オーダースーツ 銀座英國屋コラムかっこいいスーツ姿を演出するには?着こなしのポイントを徹底解説
かっこいいスーツ姿を演出するには?着こなしのポイントを徹底解説
スーツを颯爽と着ている男性はかっこいいものです。
しかし、ただジャケットを羽織ればコーディネートが完成するわけではありません。完成イメージに合ったスーツや小物を厳選し、ポイントをおさえた着こなしをすることで初めて、ワンランク上の「かっこ良さ」を演出することができるのです。
この記事では、スーツや小物アイテムの選び方から、着こなしのポイントまで、「かっこよくスーツを着る」ために押さえておきたい基本を分かりやすく徹底的に解説します。
かっこいいスーツとは?
ビジネスシーンにおける「かっこいいスーツ」とは、信頼を勝ち取ることができるスーツのことです。
一般的なファッションでは、「かっこいい」と聞いて、「流行」「トレンド」「目新しさ」「モテる」など、様々な要素が思い浮かぶかもしれません。
スーツをビジネスシーンで着用するなら、その最大の目的は、服装を通じてお相手に誠意をお届けし、信頼を勝ち取ることにあります。
「かっこよさ」とは表面的な見た目だけを指すのではありません。
まずは自分の良さを引き立てる一着とアイテムを選んだうえで、仕事着として着崩さず清潔感を演出することが大切です。
関連ページ:スーツ選びにセンスは無用!信頼を得られる着こなしのために必要なこと
かっこいいスーツを選ぶポイント
ここでは、かっこよく着られるスーツや小物アイテムを選ぶポイントを解説します。
なおスーツは適正なサイズ感のものを着ることが、かっこいいスーツスタイルの第一歩です。どんなに上等なスーツでも着たときに大きすぎてはルーズな印象になります。反対に小さすぎては着心地も良くありません。
ジャケットは肩幅・身幅・着丈・袖丈を確認
ジャケットのサイズ感を確認するにあたって、幾つかチェックする箇所があります。具体的には肩幅、身幅、袖丈、着丈です。順に解説します。
肩幅は、肩の先が指で軽くつまめる程度が良いです。つまめる部分がほとんどない場合は肩が小さく、窮屈な着心地になります。反対に大きすぎると肩が落ちているように見えて、だらしない印象を与えます。
身幅は、ジャケットのボタンを留めたときにジャケットとシャツの間に手のひらが楽に入るくらいの余裕があると良いです。ボタンを留めたとき、ボタン周りにシワが入るくらいの身幅だと窮屈な着心地になり、見た目の印象も良くありません。
もう一つ確認する要素として、ベントの開き具合があります。ジャケットの両サイドまたは背中中央に「ベント」と呼ばれるスリットが入っています。本来、ベントはかがんだり体をひねったりなどの動きをしないと広がりません。そのため、ジャケットを着てボタンを留めた際にベントが開いているようであれば、そのジャケットが小さいということになります。
袖丈は、腕を下ろした状態でジャケットの袖先から中のシャツが1cm程度覗くのが、適正なジャケットの丈とされています。
着丈は、ジャケットの裾先はお尻の先端が隠れる程度の長さが必要です。長すぎると胴長に、短すぎるとカジュアルになるため、注意して選びしましょう。
スラックスはウエスト・筒幅・裾丈を確認
スラックスのサイズ感を確認する上でウエスト、スラックスの筒幅、裾丈などがあります。順に解説します。
ウエストは窮屈にならない程度にジャストサイズで合わせるのが基本です。お腹周りに対してスラックスのウェストサイズが大きすぎると不要なしわが寄ってしまい、見た目の印象を損ないます。
ウエストや腰回りのサイズが合っているかを確認する目安として腰ポケットやプリーツ(タック)をチェックすることも有効です。
スラックスの裾丈は、ハーフクッションと呼ばれる長さにします。裾先が革靴に軽く当たり、わずかにたわむ状態です。長すぎるとルーズに見え、短すぎるとカジュアルで幼い印象になります。
このようにかっこいい着こなしは、自分に合ったサイズのスーツを選ぶことから始まります。まずこのポイントをチェックしましょう。
関連記事:スーツはサイズ感が命!|正しいスーツ選びのチェックポイント|オーダースーツの基礎知識
色はネイビーが基本
ビジネススーツの色はネイビーまたはグレーが基本です。これらの色は控えめで知的な印象があり、どのような場でも馴染むためです。特にネイビースーツは色のイメージから誠実、実直な印象を与えます。そのため、ビジネスシーンでお相手から信用され、信頼を勝ち取るのにもっともふさわしい色と言えるでしょう。年代を問わずに着用できるため、最初に持つスーツとしてオススメです。
中でもダークネイビーのスーツはインナーに白シャツを合わせることで色のコントラストが生まれ、清潔感のある印象を与えます。
一方で、黒のスーツは本来、儀式や式典などの特別な場で着用する色です。そのため、普段使いのスーツに使う色としては不向きですので注意が必要です。
関連記事:ネイビースーツの着こなし方|シーン別のオススメ着こなしもご紹介。
小物アイテム選びまで万全で臨む
スーツをかっこよく着こなすうえで、押さえておきたいの小物アイテムです。ここまでしっかり計算して選ぶことで、コーディネートの完成度を上げやすくなります。
特に印象を大きく左右するのが、シャツとネクタイです。
シャツは、迷ったら白無地、襟はワイドかセミワイドが無難となります。白はVゾーンの境目が目立ちやすいため、清潔感を演出しやすく、定番のネイビースーツとも相性がよくなります。
また、ネクタイは柄や色で印象を変えることができます。ビジネスシーンなら色は落ち着いたもの一択で、ボルドーやネイビーなら合わせやすくなります。
革靴はフォーマルな黒、ストレートチップで内羽根式は持っておきたいところ。冠婚葬祭でもビジネスでも活躍する王道デザインです。ベルトは靴と同色で幅3cm〜3.5cmのシンプルなものを選びましょう。
スーツをかっこよく着こなすポイント
どんなにスーツが上等でも、その着方が間違っているとかっこよくは見えません。ここではスーツの基本的な着方について詳しく解説します。
一番下のジャケットボタンは留めない
ジャケットではもともと、一番下のボタンを外して着用するように作られています。そのため、ボタンを全て留めると余分なシワが寄りがちです。常に外すようにしましょう。
これは「アンボタンマナー」と呼ばれ、スーツを着こなすマナーの中で基本的なものの一つです。
ジャケットの袖ボタンは全て留める
ジャケットの袖先には数個のボタンが付けられています。このうち、飾りボタンを付けて実際には開かない仕様の「開き見せ」と、実際にボタンが開閉する「本切羽」と呼ばれる仕様があります。
ときおり、本切羽仕立てのジャケットを着ている方で、あえて袖ボタンを1、2個外している方が見受けられます。これはオシャレや伊達を意識した小ワザでビジネスシーンには不向きです。そのため、袖ボタンは全て留めておきます。
スラックスの折り目はきちんと入れる
スラックスは両足の縦方向にクリースライン(センタープレス)と呼ばれる折り目が入っています。このクリースがしっかりと入っていることで視覚的にきちんとした印象を与えてくれる効果があります。
スラックスは穿いているうちにクリースラインが弱くなってくることがあります。クリースが取れると、それだけでスーツが持つフォーマルな印象が弱くなってしまいます。
そのため、クリースが取れてきたと思ったなら、早めにアイロンでプレスしておきましょう。
ネクタイは結び方に気を付ける
ネクタイを締める際にシャツの襟とネクタイの間に隙間があると、ネクタイの結び紐が見えてしまいます。これが見えるとだらしない印象になるため、注意が必要です。
そのため、ノットと呼ばれるネクタイのコブ状の部分とシャツ襟との間に隙間ができないようにしっかりと締め上げます。その際、シャツは第一ボタンまで留めておきます。
結び方はもっともシンプルなプレーンノットと呼ばれるものがオススメです。ネクタイの結び目が縦長のシルエットを作り、スマートな見た目を演出できます。また、ノットの下位置にディンプルと呼ばれる凹を作ると、ネクタイを立体的に見せることができて、コーディネートが華やぎます。
ジャケットボタンは立つとき留め、座るとき外す
スーツは人が立った状態で美しく見えるように作られるのが基本です。通常、人間は座るとお腹周りが立っている状態よりも大きくなるのが一般的です。
そのため、起立するときはジャケットのボタンを留め、座るときに外すというのがジャケットの正しい着方です。座っている状態から立つときにサッとボタンを留める所作は、見ていてもかっこいいものです。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れると無意識のレベルでできるようになります。
まとめ
この記事ではかっこいいスーツについて解説しました。スーツをかっこよく着るためには着崩さずにきちんと着ること、サイズ感が合っていることが重要です。小物アイテムまで気を抜かずに選ぶことでスーツを一層かっこよく着こなすことができます。
さらに、ジャケットの一番下のボタンを留めないといった基本的な着こなし方も押さえておきたいところです。清潔感を出すためには、折り目をきちんと保つなど、お手入れや保管にも気を付けることも重要となります。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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