オーダースーツ 銀座英國屋コラムトレーニョ(Tollegno 1900)のオーダースーツ生地は男の粋を嫌味なく表現
トレーニョ(Tollegno 1900)のオーダースーツ生地は男の粋を嫌味なく表現
エグゼクティブの仲間入りを果たして、充実した生活を送っているビジネスパーソンの皆さんには、そんなあなたを引き立てるおすすめオーダースーツ生地があります。
垢抜けた「粋」なニュアンスを嫌味なく表現してくれる、トレーニョ(Tollengo 1900)の生地です。
なぜそのような効果があるのか、1900年に始まる歴史とともに、その根拠を解説します。オーダースーツを仕立てる予定があるエグゼクティブの皆さんは、ぜひ生地選びの際の参考にしてください。
目次
トレーニョ(Tollegno 1900)とは?
トレーニョ(Tollegno 1900)は、母体であるロロピアーナ社が1900年に、デザイナーやアパレルメーカー向けの生地を提案するために設立した生地メーカーです。
以前は「Lanificio di Tollegno」と名乗っていましたが、現在では「Tollegno 1900」で統一されています。 “Lanificho” はイタリアの生地ブランド名によく見られる言葉ですが、「生地製造工場」の意味です。
トレーニョ(Tollegno 1900)は、テキスタイルの企画から紡績、染色、織布工程までを一貫しておこなう織元です。また、生地だけでなく糸自体を製品として販売する紡績メーカーとしても知られています。
120年以上の歴史を刻んできた生地ブランドとして名高く、品質や革新性、サスティナビリティを維持してきました。メリノウールをはじめとした極細繊維を中心に製造するテキスタイルに命を吹き込んできた生地メーカーです。
トレーニョ(Tollegno 1900)を特徴づけているのは、長年にわたって構築された確固たる生地製造技術の高さ、伝統的なイタリアの製法の踏襲、そして自社の生地製品を世界に広めることを可能にしたグローバルな展望です。
トレーニョ(Tollegno 1900)はニューヨーク、香港、上海、大阪にあるオフィスから、ビエラの毛織物工業のヘリテージ(伝統)とイノベーション(革新)を常に世界に向けて発信しています。
トレーニョ(Tollegno 1900)の歴史
トレーニョ(Tollegno 1900)は創業の1900年以来、アルプスの豊かな自然と水源を享受しつつ、120年以上にわたって営々と織物製造を続けている、正真正銘の老舗ブランドです。
クラシックの何たるかを知り尽くし、時代ごとに変わるトレンドも取り入れながら、繊細で美しいイタリアならではの生地を生み出しています。
デザイナーズブランド、アパレルメーカーを主な提供先とし、近年では世界中のテーラーにも供給しています。そんなトレーニョ(Tollegno 1900)の歴史を、振り返ってみましょう。
イタリアの毛織物のメッカ「ビエラ」を拠点に発展
トレーニョ(Tollegno 1900)は、多くの織物製造業者が操業する、イタリア北部の毛織物のメッカ「ビエラ」に拠点を構えて発展しました。
ビエラはワイン産地として知られるピエモンテ州の北東部に位置し、西陣と並び称される絹織物産地桐生市と姉妹都市提携をしています。
トレーニョ(Tollegno 1900)は創業後間もなく、細番手の紡績に優れた織元として頭角を現しました。
織物市場に極めて良質な糸を提供するようになり、織物製造に適したビエラの自然と水の恵みに後押しされて、魅力的な生地を生み出す生地ブランドとして名を馳せることになります。
1980年代に生産体制を強化
1980年代の中頃において、トレーニョ(Tollegno 1900)に変革の時が訪れました。
刻々と変化する世界のファッショントレンドを反映したニーズに直面することが多くなり、生産体制の強化として、最新の機械を投入する設備投資を行ったのです。
また、品質管理を徹底する「構造改革」にも踏み切りました。現在、トレーニョ(Tollegno 1900)は牧畜から始まって生地製品服に至るまでのプロセスを追跡できるトレーサビリティを持っています。
不具合が出た際に、原因を追跡できる「Sheep to Shop Project」です。「原毛から店まで」を意味する、織元の矜持が感じられるプロジェクト名といえるでしょう。
トレーニョ(Tollegno 1900)のオーダースーツ生地の特徴
トレーニョ(Tollegno 1900)のオーダースーツ生地は、イタリア製素材の持つ優れた面が凝縮されています。英国製のオーダースーツ生地と比較すれば特にわかりやすく、対象の位置にあります。
英国製オーダースーツ生地の、重厚で質実剛健な趣きに対して、軽やかでしなやか、艷やかで彩りも美しいのが特徴です。それらは高い技術を駆使した細番手の糸、染めと織りへのこだわりがなせる業といえるでしょう。
繊細な生地はオーダースーツに仕立て上がると、それを着る人のボディラインを際立たせる、豊かで流麗なドレープを生み出します。
粋で洒脱な雰囲気が、嫌味なく表現されるのがトレーニョ(Tollegno 1900)のオーダースーツ生地の素晴らしいところです。
トレーニョ(Tollegno 1900)のオーダースーツ生地の認知度
トレーニョ(Tollegno 1900)はロロピアーナグループの一員であり、ファッション界で高い評価を受けているにもかかわらず、オーダーファンにとっては競合しているカノニコ やレダと比べて、少しばかり認知度が低いかもしれません。
その理由は、そもそもメインがテーラー向けではなく、デザイナーズブランドやアパレルメーカー向けの生地の生産だったからです。
今でこそオーダースーツ用の生地も多く生産していますが、本来デザイナーズブランドやアパレルメーカー向けの生地で業績と認知度を伸ばした織元なのです。その辺りが一般消費者の認知度が少し低い要因でしょう。
トレーニョ(Tollegno 1900)の生地の魅力
トレーニョ(Tollegno 1900)の生地は、こだわった一貫生産が生む安定したクオリティと、常にファッショントレンドが織り込まれたテキスタイルデザインが魅力です。
それゆえに、トップブランドのジョルジオ・アルマーニやヴァレンチノ、ヴェルサーチ、ドルチェ&ガッバーナなどがこぞって使用するのです。
ブリティッシュスーツのコンセプトは「社会との接点」であり、抑制されたエレガンスを求められますが、イタリアのスーツは違います。コンセプトが「個性の発露」なので、色や柄の表現に大きな違いが出るのでしょう。
これは決して良し悪しではなく、あくまで個人の嗜好の問題です。垢抜けた粋な雰囲気や洗練度を求める人には、イタリアならではの感性を体現したトレーニョ(Tollegno 1900)の生地でオーダースーツを仕立てることをオススメします。
さいごに
今回ご紹介した(Tollegno 1900)のオーダースーツ生地は、トレンド性と伝統技術を組み合わせた、他のオーダースーツ生地ブランドとは一味違う「粋」と「洗練」が漂います。それらは、あなたの持つ垢抜けた一面を引き出し、際立たせてくれるでしょう。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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