オーダースーツ 銀座英國屋コラムゼニアのミルミル(milmil)シリーズとは?(15milmil15・14milmil14)│オーダースーツ人気ブランド生地の解説!
ゼニアのミルミル(milmil)シリーズとは?(15milmil15・14milmil14)│オーダースーツ人気ブランド生地の解説!
エルメネジルド・ゼニアの「ミルミル(milmil)シリーズ」は、なめらかさが魅力の最高品質の生地。今回は、極上の品格を漂わせるゼニアのミルミル(milmil)シリーズをご紹介いたします。
※ゼニアのブランド紹介は、エルメネジルド・ゼニアとは?|オーダースーツ生地ブランドの解説をご参照ください。
ミルミル(milmil)シリーズとは?
エルメネジルド・ゼニアのオーダースーツの生地銘柄の中で、ミルミル(milmil)シリーズは名実ともに最高品質とされる「15milmil15」と「14milmil14」の2銘柄を指します。
読み方は前者が「クインディッチ・ミルミル・クインディッチ」で通称「15ミルミル」、後者は「クワトロディッチ・ミルミル・クワトロディッチ」で通称「14ミルミル」です。
現在生産は終了している「13milmil13」や「12milmil12」という銘柄も、過去にはありました。
これらの手触りは、とてもウールとは思えないなめらかさです。まるでピュアシルクやピュアカシミヤのように感じられます。
この一風変わったネーミングでの14や15の数字は14ミクロン、15ミクロンという繊維の細さ(直径)から来ている表現です。
1ミクロンは1,000分の1ミリで髪の毛の直径は50ミクロン。普通のスーツ生地の糸であれば、繊維の細さがおおむね23ミクロンです。
一般的に極細繊維と呼ばれるのはスーパー100’sから上となります。その100’sは18.5ミクロンです。ミルミルシリーズの繊維が如何に細いかがわかります。
上質なシルクおよび上質なカシミヤは12〜15ミクロン級の繊維の細さなので、ミルミルシリーズの繊維の細さは、文字通りシルクやカシミヤに匹敵します。
極細繊維の羊毛原料を厳選して織り上げられた、ウールとしての最高級素材であることは間違いありません。
15milmil15:15ミルミルの魅力
15ミルミルはスーパー表示に置き換えるとスーパー170’sです。エルメネジルド・ゼニアの生地銘柄の中でも、スーツ用としては(さらに繊維が細い14ミルミルではなく15ミルミルのほうが)最高峰とされています。
その素材感はひときわ眩くて、極上の品格を漂わせる光沢を放つ生地といえるでしょう。エレガントでゴージャス、繊細かつ存在感があるこの生地は、それを仕立てる職人にも高い縫製技術を求めてしまうほどの生地です。
厚ぼったさがないので特に季節を限定せず、スリーシーズン的に使える生地でもあります。ただし、それだけ繊細であれば耐久性に問題はないのかと心配される方もいらっしゃるでしょう。
それに対しては縦糸(経糸)と横糸(緯糸)の両方にダブルツイスト糸=双糸(2本の糸を撚り合わせて1本とした糸)を使用して強度を担保しているので、(繊維ではなく糸の細さ自体が)細番手ではあっても問題ありません。
もちろん、出張などでハードに着用するという用途ではなく、ここ一番の大切なときに着用するスーツとして仕立てたい生地です。
14milmil14:14ミルミルの魅力
14ミルミルは少し厚みと起毛感があり、そのふわりと柔らかくて軽い素材感は、スーツだけではなく、秋冬物のジャケットにも重宝する生地です。
実際にジャケットに仕立てると、羽織っていてもともすればそれを忘れるほど、重さをあまり感じられない逸品となります。
14ミルミルがジャケットにも適する理由
14ミルミルがジャケットにも適した生地に仕上がっているのには、理由があります。
14ミルミルの繊維の細さは、スーパー表示に置き換えるとスーパー190’sです。この銘柄は繊維自体が15ミルミルよりも細いにもかかわらず、実際に生地を手にすればわかりますが、繊細さは15ミルミルのほうが上に見えます。
それは14ミルミルに使用する糸そのものが、15ミルミルよりも太いからです。そもそも、あまりにも繊細すぎて、細番手の糸にするとさすがに耐久性が優れているとはいえなくなるという事情があるのです。
高価な生地なので、耐久性に優れないものはよろしくありません。そのため、耐久性を持たせるために、番手を15ミルミルよりも太くしています。
結果的に、繊維自体は細くとも生地としては厚みが出て、耐久性も生まれるのです。そしてそのなめらかで柔らかな素材感から、上品なジャケットに仕立てるのにふさわしい生地となります。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
銀座英國屋では、ゼニアの人気オーダー生地である「エレクタ」「トロフェオ」の現物生地(サンプルバンチ見本ではない幅広い生地)を銀座一丁目レンガ通り店にて、数多く展示しています。また、今回ご紹介したミルミル(milmil)シリーズも、サンプルブックに加えて、ベーシックな色柄の現物生地もご用意しています。ぜひゼニアの人気生地を実際に手に取っていただき、質感や色柄をご確認くださいませ。
ゼニア「ミルミル(milmil)シリーズ」
15milmil15 /14milmil14 シングルスーツお仕立て税込価格550,000円
・ゼニア「エレクタ」 シングルスーツお仕立て税込価格363,000円
・ゼニア「トラベラー」 シングルスーツお仕立て税込価格363,000円
・ゼニア「トロフェオ」 シングルスーツお仕立て税込価格440,000円
メンズ無料オーダー体験(メンズのオーダースーツの無料相談+フィッティング体験)といったサービスメニューもご用意していますので、「まだ仕立てるか決めてはいないけど、ゼニアの生地を見てみたい!」という方も、お気軽にお越しください。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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