックス(ズボン)を自由に選ぶことができます。ここでは、ビジネスシーンで使うことを想定したスラックスについて解説します。
グレーのズボンがオススメ
ビジネスシーンで使う場合、グレーのスラックスがオススメです。グレーのスラックスはネイビーのジャケットとの相性もよく、ジャケパンスタイルの定番アイテムです。
グレーの色味が明るすぎると、カジュアルな印象になるため、ビジネスシーンではチャコールグレーなど比較的色のトーンが落ち着いているものが良いでしょう。
その他のパンツ
オフィスカジュアルが進んでいるため、単品ジャケットにチノパン等を合わせる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、カジュアルが強い印象になってしまうので、きちんとしたビジネスシーンには不向きと言えるでしょう。(チノパン等のカジュアルなアイテムは、プライベートでお洒落を楽しむ時には最適です。)
靴
まずは黒のストレートチップ
ジャケパンスタイルは、スーツと比べるとカジュアルな装いになりますが、足元に最もフォーマル度合いの高い「黒のストレートチップ」を合わせることで、コーディネートが引き締まります。
黒のストレートチップはビジネスシーン全般で使えるので、一足は持っておきましょう。
黒のUチップ、茶靴もオススメ
ストレートチップに次いでオススメなのは、黒のUチップや茶色の革靴です。スーツスタイルはスーツの上下が共生地で作られているため、全体として縦長と映りスタイル良く見せる点が魅力。そのため、靴もストレートチップの内羽根のような、スッキリとしたデザインのものがよく合います。
一方ジャケパンスタイルは、靴にボリューム感のあるUチップと好相性です。
また、ネイビージャケットとグレーのスラックスには、茶系の革靴もよく合います。ただし、色味が明るすぎると革靴だけが浮いて見えてしまうため、注意が必要です。標準的なブラウンからダークブラウンを選びましょう。
ローファーはアリ?
革靴の一種にローファーがありますが、革靴の形状の中でもっともカジュアルな位置付けのため、ビジネスシーンでは避けましょう。ローファーは、ぜひプライベートや、オフの日のお洒落としてお楽しみください。
ネクタイ
スーツスタイルでは必須とも言えるネクタイですが、最近ではクールビズやウォームビズの影響もあり、ビジネスシーンでもノーネクタイの服装をお見かけすることがあります。
ジャケパンスタイルは、スーツスタイルよりもカジュアルな位置付けなので、ノーネクタイのスタイルも馴染みやすいものです。そこに、敢えてネクタイを締めることで周りと差別化をすることもできるので、TPOに応じて取り入れていきましょう。
基本はスーツスタイルと同じ
ジャケパンスタイルで使うネクタイといっても、特別なものは必要なく、通常のシルク素材のネクタイを選んで問題ありません。
その他のネクタイ
シルク素材以外のネクタイでは、ウールタイやニットタイなどもオススメです。これらのネクタイは、シルクのネクタイよりもカジュアルな印象になりますが、もともとスーツと比べてカジュアル度が高いジャケパンスタイルには好相性と言えます。
ベルト
ベルトは靴の色と合わせるようにしましょう。
こうすることで、コーディネートに統一感が生まれスッキリとした印象になります。
靴下
靴下の色をズボンに合わせると、ズボンから足元にかけてつながって見えるため、足が長く見える効果があります。例えばグレーのスラックスには同じグレーの靴下を合わせるといった具合です。
特に靴下のオススメは、ロングホーズ。ロングホーズソックスは通常の靴下よりも長く、座ったり足を組んだりしても脛が見えないため、紳士の嗜みとして重宝するアイテムです。
まとめ
このコラムではジャケットスタイル、ジャケパンスタイルの着こなし方、コーディネート方法について詳しく解説しました。
なお、ジャケットスタイルのポイントを改めて紹介すると以下の通りです。
・ジャケパンスタイルとは、ジャケットとパンツを使ったコーディネート
・スーツよりもカジュアルな位置付け
・ビジネスカジュアルで増えたジャケパンスタイル
・スーツのジャケットを使うのはNG
・ジャケパンスタイルで使うジャケットは、スーツの上着とは別の物
・ジャケットをオーダーするのもオススメ
・オススメのコーディネートは、ネイビージャケットにグレーのスラックス
・靴は、まずは黒のストレートチップ
・周りとの差別化をするため、ネクタイを締めることもオススメ
・ベルトは、靴の色に合わせる
・靴下は、ロングホーズが最適
このコラムが、ジャケットスタイルの着こなし方の参考となりましたら幸いです。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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