海外のテレビドラマなどで、ネイビーのストライプ柄のスーツを颯爽と着こなしている男性は格好いいものです。しかし、いざストライプ柄のスーツを着ようとすると、どのようなものを選べば良いか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際にお客様から「ストライプスーツに挑戦したいけれど、何を選べば良いか分からない」というご質問を頂戴することもあります。

そこで、このコラムでは「ネイビーのストライプスーツ」に焦点を当て、ストライプスーツの種類、ストライプスーツが持つイメージ、さらにはコーディネート方法に至るまで詳しく解説いたします。

なお、ネイビーのストライプスーツについてのポイントを先に紹介すると以下の通りです。

・ネイビーストライプスーツの印象は、貫禄・威厳・オシャレ

・強面な印象にならないように注意が必要

・ストライプスーツの種類は、主にこちらの4種類

・ピンストライプ

・チョークストライプ（バンカーストライプ）

・オルタネイトストライプ

・シャドーストライプ

・ネイビーストライプスーツは、「どなたからの信頼を得たいか？」で考える

・お相手からの信頼を得たいなら「スリーピーススーツ」も一案

・ネイビーストライプスーツのコーディネートは、シャツは白無地がオススメ

・ネクタイは、無地か小紋柄がオススメ

・靴は、ベーシックなストレートチップが最適

・靴下は、ロングホーズで真摯のマナーを

このコラムが、ネイビーのストライプスーツについての選び方や着こなしについてのご参考となりましたら幸いです。

ネイビーストライプスーツの印象とは

ネイビーのストライプスーツは、お会いする方にどのような印象を与えるのでしょうか。
ここでは、ネイビーストライプのスーツが与える印象について解説します。

貫禄、威厳性を与える

まず、ネイビーという色には精悍さ、知的、高貴といった印象があり、そこにストライプ柄が加わることで、無地のスーツと比べ視覚的なインパクトが強くなり、より存在感が出ます。その存在感は貫禄や威厳のある雰囲気にもなり、自信に満ちた印象を届けたい時にオススメです。

オシャレ、洒脱な印象

ネイビーのストライプスーツは、無地のスーツと比べて程よい個性を生み、オシャレさや垢抜けた印象を持たせることができます。

また、ストライプ柄のスーツは、ジャケットとスラックス（ズボン）が同じストライプで統一されており、全体として縦方向の線が強調されます。全身を見たときに、視覚効果により縦長に見えることで、スタイルが良く見える効果も期待できるでしょう。

さらにネイビーは、色彩学上、引き締まって見せる効果のある「寒色」となります。

ネイビーにストライプ柄を加えることによって、一層引き締まって格好良く見せることができ、体型をシャープに見せたい方にもオススメです。

ストライプスーツを着るときの注意点

ネイビーストライプスーツを着るときには、注意すべきこともあります。ここでは、ネイビーストライプスーツを着る際に気をつけるべきポイントをご紹介します。

強面な印象にならないように気を付ける

ストライプ柄のスーツは、選び方によっては強面（こわもて）な印象を与えることがあります。それは無地のスーツに比べ、存在感があるためです。

ストライプスーツが強面に見えるかどうかは、ストライプ（線）の印象で決まります。具体的には、線が太くなるほどインパクトが強くなり、線と線の幅が広くなるほどストライプの印象がはっきりします。また、ネイビーのスーツでは、線の色が明るくなるほどストライプの柄がくっきりと見える特徴があります。

強面な印象を与えないようにするためには、「ストライプ柄が太すぎず、線と線の間隔がある程度狭いもの」がオススメです。また、ストライプの色をネイビースーツと同系色にすると、スーツの生地にストライプ柄を馴染ませて落ち着いた印象にするこことができます。

目上の人が多い場では気を付ける

先にご紹介したように、ネイビーのストライプスーツは、貫禄や威厳のある印象を作ることができます。そのため、自分よりも目上の人がいる場では、ときとして不相応な見た目と感じられる恐れがあります。特にストライプの柄がはっきりと出たスーツは主張が強くなるため、配慮が必要です。

目上の人が多い場では、主張が強いストライプスーツは避けた方が無難と言えるでしょう。

どのようなストライプスーツがあるか

ネイビーのストライプスーツと一言で言っても、ストライプの柄には様々なものがあります。ここでは、どのようなストライプ柄があるかを具体的に解説します。

ピンストライプ

ピンストライプは、ピン（水玉、ドット）を等間隔に並べて線状にした極細のストライプです。線と線の幅は、１～２㎝の物が多くなっています。ピンストライプの英語表記は「pin stripe」で、pinは留め針のことを指します。ストライプスーツの定番とも言えるストライプで、穏やかで落ち着いた印象です。

ペンシルストライプ

ペンシルストライプは文字通り、鉛筆で描いたような細い線が等間隔で並ぶストライプ柄です。ピンストライプより太い線が使われます。線の輪郭が比較的はっきりとしているのが特徴です。

チョークストライプ（バンカーストライプ）

チョークストライプは、チョークで描いたようなストライプ柄です。線の輪郭がかすれたようなタッチのストライプで、白い線が一般的です。ネイビーのスーツ生地に白い線のチョークストライプが入ると、主張がしっかりした力強い印象になります。経営者の方などに人気のストライプです。

この柄は、ロンドンで働く銀行マンが好んでこのストライプを使ったことから、バンカーストライプと呼ばれることもあります。

オルタネイトストライプ

オルタネイトストライプとは、２種類の異なる色のストライプが交互に配されたストライプ柄のこと。オルタネイトは、「交互に」という意味です。オルタネイトストライプは２種類の異なる色のストライプで構成されているため、華やかでオシャレな印象になります。

シャドーストライプ

生地の織りでしま模様を表現したストライプです。光の当たり方によって、ストライプが浮かび上がって見えるのが特徴です。優雅で上品な印象を与えます。

また、比較的目立ちにくいストライプ柄なので、ネイビーストライプスーツを初めて新調する方にもオススメです。

ネイビーストライプスーツの選び方

無地のスーツと比べると、主張があるストライプスーツ。ここでは、その選び方についてお伝えします。

「どなたから信頼を得たいか？」で考える

スーツを選ぶにあたっては、自分が好きな色、柄で決める方もいらっしゃるかと思います。しかし、スーツは本来、社会的な信頼を得て、ビジネスで成功を収めるために着るもの。「何を着たいか」という願望ではなく、「どなたからの信頼を得たいか」という視点で考えることが大切です。

実際にネイビーのストライプスーツは、ストライプの色、柄によって見た目の印象が大きく変わります。以下では、目的に応じてオススメのネイビーストライプスーツをご紹介いたします。

堂々とした様、威厳、貫禄ある雰囲気

周囲から堂々としている雰囲気、貫禄を持たせたいという場合は、チョークストライプ（バンカーストライプ）などストライプの線がしっかりとしたものがオススメです。線の色は白を選ぶことで、ネイビーの生地と色のコントラストが生まれ、一層力強い印象を与えることができます。

また、ネイビーが明るく、青みが強くなるほど華やかな印象になります。落ち着いた印象や貫禄を出したい場合には、色のトーンが暗いダークネイビーに、チョークストライプが施されたスーツが良いでしょう。

控え目ではあるが、ストライプスーツを着たい

ストライプスーツは着たいが、目立つことは控えたいという方には、ピンストライプ、ペンシルストライプなどのストライプの線が細いものが、上品で知的な印象となるのでオススメです。

また、ストライプの線の色が白の場合は、ネイビー生地と色のコントラストが出るので、控え目でありながらもきちんと主張のある印象になります。

反対にグレーや水色などの、白以外で線の輪郭がぼやけたストライプを選ぶと、ほのかにストライプ柄が入っているため、さらに控え目な印象になります。

相手からの信頼を得たいなら「スリーピーススーツ」もオススメ

なお、ビジネスシーンでお相手からの一層の信頼を得たいなら、スリーピーススーツもオススメです。詳しくは、下記のコラムもご覧ください。

ビジネスシーンでの、ベスト付きスーツ（スリーピーススーツ）のカッコいい着こなし｜オーダースーツの基礎知識

ネイビーストライプスーツのコーディネート

ここまでは、ネイビーストライプスーツの柄の種類、見た目の印象についてご紹介しました。ここでは、ネイビーストライプスーツのコーディネートについて解説します。

Vゾーンで考える

Vゾーンとは、スーツのジャケット、シャツ、ネクタイで構成される場所で、ジャケットとシャツの境目がアルファベットの「V」の字に似ていることからそう呼ばれます。

人は対面でお相手を見るとき、最初に顔まわりを見、そして目線が徐々に下がっていくため、コーディネートもVゾーンで考えるのが有効です。

シャツは白無地がオススメ

ネイビーストライプスーツでオススメのシャツは、白の無地です。これはスーツ自体にストライプ柄が入っているため、シャツは無地にする方がVゾーンもすっきりとした見た目になるためです。

中にはオシャレを意識して、敢えてストライプスーツにストライプのシャツを合わせる方もいらっしゃいますが、コーディネートの難易度が上がってしまうので、やはり無地の白シャツが良いでしょう。

それ以外では、淡い水色無地のシャツも、スーツのネイビーの生地と同系色で馴染むのでオススメです。

ネクタイ

スーツスタイルでVゾーンを飾るのが、ネクタイです。スーツにストライプ柄が入っているため、ネクタイはレジメンタルタイ（ストライプのネクタイ）よりは無地のネクタイか小紋柄にすると、Vゾーンが綺麗にまとまります。

ストライプ柄のネクタイを締めたいときは、細い縞模様のネクタイは避け、太幅のストライプを選ぶようにしましょう。そうすることで、スーツとネクタイのストライプ同士が喧嘩せず、まとまりのあるVゾーンにすることができます。

靴

ネイビーのストライプスーツには、どのような靴が合うでしょうか。ここでは、革靴について解説します。

まずはベーシックなストレートチップ

ネイビーのストライプスーツには、かしこまったイメージがあります。そのため、合わせる革靴は最もフォーマルな黒のストレートチップが好相性です。黒のストレートチップは、ネイビーストライプスーツに限らず広くビジネスシーンで使えますので、一足持っておかれると良い靴です。

茶色の革靴もオススメ

黒のストレートチップ以外では、茶系統の革靴もオススメです。ファッションの世界では、青（ネイビー）と茶色は好相性であるとされています。ちなみにこの青と茶色の組み合わせは、イタリアで「アズーロ・エ・マローネ」（「青と茶」の意味）という言葉で呼ばれ、イタリア人が好んで使う配色パターンとして知られています。

また、ベルトは靴の色と合わせることで、統一感が生まれます。

靴下

靴下は、スーツと同系色にすることでズボンから靴までが全体でつながって見えるため、スタイルを良く見せることができます。より格好よく着こなすために、ネイビーのストライプスーツには同じネイビーの靴下がオススメです。

また、スーツスタイルで足の脛を見せるのはマナー違反となります。そこでオススメは、ロングホーズという膝下まで長さがある靴下です。ロングホーズを履くことで、足を曲げたり組んだりしても脛が出るのを防いでくれます。

なお、このコラムではネイビーのストライプスーツについてご紹介しましたが、コーディネートだけでなく、「どのように着るか？」という着方も大切です。スーツの正しい着こなし方については下記のコラムもご覧ください。

ネイビースーツの着こなし方｜シーン別のオススメ着こなしもご紹介。

まとめ

今回のコラムでは、ネイビーのストライプスーツに焦点を当てて、ストライプスーツの種類、ストライプスーツが持つイメージ、さらにはコーディネート方法に至るまで解説しました。

ネイビーのストライプスーツについてのポイントを改めて紹介すると以下の通りです。

・ネイビーストライプスーツの印象は、貫禄・威厳・オシャレ

・強面な印象にならないように注意が必要

・ストライプスーツの種類は、主にこちらの4種類

・ピンストライプ

・チョークストライプ（バンカーストライプ）

・オルタネイトストライプ

・シャドーストライプ

・ネイビーストライプスーツは、「どなたからの信頼を得たいか？」で考える

・お相手からの信頼を得たいなら「スリーピーススーツ」も一案

・ネイビーストライプスーツのコーディネートは、シャツは白無地がオススメ

・ネクタイは、無地か小紋柄がオススメ

・靴は、ベーシックなストレートチップが最適

・靴下は、ロングホーズで真摯のマナーを

このコラムが、ネイビーのストライプスーツについての選び方や着こなしについてのご参考となりましたら幸いです。

このコラムが、ネイビーのストライプスーツについての選び方、着こなし方の参考となりましたら幸いです。

監修者

小林英毅（銀座英國屋 代表取締役社長）

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の３代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学ＭＢＡ・明治大学ＭＢＡ・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・東京赤坂・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか？」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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