ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）は英国織物発展の歴史に深く関わってきたブランドです。ウールやカシミヤ、キャメル、ビキューナなどの高級紡毛素材やそれによるスカーフで世界的に知られています。

今回はそんなラグジュアリーで歴史と伝統のあるジョシュア・エリスの魅力を紐解いてみましょう。オーダースーツ・ジャケット・コート用の最高級紡毛素材に興味があるみなさんは、ぜひ参考にしてください。

ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）とは？

ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）は英国の服飾史の中でも織物製造の歴史において、その黎明期から存在し続けてきた重要なブランドのひとつです。

産業革命という大きな歴史のうねりの中でジョシュア・エリスは自社ならではのスタンスを追い求め続けてきました。真摯な研究と試行錯誤の末に、最高級紡毛素材の生産にフォーカスする織物業者のポジションを確立したのです。

この世で最も気高い紡毛素材の提供者

ジョシュア・エリスは現在、最高級紡毛生地（ウール・カシミヤ・キャメル・ビキューナ・エスコリアルなど）の提供、およびそれらを使用したスカーフの製造販売で世界的に名を馳せています。

経験豊富で情熱的なバイヤー、才能のある職人、高度なスキルを持つデザイナーが協力して、優れたテキスタイルの数々を世に送り出してきました。今後もその方向性は続いていくでしょう。

世界23ヶ国以上への輸出を手がけるジョシュア・エリスのスタッフは、順境だけでなく逆境においても定期的にクライアントを訪問します。それは自社の製品を扱ってくれる人たちと真摯に語り合い、ニーズを理解し、ともに前進する良好な関係を構築するためです。

ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）の歴史

織物商ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）は1767年、エリス家の人たちによって創業されました。創業後数年を経て、近代的に工業化された毛織物製造の本拠地として知られる英国のヨークシャーにて、高級織物製造の分野に進出します。

140年間の家族経営が護った紡毛技術

18世紀に始まったジョシュア・エリスの家族経営は140年もの間続き、世紀を二度もまたぎ超え、20世紀の1900年代の初めまで続きました。その間もずっと、ヨークシャーならではの織物の技術が継承されてきたのはいうまでもありません。

その後、エリス家から織物ビジネスを引き継ぎ、2007年まで経営を担ったのはハクスレイ家です。そして2007年に現在のオーナーで、原毛の輸入販売を代々の主力事業としてきたアンドリュー・シール（Andrew Seal）のグループに参加しました。

現在このグループにおいては、紡毛素材ではこのジョシュア・エリスやカイノックなど、梳毛素材ではウィリアムハルステッドやジョン・フォスター、チャールズクレイトンなどが活躍しています。

ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）の強み

ジョシュア・エリスが最も得意とする分野、最上級のウールやカシミヤ・キャメル・ビキューナ・エスコリアルはすべて貴重な天然繊維です。

これらを生地として製造するためには、極めて希少かつ貴重な繊維であることを深く理解し、特別な敬意を持って加工にあたる必要があります。加えて、卓越した製造スキルが欠かせないのはいうまでもありません。

素材への深い理解とリスペクトと高い水準の加工技術で、地球上で最も繊細な部類の絨毛素材を美しい生地に仕上げる力を持っているところが、ジョシュア・エリスの最大の強みです。

ラグジュアリーの粋を集めた縮図のようなオーダースーツ生地

ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）の製造チームは、古くとも最高の技術と、新しい先端技術の双方を駆使し、エレガントで柔らかく、ゴージャスで奥ゆかしいラグジュアリーの縮図たる素材を生み出しています。

常に時代を先取るインスピレーションを得るため、ジョシュア・エリスは年に2回のコレクションを作成・発表するかたわら、トップデザイナーたちの望むデザインをオーダーメイドで製作します。

スペインの「王家の羊」を独占的に扱うジョシュア・エリス

また、ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）はオーストラリアとニュージーランドにのみ少数だけ生息するスペインの「王家の羊」エスコリアルウールとそれを使用したアクセサリーの、独占的なグローバルパートナーであることが誇りです。

ジョシュア・エリスのクラフツマンシップ（職人気質）

過去の250年にわたってジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）は、ヨークシャーの中心部で熟練した織物製造技術者を訓練・育成してきました。

ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）の、他の業者との明らかな違いが見られるのは生地の仕上げプロセスにおける、凄まじい細部へのこだわりです。

自らの技術と審美眼を鍛え抜いてきた名工たちが、世代から世代へと受け継いできた極めて高い専門性。その貴重な伝統スキルを保護するために、ジョシュア・エリスは将来に投資しています。

具体的には現在、工場で織物製造に従事するスタッフのうち15％がインターンシップ制度のもとで、貴重な技術の承継を目指して習得に励んでいるのです。

ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）のおすすめな人

ジョシュア・エリスをおすすめしたい人は、紡毛素材のファンで最高品質を手にしてみたい方がたです。世の中に紡毛素材はたくさん出回っていますが、ジョシュア・エリスのように繊細で美しい仕上げの紡毛素材はなかなかお目にかかれません。

通常のオーダー生地は梳毛素材が多いですが、時には気分を変えて高級紡毛素材で素敵なジャケット、コートを仕立ててみましょう。

さいごに

250年を超える気の遠くなるような年月を通して伝統の技法を守り伝えつつ、先端技術も導入してきたジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）。その柔軟さとモノづくりへの情熱が、今日の世界的な評価を支えてきたといえるでしょう。

最高級紡毛素材でスーツやジャケット、コートをオーダーメイドすることに興味があるみなさんは、ジョシュア・エリス（JOSHUA ELLIS）を扱っている私たち銀座英國屋にお立ち寄りいただき、ぜひお気軽にお声掛けください。

監修者

小林英毅（銀座英國屋 代表取締役社長）

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の３代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学ＭＢＡ・明治大学ＭＢＡ・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか？」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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