オーダースーツ 銀座英國屋コラム選ばれた老舗チェルッティのオーダースーツ生地に漂う品格と醸し出る洗練度

選ばれた老舗チェルッティのオーダースーツ生地に漂う品格と醸し出る洗練度

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イタリアのファッションブランド「チェルッティ」は日本においては1980年代に「セルッティ」という呼称で、アパレルブランドとして認知された時期がありました。

しかし本業は生地製造であり、イタリアの老舗生地ブランドとしてイタリア5大生地メーカーに数えられるほどの実力派です。

老舗とはいえオーダースーツ生地にはチャレンジングな柄も多く、確かな品質と斬新な柄が楽しめることでしょう。今回の記事では、そんな生地ブランドとしてのチェルッティの魅力についてご紹介します。

イタリア5大生地メーカーのひとつチェルッティ(Cerutti)

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チェルッティ(Cerutti)は、1881年にイタリアのビエラで創業された、同国を代表する老舗生地メーカーで、イタリア5大生地メーカーのひとつとされています。

ほかの4つはエルメネジルド・ゼニア、ロロ・ピアーナ、カルロ・バルベラ、フラッテリ・タリア・デルフィノです。その中でもファッション感度が高く、着る人の個性を際立たせるオーダースーツ生地を提供してきたのがチェルッティといえます。

そんなチェルッティの魅力を、その歴史を紐解きながら見ていきましょう。

チェルッティの華麗なるヒストリー

創業者であるアントニオ・チェルッティは1881年に、2人の兄弟およびいとこと共同で織物製造会社を設立しました。

現在も拠点が置かれているセルボ川のほとりに工場「Lanificio Cerruti(ラニフィーチョ・チェルッティ)」を構え、織物製造販売の事業を開始しました。彼らは革新的かつ品質の確かな生地の生産に、精魂込めて取り組みます。

わずか数年で、彼らは最初の大きな成功をおさめました。それを受けて工場が拡張され、当時ではまだ珍しかった近代的な紡績と織布の機械がダイナミックに稼働します。

20世紀に入ると最初の数年間で、実に年間1万ピースの上質な梳毛織物を生産するに至り、その量は安定して増え続けました。それらの一部は海外マーケット、とりわけアメリカに向けられています。

近代化と海外展開の時代

創業者アントニオ・チェルッティの息子であるシルヴィオ・チェルッティが2代目となってからは、叔父であるクインティーノとともに会社を経営しました。そしてコレクションのクオリティの向上と新しい製品の開発に注力します。

紡績、染色、織布を行う工場の近代化作業が進んでいく中で、とりわけ南米と中東でチェルッティのブランド価値が盤石なものとなっていきました。

1945年には従業員700人が織機140台、回転スピンドル7,100個を備えたLanificio Cerrutiで働いていたと記録に残っています。この地域でこの時期に操業していた他の織物工場と比較すると桁外れのスケールといえるでしょう。

同年、シルヴィオは、権威あるイタリア羊毛産業協会の会長に任命されました。精力的にその役割に取り組み、わずか数ヶ月でさまざまな企業に割り当てられる原料の脂っこい羊毛の量の課題を見事に解決し、羊毛部門を好転させるという冴えた手腕を発揮します。

本業においては最高品質の生地製品のみをプロデュースする意向を世界に向けて表明し、シルヴィオは生産部門の戦略的かつ抜本的な再編に身を粉にして取り組みました。

トータルブランドとなるも、本業は生地作り

1951年にシルヴィオ・チェルッティは若くして亡くなりますが、彼の長男ニノが弱冠20歳にして会社の責任者に就任します。若くとも、独特の美的感覚とマネジメントスキルを発揮して会社をよりファッション性の高みを目指す方向に導きます。

自らファッションアイコンとなってチェルッティの認知度を向上させました。

創業以来チェルッティは、羊毛生地と綿生地の生産のみを手掛けていましたが、3代目のニノはアパレル部門も開始します。とはいえ、チェルッティのアイデンティティは本業である生地製造者としての顔です。

ニノはチェルッティの作り出す生地のコンセプトを明確にしました。「生まれつきの優雅さ」という意味の「ナチュラル・ボーン・エレガンス」です。自然に醸し出る品格にこだわるチェルッティの生地は、世界中のトップデザイナーから高い評価を受けました。

今でこそ「ブランディング」の重要性は多くのビジネスパーソンが理解していますが、当時の彼のブランディングに関する卓越した才能と戦略は、ファッション史上に鮮やかに刻まれる快挙といえるでしょう。

ニノ・チェルッティの貢献は永遠に

ニノ・チェルッティはアパレル製品のハリウッド映画への衣装提供などを積極的に行い、生地では世界中のアパレルブランドに良質な生地を提供して、世界のファッションを牽引した時代が確かにありましたが、去る2022年1月15日に、ニノ・チェルッティは外科合併症により91歳で天寿を全うしています。チェルッティがイタリア5大生地メーカーに位置付けられたのも、彼の貢献無くしてはあり得ません。心から冥福をお祈りします。

老舗でも守りに入らず、攻める柄を打ち出すチェルッティ

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多くの老舗といわれるオーダー生地ブランドのコレクションは、もちろんトレンドも取り入れますが、基本路線はオーセンティクな生地を中心にクラシックとベーシックで構成されます。

そんな中でチェルッティは老舗にもかかわらず、トレンドに挑む意匠性が高い柄も多く展開していきます。ファンシーな素材感のものを得意とし、ビジネスユースから華やかなシーンまで、さまざまなシチュエーションでお洒落を楽しめるのです。

チェルッティがおすすめな人とは?

チェルッティのクオリティの確かさは、オーダースーツの品格に反映します。その品格には洗練度や意匠性の付加価値も備わっています。

チェルッティが特におすすめな人はファッション感度が高く、ビジネスシーンにおいてもおしゃれを自然に楽しめる人です。ビジネスの場においての品格をいささかも損なわず、同時に華やぎと艶を与えてくれるでしょう。

さいごに

イギリスのハダーズフィールド、日本の尾州と並んで織物の聖地とされるイタリアのビエラで誕生したチェルッティは、生地からアパレル製品までを展開して世界のファッションを引っ張ってここまで来ました。

意匠性が高いのでビジネスシーンの中で埋没せず、お洒落を楽しみながら仕事に打ち込めるオーダー生地です。興味がある方は、チェルッティのオーダー生地を選択に入れて検討してみてください。

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監修者

オーダースーツ銀座英國屋 代表取締役社長 小林英毅

小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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