オーダースーツ 銀座英國屋コラムエグゼクティブのスーツは何着必要?相手軸で考える装いの基本
エグゼクティブのスーツは何着必要?相手軸で考える装いの基本
「あなたはスーツを何着持っていますか?」
礼服を除いた、普段のビジネスシーンでのスーツは、3〜4着ほど持っているという方が多いと思います。
この質問をすると、よく「最低3着は必要」という話を耳にします。
3着必要だという理由は、一度着たスーツを2日休ませることで、傷みにくくするためでしょう。しかし、この考え方は20〜30代まで。エグゼクティブ、またはエグゼクティブを目指すビジネスパーソンにとっては適切とは言いかねます。今回は、エグゼクティブは何着のスーツを持つべきなのか、解説します。
スーツを着る目的
スーツは仕事をする上で欠かせない服装です。ただし「仕事」とひと括りにすると、目的が分からなくなります。いくつかのシチュエーションごとに見ていきましょう。
就活
例えば就活生。彼らは就職活動中に、面接などで会社を訪問する際にスーツを着ます。彼らの目的は「希望の会社から内定をもらうこと」です。
複数社を受けるとしても、毎日スーツを着るわけではないため、一般的に1-2着用意される方が多いようです。3着以上を用意されるのは、学生の経済力から言っても難しい上に、あまり必要がありません。特に就活の定番であるブラックスーツは、社会に出てから着る機会は冠婚葬祭に限られるため、社会に出てからもビジネスシーンで活躍するダークネイビースーツを1-2着持つことがオススメです。
新入社員
大学を卒業し新しく社会人になれば、スーツは1着では足りません。毎日会社にスーツを着て行く仕事なら、最低でも3着は必要になります。目的は「スーツを長持ちさせるため」です。
スーツは1日着ていると、多くの汗を吸っています。その水分を陰干しで抜いてあげる必要があります。またスーツを着ていると、必ずシワができてしまいます。そのシワを伸ばすためにも、最低でも2日は空けることが重要です。特に自然素材であるウールなどは、2日休ませることで、シワを含め、かなり回復します。
ほとんどの場合、新入社員には大勢の前で話す機会や、大事なプレゼンを任せられることはないでしょう。着こなしを疎かにしていいわけではありませんが、ベーシックな色柄のスーツを3着持ち、清潔感を大切にしていれば、仕事でマイナスの評価を受けることはありません。
エグゼクティブ
社会人として経験を積み、高い地位に上り詰めると、徐々に「見られる立場」になります。課長、部長、取締役と昇進していくたびに、部下の数は増え、やりとりをする社外の人脈も増えていきます。仕事の責任も重くなり、人前でスピーチやプレゼンをする機会も多くなります。
このようになると、ただ「傷みにくいから」という理由でスーツの着数を決められません。あなたがエグゼクティブなら、スーツを着る目的は「自分の着心地」や「値段の安さ」だけでは済まないでしょう。
「見られる立場」になったならば、同僚や部下、上司のみならず、ビジネスパートナーをはじめとした社外から「信頼」を得ることを第一優先としなければなりません。信頼を得ることで、ビジネスを円滑に進めていくことができるからです。信頼を得るには、自分軸ではなく、「相手軸」で装いを考える必要があります。
「見られる立場」として最低5着のスーツが必要
スーツは最低5着
「相手軸」で考えれば、スーツは最低でも5着は必要です。5着を着回すことで、もちろん長持ちもします。しかし、長持ちするかしないかは、あくまで自分軸の考え方です。
スーツを5着持っていると、1週間に一度の着用となります。また、毎日違うヨレのない美しいスーツを着ることができます。服装に気を使っているということは、「相手に敬意を払える人物」と印象づけられます。そのためには、5着持っておくことが望ましいのです。
スーツの色
ビジネススーツで、持っておくべきスーツの色は、まずダークネイビーとダークグレー。柄は無地です。グレーと言っても、明るいグレーよりもダークグレー(チャコールグレー)がオススメです。このネイビーとグレーは、ビジネススーツの基本だと考えて下さい。
ダークネイビーとダークグレーを1着ずつ揃えたら、次にそれぞれの色でストライプの入った生地がおすすめです。ストライプと言っても様々ありますが、幅が1cm以下の、いわゆる「ピンストライプ」と呼ばれるベーシックなデザインが基本です。ストライプの幅が広くなりすぎると、カジュアルなイメージを持たれますので、あまりビジネスでは用いません。
また同一色で落ち着きのある「シャドーストライプ」もビジネスに適しています。
基本はこの、ダークネイビーとダークグレーの、無地・ストライプ・シャドーストライプです。基本を押さえた後には、明るいネイビーやグレーもおすすめです。さわやかで若々しい印象を与えます。
ローテーション
トップセールスマンや経営者には、同じお相手に連続で同じスーツを着ていかないように気をつけている方もいます。お会いした後に、自分がその日に何を着ていたかを手帳に記しておき、次回にかぶらないようにするという心配りです。
「自分の印象を良くすること」が、仕事の成果に結びつくと理解するからこそ、ここまで気を使えるのです。
このような習慣は、「相手軸」で自分の装いを考えることで身につきます。
相手軸
エグゼクティブの多くは、自分がどう見られるか、ということを「相手軸」で考えています。ですから、必要以上にスーツに「好み」を持ち込みません。自分の好みだけで服装を選ぶことは、プライベートならいいのですが、ビジネスシーンでは失敗の原因になります。
確かに個性は大切ですが、スーツはベーシックを着こなしてこそ、信頼を得られるということも事実です。スーツのみならず、シャツや靴、かばん、髪型やヒゲなど、エグゼクティブには自分の装いもビジネス戦略として考えることが求められます。
銀座英國屋のお客様の中には、奥様や弊社のスタイリストにスーツ選びの全てを任せられる方もいらっしゃいます。相手軸でスーツを選ぶという観点からも、これは合理的な方法とも言えます。
春夏と秋冬
ここまで5着のスーツが必要だとお話しましたが、春夏素材と秋冬素材で、それぞれ5着ずつ持っておくことが理想的です。銀座英國屋では、店頭の生地も春夏素材と秋冬素材で大きく入れ替わります。
春夏素材は、簡単に言えば涼しい生地(相手軸で言えば涼しげに見える生地)です。吸湿性や通気性に優れていて、軽く、熱のこもりにくい生地が基本です。逆に秋冬素材は、熱の放出を防いでくれる、暖かい生地が基本です。季節に合ったスーツは、着ている本人の快適性も違いますが、何より相手に違和感のない印象を与えてくれます。
さいごに
ここまで、エグゼクティブの持つべきスーツの数について解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?この記事のポイントは、スーツはあくまで「ビジネスの信頼を得るための武器」ということ。そして、そのためには「相手軸」が必要だということでした。
もしご興味が湧いたという方は、ぜひ店頭まで足をお運びください。弊社のスタイリストがあなたのビジネスの成功のために、最適な一着をご提案いたします。
無料オーダー体験のご案内
銀座英國屋では、無料オーダー体験を実施しています。
ご注文時の不安がないよう、カウンセリング・生地選び・細かなディテール決め・サンプル仮縫い品による仮縫いの疑似体験を実施しています。
また、店内には仕上がった製品見本もご用意しています。是非、ご予約フォームより「無料オーダー体験」をご予約下さいませ。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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