就職活動を終えて晴れて内定をもらった女性の皆さんが次に悩むのは、新入社員としての服装ではないでしょうか。服装に詳細な規定がある場合は問題ないですが、そうでない企業の場合、どのような服装で出勤すれば良いかお悩みの方も多いようです。

実際に女性の新入社員の方から「何を着ていけば良いか？」という質問もよく頂戴します。そこでこのコラムでは女性の新入社員の服装について詳しく解説します。

先にこのコラムの流れを紹介すると以下の通りです。

・女性新入社員の服装はスーツが基本

・スーツの色はネイビーまたはグレー

・女性新入社員のスーツの着こなし方

・その他気をつけたいこと

このコラムのポイントを理解することで女性の新入社員の服装についての理解が深まれば幸いです。

女性新入社員の服装はスーツが基本

会社内定後に初出勤する際は、どのような服装にすれば良いか悩むものです。そんなときは装うことの目的から考えておくと間違いがありません。

新入社員の場合はまずお仕事に真摯に向き合う姿勢が伝わる服装であることが求められます。そう考えると、会社上司、諸先輩方に「きちんとしている」ことが最も伝わるのはスーツです。

そのため、まずはスーツスタイルで出勤し、その後は会社の雰囲気に合わせていくのが良いでしょう。以下では具体的にどのようなスーツが良いか解説します。

スーツの色はネイビーまたはグレー

ビジネスシーンで使うスーツの色はネイビーまたはグレーが基本です。これは男性に限らず女性についても同じなのです。よく黒のスーツをビジネススーツとして着用している方がいらっしゃいますが、黒は本来セレモニー、式典で使う色です。そのため、普段のお仕事着としては使いません。そのため、スーツはまずネイビーかグレーを揃えましょう。

色味に関しては明るすぎると周囲と浮いてしまう恐れがあるので、ダークネイビー、チャコールグレーといった色のトーンが暗めのものが使い勝手がよくオススメです。なお、職場で黒のスーツを着用することがルール化されているような場合は、そちらに従います。

スーツはジャケット＋スカートが基本

女性新入社員のスーツはスカートスーツが基本です。ベーシックなデザインで新入社員らしいスーツが良いでしょう。スカートは短すぎるもの、体のラインがあらわになるものは避けましょう。

パンツスーツは状況に応じて着用する

ジャケットにパンツを合わせたスーツも新入社員の女性の間で人気があります。パンツスーツは快活な印象を与えます。その反面、服装にお堅い企業だと顰蹙（ひんしゅく）を買ってしまうこともあります。そのため、パンツスーツを着用するときは職場の様子を見てから判断しましょう。

なお、パンツスーツを着用するときはパンツの丈はフルレングス（裾先が踵にかかるくらいの長さ）で、シルエットはストレートのものを選びましょう。

パンツの裾がフレアやセミフレアになっているものもトレンドですが、これらはあくまでオシャレの範疇です。お仕事での着用は控えましょう。

スーツは無地またはストライプ

スーツの柄は無地がもっともベーシックで入社式や新人研修など、どのようなシーンでも使えるためオススメです。無地以外ではストライプ柄があります。

ただし、ストライプの縞（しま）幅が広かったり、縞自体が太かったり、また線の色がハッキリとしているものは柄が目立ってしまい派手な印象を与えてしまいます。そのため、ストライプ柄を選ぶ場合は遠目で見ると無地のように見える細く目立ちにくいストライプが良いでしょう。

女性新入社員のスーツの着こなし方

ここでは、新入社員の女性の皆さんのスーツの着方について解説します。

サイズがあったものを着る

大前提として、スーツが身体に合っているものを着用します。たまに体型を隠すために、大きめのサイズを着ていらっしゃる方をお見受けします。しかし身体に対して大きすぎるスーツは不要なシワが入ってしまうため清潔感に欠ける見た目になります。また、全体的にルーズな印象を与えてしまいます。逆に身体のサイズに対して小さいスーツを着用するのもNGです。体型を細く見せるためにタイトなスーツを着ている方がいらっしゃいますが、身体の形が露わになってしまうスーツは職場で悪目立ちしてしまいます。

ジャケットのボタンは２つとも留める

紳士のジャケットとは違い、女性のジャケットは２つボタンのジャケットはボタンを２つとも留めます。開いたまま着ているとルーズな印象になるため、気をつけましょう。

スーツに合わせるシャツ、ブラウス

新入社員のスーツスタイルの要素でスーツ同様に大事なのが中に着るシャツです。
幾つか種類があり、それぞれ印象が異なるため、ここではデザイン別に簡単に解説します。

基本は衿付きのシャツ

女性のスーツスタイルでもっともベーシックなのが衿付きのシャツです。
いわゆる「ワイシャツ」と呼ばれるデザインをイメージすると良いでしょう。
シャツは厳密には衿の形状によって細かく分かれますが、レギュラーカラーとよばれるシャツであれば真面目な印象になるため、新入社員のシャツとしてオススメです。

次にスキッパーシャツと呼ばれるものがあります。
これはシャツの第一ボタンがなく、シャツの衿をジャケットの外に出して着用することができます。
快活な印象を与えますが、場合によっては華美、派手に見られることもあります。
スキッパーシャツを着用するかは、会社の雰囲気を見てから判断しましょう。

ブラウス・カットソー

ブラウスはシャツの一種ですが、衿が丸みを帯びていたり全体的に女性向けにデザインされたものを言います。ジャケットの下にブラウスを着ることで柔らかい印象になります。

カットソーは衿とボタンがないインナーを指します。
リボンなどの装飾が付いているものもありますが、ビジネスシーンで使うため、シンプルなものがオススメです。

ブラウスもカットソーも衿付きのシャツと比較すると、ややカジュアルな見た目になります。

新入社員のバッグ

新社会人として出勤する際のバッグは、基本的には就職活動で使っていたもので構いません。
入社後は、社員研修や外回り営業などでバッグを使うことあるかもしれません。

そのため、自立するもの、A4ファイルサイズが入るものがオススメです。
逆に、一見してどこのブランドか分かるようなものは派手な印象を与え、悪目立ちするので避けましょう。

新入社員の靴

靴はヒール高が3〜5cm程度あるベーシックな靴、パンプスがオススメです。
靴の色はバッグの色と合わせるとコーディネートに統一感が出ます。

また、靴は履いているうちに汚れや擦り傷がつくものです。
そうした汚れ、傷は意外に目立ちます。気づいたらメンテナンスをしましょう。
ヒール革の破れなど、ご自身で対処できないものは靴修理店に出すと良いでしょう。

その他気をつけたいこと

これまではスーツの選び方、着方について解説してきました。
ここでは、新社会人として女性の皆さんに気をつけていただきたいことをお伝えします。

ストッキングは厚すぎないものを選ぶ

女性のスーツスタイルではストッキングを穿くのが基本です。
これはパンツスーツでも同じです。ストッキングがタイツのように厚すぎるものはカジュアルな印象になるためNGです。透け感があって、肌の色と近いものを選びましょう。厚さの目安は30デニール前後がオススメです。なお、女性のスーツスタイルでは基本的に靴下は履きません。

腕時計はシンプルなものを選ぶ

最近ではスマートフォンの普及により腕時計がなくても時間を知ることができます。
そのため、腕時計を付けない人も増えています。しかし、時刻を知りたいときに、その都度スマートフォンを見るのはお仕事上もマナー違反です。

その点、腕時計を付けていれば手元に目を向けるだけで時刻がわかるため、所作としてもスマートです。高価なものでなくて構いません。シンプルな３針時計（短針、長針、秒針）がオススメです。

また、時計ベルトは本来は本革製のものがフォーマルですが、夏場など汗で革ベルトを傷めてしまうことがあります。そのため、金属ベルトでも構いません。

ちなみに最近ではスマートウォッチも人気がありますが、メールやLINEなどの受信状況が画面に表示されるため、気が散る原因になる恐れがあります。使うのはやはりシンプルな腕時計が良いでしょう。どうしてもスマートウォッチを使いたい場合は、周囲の状況を確認してからにしましょう。

ヘアスタイル

一昔前まではヘアカラー自体がNGという企業が多かったですが、現代ではヘアカラーも浸透しています。明るすぎたり、青、赤などの奇抜なカラーでなければヘアカラーも許容されている企業が増えています。

もっとも、昔ながらのヘアカラー禁止の企業もあるため、周囲の状況を見てから判断しましょう。いずれにしても、明るすぎたりメッシュを入れるなどの奇抜なカラーは避けましょう。

髪の長さに関してはお辞儀をしたときに髪が落ちてこないようにハーフアップ、１つ結びをしておくと良いでしょう。また、髪の毛を耳にかけておくのもオススメです。

メイク、ネイルなど

メイクに関しては就活の面接時に気をつけていた事柄と同じである考えて構いません。
基本的にはナチュラル、薄めのメイクでラメ感のないものです。

つけまつげ、まつ毛エクステンション、カラーコンタクトはオシャレの範疇ですので、お仕事で使うことは控えましょう。（マスカラは大丈夫です。）

ネイルは装飾性がなく、無色透明か薄いピンクが良いでしょう。

まとめ

今回は女性の皆さんに向けて新入社員の服装・スーツというテーマで解説いたしました。
このコラムの流れを改めて紹介すると以下の通りです。

・女性新入社員の服装はスーツが基本

・スーツの色はネイビーまたはグレー

・女性新入社員のスーツの着こなし方

・その他気をつけたいこと

このコラムのポイントを理解することで、女性の新入社員の服装についての理解が深まれば幸いです。

監修者

小林英毅（銀座英國屋 代表取締役社長）

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の３代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学ＭＢＡ・明治大学ＭＢＡ・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか？」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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