オーダースーツ 銀座英國屋コラムドーメルは英国伝統文化とフランスの感性が共存する魅力的なオーダースーツ生地
ドーメルは英国伝統文化とフランスの感性が共存する魅力的なオーダースーツ生地
ビジネスパーソンにとってスーツは、その人の社会性を表す重要なアイテムといえるでしょう。なぜなら、どのようなスーツを着用しているかに、その人物の価値観が表れるからです。
実際に第三者が感じる印象は、その人のスーツによって良くも悪くも大きく変わってきます。スーツを選ぶ際の一番大事な要素は生地です。スーツの価値の大半は、生地で決まると考えてよいでしょう。
そしてより優れた社会性を表現できる、オーダー生地ブランドこそがドーメル(DORMEUIL)です。世界中のエグゼクティブが認知し愛用する、成熟した大人のオーダースーツのもととなる生地です。
今回は、そんな世界的高級オーダー生地ブランドであるドーメルについて、詳しく紹介していきます。エグゼクティブとしての立場にふさわしいオーダースーツを、身につけたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
ドーメル(DORMEUIL)の歴史
ドーメル(DORMEUIL)の名は、従来からオーダースーツを着る方にはよく知られています。また、一流アパレルブランドが高級スーツ素材として使用することでも認知度があり、多くのファッション好きの方が一度は耳にしたことがある名前ではないでしょうか。
高級ブランドとはわかるが、具体的にどんなブランドなのかは知らないという声も聞かれます。そんな人のために、ドーメルの歴史をまず振り返ってみましょう。
フランス人がフランスを拠点に発信する英国ブランド
創業者であるジュールズ・ドーメルが、英国からフランスの拠点に生地を輸入するビジネススキームのマーチャント(生地商社)を開始したのは1842年のことでした。
多くの同業他社が英国かイタリアに拠点を構える中で、フランスに拠点を構えるというスタイルは稀な例です。
ドーメルの生地に付随する織ネーム(商標ラベル)にブランドロゴとともにあしらわれているエンブレムの中には、3頭の羊が描かれています。これは創業者ジュールズとともに経営の一翼を担った2人の兄弟を指しており、時を超えたブランドのシンボルです。
ドーメル(DORMEUIL)の日本進出
ドーメルは1800年代の後半から世界各国への進出を積極的に進め、1900年代に入ると日本での展開に本腰を入れて、認知度を上げていきました。
およそ180年の歴史を持つドーメルは、世界のトップデザイナーのメゾンに生地を提供し、高級生地ブランドとしての地位を固めています。ドーメルが打ち出す最高級の生地は世界中で高い評価を受け続けているのです。
ドーメル(DORMEUIL)のオーダー生地の特徴
ドーメルは最新のモードを生み出すフランス籍のブランドでありながら、打ち出す生地のほとんどは英国のハダーズフィールドで作られたものです。これはドーメルならではといえる珍しい形態といえるでしょう。
ファッション感度が高く、新しいデザインやコンセプトを生み出すフランスと、服飾文化の背景と伝統技法に裏打ちされた高い品質を提供する英国製織物の魅力を見事に融合させたのがドーメルの生地です。
数多くの世界的なオーダー生地ブランド群の中でも、ドーメルがファッション感度の高さを強く感じさせることには、フランス発信ということが深く関係しているのでしょう。
またドーメルは、服地の歴史に刻まれるような画期的な銘柄を作り出してきたことでも知られています。
有名なところでは耐久性が高く、スポーティな用途でもエレガンスを失わない「スポーテックス」や、ウールとモヘヤの混紡による春の極上生地「トニック」、ドレッシーの極地を高い完成度で表現する「アマデウス」などが、世界的に高い評価を受けました。
基本をクラシックスタイルに置きつつも、時代の潮流を常に反映させた斬新な生地を生み出し続けているのもドーメルの優れた特徴のひとつです。
ドーメル(DORMEUIL)のオーダー生地の評判
ドーメルは、ほとんどのテーラーが扱い、また多くのデザイナーズブランド、アパレルブランドが高く評価して、毎シーズンのコレクションに使用しています。
イヴ・サンローランやシャネル、ルイヴィトン、エルメスなどの世界トップクラスのラグジュアリーブランドがこぞって使用していることからも、ドーメル生地の評判の高さがわかるのではないでしょうか。
実際のドーメルの生地で仕立てられた服を着るエンドユーザーとしては、大人世代を中心にドーメルファンが多く、袖を通す瞬間に味わえる上質感は圧倒的で、ドーメルを知ってしまったことにより、別のブランドのオーダーの生地で仕立てると満足できなくなったという人も少なからずいるようです。
ドーメル(DORMEUIL)のおすすめオーダー生地コレクション2銘柄
最後にドーメルが展開する数多くの生地銘柄の中から、本物を身に着けるべきエグゼクティブなビジネスパーソンにおすすめしたいのは、私たち銀座英國屋も扱っております以下の2つです。
●SACKVILLE STREET(サックヴィルストリート)
●FIGARO(フィガロ)
それぞれを見ていきましょう。
●SACKVILLE STREET(サックヴィルストリート)
SACKVILLE STREET(サックヴィルストリート)というコレクション名は、ドーメルのロンドンオフィスがある場所にちなんでいます。
世紀を超えて良質な生地を世界に提供しているドーメルのロンドンオフィスがある、注文服の聖地サヴィルロウストリートの南東に走るサックヴィルストリートが名前の由来です。
洗練された現代感覚を漂わせ、ビジネスで使用しやすいほどよい目付とベーシックな柄を中心に、品格がある色使いの柄やユニークなフランス風味のハイセンスな柄まで、選択肢の幅が広い銘柄です。
特にベーシックカラーに鮮やかな差し色がエッジを効かせた、ストライプやチェックの、垢抜けていて良い意味で人目を惹く柄が魅力です。いずれも豊かな艶を湛えつつ、ハリとコシがある生地なので仕立て映えが秀逸となります。
FIGARO(フィガロ)
ドーメルの人気高級銘柄AMADEUS(アマデウス)と同じ原毛で、なおかつ縦横ともに双糸を用いてアマデウスよりもハリとコシを加えた銘柄です。
ドーメルが得意とする仕上げ方として最上級のシャイニーフィニッシュが施されています。ペーパープレス時間を長く設定することによって、自然で力強い光沢を放つ品格ある生地に仕上がっています。
アマデウスの銘柄名は「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」が由来ですが、この銘柄はそのモーツァルトのオペラとして有名な「フィガロの結婚」をモチーフに名付けられています。
さいごに
ドーメルは長い歴史とそれに見合う実力を持ち、英国生地の品質の高さや文化の薫りに、フランスのファッション感度を加えた最強の高級生地です。
これまで英国生地やイタリア生地でオーダースーツを作ったことがある方にも、一度ドーメルの国境の枠を超える魅力を味わっていただきたいものです。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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