オーダースーツ 銀座英國屋コラムフルオーダースーツの銀座英國屋が国内製造にこだわる理由とは?

フルオーダースーツの銀座英國屋が国内製造にこだわる理由とは?

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銀座英國屋には、オーダースーツ縫製工房というグループ会社があります。

銀座英國屋の店舗で受注したオーダースーツを作る工房です。銀座英國屋では、年間約4500着のスーツを生産しておりますが、これらのすべてをオーダースーツ縫製工房で製作しています。

自社グループで縫製工房を持っているフルオーダースーツ専門店は、他にはほとんどありません。自社でハンドメイドしているケースなどもありますが、一般的には下請け会社にスーツの縫製を任せるケースが多いようです。中には海外の縫製工場を利用しているケースも多いと聞きます。

さまざまな方法がある中で、銀座英國屋で「製販一体」を大切にし、自社生産にこだわってきました。今回は、銀座英國屋が国内製造にこだわる理由を解説していきたいと思います。

日本品質

銀座英國屋では、「信頼を得られる装いをお納めすること」を何よりも大切にしています。銀座英國屋が責任を持って育てた信頼する職人が縫製するからこそ、最高の一着として自信を持ってお届けしています。

また、「日本で信頼を得られる装い」をご提供するには、縫製技術者自身が「日本でのビジネス感覚」「日本市場で認められる品質」を、肌感覚で分かっていた方が良いと考えています。

例えばイタリアの一部では、「袖がネじれていても、それがイキ」といった認識もあるそうです。しかし、日本では受け入れられていません。日本で生活する日本人の方がお客様の中心である銀座英國屋では、このような視点からも日本国内での製造を大切にしています。

店舗と工房の意思疎通

当然のことながら品質向上のためには、店舗スタッフ・工房スタッフの意思疎通が必要です。WEB会議でもある程度の意思疎通は可能です。しかし、一着一着ごとに生地・仕様が異なるオーダースーツの場合、製品を目の前にして行う会議がどうしても必要となります。

銀座英國屋グループでは、店舗スタッフ・工房スタッフが集まっての会議を定期的に実施していますが、やはり国内、しかも店舗から1時間半という立地に工房を構えているからこそ、実現できることです。

マニュアルだけでは対応できない技術

フルオーダースーツの場合、一着ごとに生地や仕様が異なるため、絶妙な対応力が求められます。

もちろん、品質維持・技術継承の観点でマニュアルは用意してあるものの、一人一人が担当する工程が複雑で、数回教えれば、後はマニュアルで対応できるといった単純作業ではありません。更に、工房では、丸縫い職人として経験を重ねた工房長が、工程を細かくチェック、更に良い品質になるよう、随時改善・指導をしています。

そのため、何年にもわたり、何度も繰り返し指導が必要です。この指導には、前述の店舗スタッフ・工房スタッフの会議も含まれます。

このようにして、店舗とも連携している目のゆきとどく縫製体制だからこそ、最高の一着をお客様にお納めできるのです。これが、国内縫製を大切にしている理由のひとつです。

温度・湿度の違いによる伸び縮みを軽減する

品質を考えるにおいて、縫製場所と保管・着用場所の気候が似ているというのも、重要な要素です。

実は温度や湿度によって、生地や副資材は伸び縮みします。例えば、湿度が低い方がより縮み、湿度が高い方がより緩むという具合です。そのため「日本国内と外国」のように、気候が大きく異ると「縫製場所では完璧なのに、お客様のお手元に届いたらシワが出てしまった」ということが発生しかねません。

なるべく早くお届けしたい。

銀座英國屋が国内縫製に拘る一番の理由は、前述の通り、「品質」に拘るためです。

他にも、「お客様のご要望に合わせ、なるべく短い納期でお届けしたい」というのも、国内縫製に拘る一つの理由です。

工房と店舗との行き来は、少なくとも4回

改めて、フルオーダースーツのご注文~ご納品の流れを説明いたします。

店舗でご注文をいただいたら、生地と型紙を工房に送り、「仮縫い品」の縫製に入ります。仮縫い品とは仕付け糸で仮留めした試着用のスーツのことです。

仮縫い品の完成後、仮縫い品と型紙を店舗に送り、もう一度、お客様に店舗へお越しいただいて、フィッティングを行います。ここで、スーツのシルエットや着心地などを確認していただきます。

フィッティングが済みましたら、フィッティング結果を基に型紙(パターン)を修正(補正と言います)し、仮縫い品と型紙を工房に送り、本縫いに入ります。

工房で、縫製職人が縫い上げ、完成したスーツを店舗に送ります。

そして、店舗でお客様にご納品します。

このようにご受注からご納品まで、工房と店舗の間で少なくとも4回以上スーツが行き来することになるのです。

ですから、工房が遠いと納期がその分延びてしまうことになります。また国内と言っても、店舗から離れるとその分だけ納期に時間がかかります。このため、フルオーダースーツ縫製工房は埼玉県北本市にあり、本店のある銀座には電車で一時間半という近距離に位置しています。

さいごに

銀座英國屋が国内製造にこだわる理由がお分かりいただけましたでしょうか。コストの面だけを考えると国内製造は不利です。しかし「銀座英國屋でフルオーダースーツを仕立ててよかった」と言っていただくために、最高の品質を追求することは我々の使命だと考えています。銀座英國屋こだわり抜いた生地、そして縫製を、ぜひ一度ご体感ください。

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監修者

オーダースーツ銀座英國屋 代表取締役社長 小林英毅

小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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