オーダースーツ 銀座英國屋コラム失敗しないオーダースーツの仕立て方|オーダースーツの基礎知識

失敗しないオーダースーツの仕立て方|オーダースーツの基礎知識

オーダースーツを仕立て慣れていらっしゃる方は、その時々の目的でどのような生地、どんな柄行き、どういったスタイルのスーツを作るべきかが経験値で分かることでしょう。

しかし、初めてのオーダーチャレンジや、まだ2〜3着目の場合は、すぐには分からないかもしれません。

今回の記事では、失敗しないオーダースーツの仕立て方について、詳しく、また分かりやすく解説します。オーダースーツビギナーのみなさんは、ぜひ参考にしてください。

【結論】着る目的を明確にした上で、「無料相談」を利用する

オーダースーツ・フルオーダースーツ・銀座英國屋・無料オーダー体験

オーダースーツを仕立てる際に、失敗しないポイントはいろいろとありますが、まず結論から入ります。

そのオーダースーツを着用する「目的」を明確にしましょう。
そして、ぜひ「無料相談」をご活用ください。

これらについて、ここからたっぷり掘り下げてまいります。

「失敗しないオーダースーツの仕立て方」のカギは「着る目的の明確化」

まずは「着用する目的の明確化」について、詳しく見ていきましょう。

「目的」によって「手段」が変わる

オーダースーツをどのような目的で仕立てるのか、その目的は人それぞれです。また、同じ人であっても仕立てる機会ごとに目的も変わります。

あなたのオーダースーツを着る目的が「若い女性から素敵だと思われたい」のであれば、ファッションのトレンドを理解し、それをほどよく型紙に反映してくれるテーラーを選ぶのがよいでしょう。

現代のスーツファッションとしての「スタイリッシュ」さと、紳士服本来の折り目正しい印象を表現してくれるはずです。流行と普遍が交差するオーダースーツ生地を提案してくれる上に、現在進行形の垢抜けたスーツスタイルを体現してくれます。

「営業関係の仕事で成果を上げたい」のであれば、清潔感と誠実さを全面に押し出せる、オーセンティックでクラシックなオーダースーツを得意とするテーラーにお願いしましょう。

伝統の柄から醸し出る正統感と、品格漂う仕立て方により、「この人と取引したい!」と思わせる「仕立ての妙」を実感できるはずです。

「取引先の経営陣に一目置かれたい」のであれば、一部の隙もない一流の仕立てができる本格志向のテーラーを選ばなくてはなりません。

一流は一流を知るといわれます。言葉など必要のない、一流同士の感性のやりとりが両者の間にある隙間を埋めることでしょう。

「仕事用スーツの目的」を明確にする軸は「どなたからの信頼が必要か?」

ビジネスシーンでの着用を目的に、オーダースーツを仕立てる方はたくさんいます。そこで大切な視点は、そのスーツを着用する場面で「どなたから」の信頼が欲しいのかという点です。

明確なターゲットを持てば持つほど、相談を受けるスタッフもイメージがしやすくなります。
 

無料相談で「安心できる提案」が受けられるかを確認する。

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フルオーダースーツを仕立てる場合は、イージーオーダーやパターンオーダーと比べて、費用も期間もかかります。そのため、なかなかイメージが定まっていないままでのご注文は「失敗のもと」となる場合もありますので、ぜひとも避けたいところです。

多くのテーラーが、その際に注文するかしないかは別として、無料相談に応じてくれます。

いわば、家を建てる際の見積もりのようなものです。まずは「判断のたたき台」がなければ、高額な費用がかかるマイホームの発注には勇気がいるのではないでしょうか。迷う場合は迷う気持ちのまま、直接テーラーに足を運び、スーツのプロに相談してみましょう。

銀座英國屋では「無料オーダー体験」をご用意

私たち銀座英國屋も、もちろん無料相談を受けつけています。

また、フルオーダーの真髄でもある「仮縫い」までご体験いただける「無料オーダー体験(無料相談+フィッティング体験)」もご用意しています。オーダースーツを注文する際の流れを体験できるサービスであり、選ばれた生地・デザインでの価格を確認した上でオーダーを検討できるという点でも、ご好評いただいています。

無料相談の活用ポイント

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ここからは無料相談に臨む際のポイントを見ていきましょう。あなたがテーラーで無料相談を受ける際のポイントは、以下の5つです。

ポイント①着る目的(どなたからの信頼が必要か?)を伝える

ポイント②着用シーズン、着用場面を伝える

ポイント③お気に入りのスーツコーディネートで訪問する

ポイント④予算感を伝える

ポイント⑤フィッティング担当の専門性を確認する

それぞれのポイントを、詳しく見ていきましょう。

ポイント①着る目的(どなたからの信頼が必要か?)を伝える

まず1つめのポイントとしては「着る目的」、言い換えれば「どなたからの信頼を得たいのか?」を伝えることです。

あなたが具体的にイメージしている、新しいオーダースーツを着てお会いしたい方の情報を、さしつかえのない範囲で伝えましょう。(その方のご年齢・業種・役職など)

そうする事で、接客担当のスタイリストが、提案すべき生地やデザイン、スタイルをイメージしやすくなります。

ポイント②着用シーズン、着用場面を伝える

2つめのポイントとしては、「着用したいシーズンや着用場面」も、しっかりと伝えることです。

同じ「ビジネスのシーン」であっても、普段の取引先との商談なのか、プレゼンなのか、初顔合わせなのかなどによっても、最適なスーツは異なります。

例えばプレゼンで着用するなら颯爽として精悍で、しかし深い配慮も忘れないイメージを演出したいものです。流行を追い過ぎない範囲での、スタイリッシュなシルエットのスーツが最適でしょう。

初顔合わせでは積極的なアグレッシブ感が前面にでると、相手も引き気味になりがちです。スタイルとしては例えば、あまりボディラインを強調しすぎない、ほどよいゆとり寸を設けたテイストが賢明でしょう。
 

ポイント③お気に入りのスーツコーディネートで訪問する

「テーラーに着ていく服が分かりません」と、ご質問をいただくことがあります。

3つめのポイントでもありますが、あなたのワードローブの中から、お気に入りで体に馴染んでいるスーツやワイシャツやネクタイをお召しになられて訪問されることがオススメです。

または、その日着ていく服とは別に、着心地が気に入っているものを店舗にお持ちになれば、寸法やお好みのデザインの参考となります。

ポイント④予算感を伝える

4つめのポイントは、予算によって生地選択の範囲が大きく異なるので、あらかじめ予算感も伝えることです。予算内で、ご着用の目的に合うスーツを提案してもらいましょう。

ポイント⑤フィッティング担当の専門性を確認する

フィッティングは専門性が高く、技術を要する仕事です。身体を単に測るだけではなく、生地縫製に関する知識も必要となります。それは、決して一朝一夕には身に付かないものです

フィッティング担当の技量は、スーツの完成度に大きく影響します。テーラーを利用する際には、フィッティング担当の専門性を確認しておくことも重要です。これが5つめのポイントとなります。

とはいえ、技量を確認することは、なかなか難しいかもしれません。

一つ言えることは、一人のスタッフが顧客の要望を聞いて生地のチョイスを提案する「接客担当のスタイリスト」と、「フィッティング担当の技術者」を兼任することは難しいということです。なぜなら、どちらも専門性が高い仕事だからです。

私たち銀座英國屋では、生地の提案とフィッティングのそれぞれのクオリティを確保・向上させるために、スタイリスト(接客担当)とフィッティング技術者を分けています

スーツ生地の選び方

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オーダースーツは、同じようなスタイルの仕立てでも、生地が変わればまったく雰囲気も変わってきます。つまり、想い描いている理想のスーツを仕立てるためには、スタイルと生地のマッチングも大切です。

オーダースーツ生地を選ぶ際のポイントについても、詳しく触れておきましょう。

着る目的・着用シーズン・着用場面・予算感を伝えて、スタイリスト(接客担当)に選択肢を絞ってもらう

5つのポイントで解説したように、着る目的・着用シーズン・着用場面・予算感などをあらかじめ伝えておくことで、スタイリストは生地を選びやすくなります。

四季それぞれの旬の味わいを持つ生地もあれば、スリーシーズンやオールシーズンに近い生地もあり、特徴・雰囲気がそれぞれ異なります。その中から、着る目的と着用シーズンに適切な生地を提案してもらいましょう。

セレモニーの場で着用するスーツなら、華やぎと品格がある光沢系の極細繊維素材が似つかわしいです。

プレゼンで着るスーツなら、伝統の英国柄に寒色系のスパイスをぴりりとあしらったような、垢抜けたクールなクラシック柄になどがよいかもしれません。

初顔合わせの場に着るスーツなら、温厚で真摯なイメージを与えるミディアムグレーのピンストライプや、ペンシルストライプなどのベーシック柄がよいでしょう。

顔映り・肌触りを確認する

生地の顔映りや肌触りもよく確認しましょう。肌触りは、特に人差し指と親指でつまんで擦り合わせてください。

それが滑らかなのか、多少引っ掛かりを感じるかで生地の性質がわかります。それは良し悪しとは別で、好みのテイストかどうかです。

顔映りとは数値で測れるものではないので、曖昧なものと思われる場合もありますが、決してそうではありません。

意外に知られていませんが、顔映りを判断するための基準が実はあるのです。それはその生地を当てた時に顔色が「健康的に見える」か否かという基準です。

これは数値にはできませんが、客観的に判断できるものです。色は単体で見るのと、近くに別の色があるのとでは、ほんの少しですが見え方が変わってきます。

顔の近くに別の色が来た際に、顔色が少しでもピンクに寄ると健康的に見えます。また、少しでもブルーに寄ると健康的な印象から遠ざかるでしょう。

つまり、その生地を当てることで、顔色が「血色が良い状態」と「青白い状態」のどちらに振れるかを見ればよいのです。

それをきちんと見極めるためには、面積が小さい生地サンプル帳ではなく、現物の生地150cm×320cmが標準を肩から掛けて鏡を見ることがオススメです。その生地でできた服を身につけた状態の顔映りを再現でき、仕立てあがった様子をイメージしやすくなります。

そのように確認をすることで、仕立て上がってから「顔映りが良くなかった・・・」という失敗を避けることができます。

生地サンプル帳ではなく、現物の生地から選ぶ

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前項の通り、生地の面積が小さいと、顔映りの確認は難しいものです。また、肌触りの確認も難しくなります。
さらに、物理心理学用語「面積効果」により、「小さな面積では、暗く見える」ため、生地サンプル帳でのイメージよりも、仕上がってみたら明るかった・派手だったとなるケースがあります。これは、特に、太めのストライプ柄や、チェック柄の時に発生しやすいため、注意が必要です。

銀座英國屋では、上記のことを考慮し、現物の生地からお選びいただけるように、生地を豊富に展示しています。生地サンプル帳もご用意しているため、もし、現物の生地がなければ、生地サンプル帳からもお選びいただけます。(2022年3月1日現在、現物と生地サンプル帳の生地を合わせ14,572点)

補足:初めてのオーダーであれば、ダークネイビースーツ・標準仕様がオススメ

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ここまで「失敗しないオーダースーツの仕立て方」を様々な視点からご紹介しましたが、初めての注文服の場合は、ダークネイビーの生地を選び、標準仕様で仕立てることをオススメします。

ダークネイビー無地のスーツは、紳士服の基本形であり、最も汎用性が高いスーツです。まずは、それを標準仕様で仕立て、2着目からご自身のお好みも生地やデザインに反映させると良いでしょう。

ダークネイビー無地のスーツは、生地の良し悪しや、仕立てのグレードがわかりやすい服です。初めてのオーダーでは、確かなグレードの生地を選び、優れた縫製技術で仕立ててもらい、自信を持てる基準服とすることをおすすめします。

参考:ネイビースーツの着こなし方|シーン別のオススメ着こなしもご紹介。

まとめ

今回は、「失敗しないオーダースーツの仕立て方」をご紹介しました。

初めにご紹介した通り「失敗しないオーダースーツの仕立て方」の結論は、『着る目的を明確にした上で、「無料相談」を利用する』こと。

そして、着る目的の明確化、もっといえば、「仕事用スーツの目的」を明確にする軸は「どなたからの信頼が必要か?」です。

また、無料相談の活用ポイントは、以下の通りです。

ポイント①着る目的(≒どなたからの信頼が必要か?)を伝える
ポイント②着用シーズン、着用場面を伝える
ポイント③お気に入りのスーツコーディネートで訪問する
ポイント④予算感を伝える
ポイント⑤フィッティング担当の専門性を確認する

今回、ご紹介した内容が、素敵なオーダースーツと巡り合うキッカケとなりましたら幸いです。


 

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