オーダースーツ 銀座英國屋コラムスーツスタイルにオススメのコート&人気コート生地ランキング(50万円以下)|オーダースーツ銀座英國屋
スーツスタイルにオススメのコート&人気コート生地ランキング(50万円以下)|オーダースーツ銀座英國屋
コートをオーダーしようとスーツ専門店に足を運んだ際、生地やデザインのバリエーションが豊富で迷ってしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、
・銀座英國屋におけるコート生地の選ばれ方
・スーツに合うコートの種類
・2022年秋冬シーズンにおけるコート生地の人気ランキングTOP3(仮縫い付きお仕立て上がり50万円以下)
を紹介いたします。
コートに関する知識や情報をまとめて整理することで、オーダーの際にもスムーズに注文することができます。また、人気ランキングはそのテーラーが得意としているコートの種類やメインで取り扱っている価格帯がわかることで間違いや失敗を減らすのに役立ちます。
今回の生地が皆様のコート選びの一助となりましたら幸いです。
それでは早速見ていきましょう。
目次
銀座英國屋における、秋冬シーズンのコート生地の選ばれ方
まず、はじめに銀座英國屋における生地・デザインの選ばれ方についてご説明させていただきます。
銀座英國屋では、人・仕事に真摯に向き合っていらっしゃる方々に「信頼を得られる装い」を提供してまいりました。
オーダースーツ専門店というとハードルが高く感じられるかもしれませんが、お客様の多くが洋服に関する専門的な知識をお持ちというわけではありません。そのためお客様が1から10まで全てお選びになるというよりも、スタイリスト(接客担当)が着用シーンやご予算、お好みをお伺いして、最も適切な生地やデザインをご提案し、その中からお客様がお選びになるというスタイルが標準的です。
銀座英國屋以外のテーラーでも、このようなスタイルで生地やデザインを決めていく場合には以下の3つのポイントをお店側に伝えるのがオススメです。
・基本①【最重要】「どなたからの信頼を得たいのか?」
・基本②着用シーズン・場面
・基本③ご予算の目安
これらをお伝えいただくことにより、スタイリストがお客様にとってより適切な生地を絞り込みやすくなります。
※補足:
コートをプライベートの場でカジュアルスタイルとしてのみ着用する場合に限っては、
基本①「どなたからの信頼を得たいのか」という項目の優先度は低くなります。
お好みに合わせてご自由にコート選びをお楽しみください。
秋冬シーズンのコートの色は、濃紺、黒、グレーが人気
秋冬シーズンのコートでは「濃紺」や「黒」、「グレー」が多く選ばれています。
スーツにおける基本の色と重なるところもあり、コーディネートもしやすいため人気の色となっています。
また、コートならではの色に、「キャメル」や「ベージュ」があります。
黒や紺に比べて柔らかな色合いで、濃色では重く感じられるという方にお選びいただいております。
秋冬シーズンのコートの柄は無地が圧倒的
コートの柄では「無地」が圧倒的な人気を誇ります。
スーツやジャケットに比べて着数を多く揃える必要がないため、最も基本的であり、コーディネートがしやすい無地のコートが多く選ばれています。
秋冬シーズンの素材は、カシミヤが基本
秋冬シーズンのコートは「カシミヤ」素材が基本と考えて差し支えないでしょう。
柔らかで保温性に富んだカシミヤは防寒を目的とするコートには最適の素材です。またその見た目の美しさも人気の理由と言えます。
現代では、特に都心部においては暖房設備が整っており、そこまで厚手のコートを必要とされない方も多いため、カシミヤ素材の中でも比較的薄手の生地が人気となっています。
また、フランネルなどの紡毛ウール素材や超高級素材であるビキューナも、コートの定番素材として根強い人気があります。
スーツに合わせるコートの種類
コートを選ぶ際にまず決めなければならないのが、どのような種類のコートにするのかということです。ここからはスーツに合う4つのコートについてそれぞれご紹介いたします。
チェスターコート
チェスターコートは正式には「チェスターフィールドコート」と呼ばれ、紳士服に分類されるコートのうち最もドレッシーなスタイルです。
銀座英國屋でも秋冬シーズンになると毎年多くのご用命をいただいております。
スーツのジャケットを膝元まで伸ばしたような形で、ボタンは3つか4つ、フロントはボタンを隠す仕様の比翼仕立てです。
腰ポケットに関しては、こちらもスーツと同じく水平に切られており、手袋も合わせて着用するのが標準的です。
真冬用のコートとして着られることが多いため、厚手のウールやカシミヤなどの保温性に優れた素材がよく用いられます。
スーツを日常的にお召しになる場合、1着は持っておきたい基本のコートです。
なお、似た形のコートに「スポルベリーノコート」と呼ばれるものがあります。
スポルベリーノは「ホコリ除け」という意味があり、別名ダスターコートと呼ばれることもあります。
こちらはセーターなどの上に羽織るカジュアルなコートとして知られていますが、丈もチェスターコートに比べると短くなります。銀座英國屋では芯やパットに工夫を加え、より軽量仕立てにし、スーツの上でも着用出来るよう仕立てています。
ステンカラーコート
ステンカラーコートも、スーツに良く合うコートの1つで、台襟付きのやや高い襟が特徴のシングルブレステッドのコートです。
デザインはチェスターコートに比べるとシンプルであり、少ない装飾ゆえのミニマルな美しさを感じさせます。
ポケットは斜め切りの箱ポケットで寒い時に手を入れられるようになっていますが、より洗練された装いのためには手袋も用意しておくとよいでしょう。
ステンカラーコートの名前の由来は(首を)サポートするという意味のフランス語soutien、あるいは英語のstand fall collerなど、いくつかの説があるようです。
ウール、カシミヤをはじめ、シルクやコットン、ナイロンなどの薄手の素材が用いられることもあり、生地によって様々なシーズンで着用されます。
ラグランコート
袖のパーツが肩からではなく、首の付け根から取り付けられている袖を「ラグラン袖」と言いますが、このラグラン袖を用いたコートを「ラグランコート」といいます。
スーツ袖のようなセットインスリーブに比べるとややリラックスした印象で、肩周りが動かしやすいという機能面でのメリットもあります。
チェスターコートなどのように形に細かい決まりはありませんが、一般的にはステンカラーコートを元にしたデザインが多いようです。
銀座英國屋では、プレタポルテとして肩の前部分のみラグランになったスプリットラグランコートをご用意しております。
トレンチコート
最後にご紹介するのが「トレンチコート」です。
トレンチ=塹壕という意味で、戦場で兵士が着用していた服にルーツを持ちます。
ダブルブレステッドの前身をベルトで留めるスタイルで、肩の部分にはエポレットと呼ばれるストラップが、胸にはもともと銃の衝撃を軽減するために付けられていたガンフラップがあるなど、機能美に満ちたデザインです。
ギャバジンのようなコットン素材が用いられることが多く、とりわけ春秋のコートとして定着しています。
既製品ではアクアスキュータムやバーバリーのものが良く知られています。
2022年度秋冬シーズンの人気生地ランキング(オーダースーツ銀座英國屋)
ここからは2022年秋冬シーズンに人気があったコート生地をランキング形式でご紹介いたします。
人気ランキングは、こちらです。
順位 | ブランド名 | コレクション名 | 税込価格 |
---|---|---|---|
1位 | MTR | – | 357,500円 |
2位 | ガッティ | – | 390,500円 |
3位 | ピアチェンツァ | – | 495,000円 |
1位 | ブランド名 | MTR |
---|---|---|
コレクション名 | – | |
税込価格 | 357,500円 | |
2位 | ブランド名 | ガッティ |
コレクション名 | – | |
税込価格 | 390,500円 | |
3位 | ブランド名 | ピアチェンツァ |
コレクション名 | – | |
税込価格 | 495,000円 |
それでは、ここから1つずつ説明させていただきます。
人気ランキング第1位 MTR 濃紺
脅威のコストパフォーマンスを誇るイタリアブランド「MTR」
第1位にはイタリアのブランド「MTR」の濃紺無地が選ばれました。
MTRはイタリア・プラトー地区にて、ヴィルジリオ・リサリティ氏によって創業された服地メーカーです。「リサリティ家の服地工場」を意味するブランド名「Manifattura Tessile Risaliti」の頭文字をとって通称MTRと呼ばれています。
知名度はあまり高くないものの、コストパフォーマンスに優れた生地を多く取り扱っており、牧場選びから厳選した高品質素材を使用した生地が、リーズナブルな価格で手に入るのが魅力です。特にピュアカシミヤを用いた生地の評価が高く、ここ数年で注目度を上げているブランドの一つです。
ビジネスで使いやすい濃紺
スーツにおいて濃紺は最も基本的な色ですが、コートにおいてもそれは同じです。紺やグレーのスーツによく合いますし、黒ほど重くないためビジネスの普段使いにもナチュラルに着こなすことができます。
特に第1位に選ばれたMTRの濃紺は、ほとんど黒に近い色合いで、冠婚葬祭などフォーマルに近いシーンでもお召しいただける一着です。
性別を問わず着られる色であるため紳士もののみならず、レディースでも多くご用命いただいたことも人気ランキング1位の理由として挙げられます。
人気ランキング第2位 ガッティ 濃紺
極上の柔らかさを感じる上質なカシミヤ「ガッティ」
チェザーレ・ガッティは1948年、世界三大毛織物産地のひとつとされるイタリア・ビエラにて創業した毛織物メーカーです。
製造の全ての工程を自社で一貫生産しており、特にカシミヤは極上の温かさとイタリア国籍ならではの華やかさを持ち高い評価を得ています。
オーダー用生地の生産だけでなく、アクセサリーやストールなども手がけており、有名ブランドへのOEM生産や、自社のカシミヤのマフラーの販売でも世界的に有名なブランドです。
1位に続いて濃紺無地がランクイン
人気ランキング第2位にも濃紺無地が選ばれました。
1位のMTRの濃紺に比べやや明るい色合いで、表面にうろこ調の加工があることで表情豊かな仕上がりとなっています。
一口に紺無地といっても色合いや表面の仕上げ、生地の厚さや柔らかさなど、生地によって様々な個性がありますのでお求めの際はその違いを楽しみながら好みのものをお探しいただければと思います。
人気ランキング第3位 ピアチェンツァ グレー
イタリアのロイヤルファミリーからも賞賛を得た「ピアチェンツァ」
人気ランキング第3位はイタリアの「ピアチェンツァ」の生地がランクインしました。
ピアチェンツァの歴史は長く、17世紀初頭にはすでに毛織物商をスタートさせていたという記録が残っています。現在の経営者はカルロ・ピアチェンツァ氏で、実に13代目という超老舗ブランドです。また1913年にはカシミヤをネパールから初めてイタリアへ持ち込んだブランドとも言われています。
その長い歴史に裏打ちされた技術は世界トップクラスでとくにカシミヤ、ベビーキャメル、ビキューナといった高級獣毛を用いた生地は圧倒的な品質です。
クオリティのみならず、色柄のバリエーションも豊富に取り揃えており、あらゆるシーンに対応して必要なものを見つけ出すことができるという点も魅力です。
参考:ピアチェンツァは類い稀なる高級獣毛オーダースーツ生地の権威あるブランド
紺と並んで汎用性の高いグレー
人気ランキング第3位には、グレーの無地が選ばれました。
紺と並んで基本的な色とされるグレーは無彩色であるためどんな色とも馴染みます。コーディネートに悩まされることはほとんどないといっても過言ではないでしょう。とりわけエンジ色、赤系との相性が良く、紺の引き締まった印象とは一味違う洒落感を演出できます。
ランクインしたピアチェンツァの生地はグレーベースに白っぽい毛が混ざっており、グレーでも重厚になりすぎず、着こなしに自然さと柔らかさをもたらす仕上がりとなっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、スーツに合うコートの種類と秋冬シーズン人気のコート生地についてご紹介いたしました。
あらためてポイントをまとめますと以下のようになります。
・コートの色は濃紺、黒、グレーが人気
・コートの柄は無地が圧倒的人気
・コートの素材はカシミヤが基本
・MTRやガッティなど、紡毛素材のスペシャリスト的ブランドが多く選ばれる
今回の記事が、皆様がコートを選ばれる際の一助となりましたら幸いです。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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