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スーツのホコリが気になる!付着を防ぐ素材と適切な対策方法を解説

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ビジネスシーンにおいてスーツは、誠意と信頼を伝えるのに欠かせない装いです。

しかし、どれほど丁寧に身だしなみを整えても、ジャケットやスラックスにホコリが付いているだけで印象は一変し、清潔感が損われてしまいます。わずかな汚れであっても「だらしない」「手入れが行き届いていない」と受け取られることがあり、注意が求められる部分です。

とはいえ、ホコリは日常生活の中で自然と付着するので、完全に防ぐのは困難です。原因を正しく理解し、効果的な対策を知ることが大切です。

本記事では、スーツにホコリが付く主な原因と、日常で実践できるお手入れ方法を分かりやすく解説します。適切な知識を身につけ、より清潔で信頼感を与える装いを保ちたい方の参考となれば幸いです。

ホコリのついたスーツが与える印象

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どれほど丁寧に身支度を整えても、気づかぬうちにスーツへホコリが付いてしまうことは珍しくありません。特にブラックやネイビーのような濃い色は、わずかな付着でも目立ちやすく、清潔感を損ねる原因となります。

人の印象は、言葉よりも先に見た目から判断されるものです。肩や襟元にホコリが残っているだけで、高価なスーツであっても「細部に気を配れていない」と見られてしまうことがあります。商談や会食など重要な場面では、その小さな違和感が信頼感に影響を与えることもあります。

また、ホコリは空気中の水分を吸着しやすく、カビや臭いがついたり、生地を傷めたりする原因にもなります。見た目だけでなくスーツの寿命にも関わることからも、ホコリをなるべく付けない工夫と、付着後のケアを両立させることが大切です。

静電気がホコリを引き寄せる

スーツにホコリが付着する主な原因は、静電気による吸着です。目に見えない電気の力が、空気中に漂う微細な繊維や花粉を磁石のように引き寄せてしまいます。

ホコリの多くは、衣類や布団、カーペットなどから生じる繊維くずで構成されています。これらはホコリ全体の約6割を占めるともいわれ、私たちの生活空間に常に漂っている状態です。特にカーペット敷きのオフィスは繊維くずが舞い上がりやすく、スーツに付着しやすい環境です。

また、スーツの生地同士や椅子の布地などとの摩擦で静電気が発生し、その電気がホコリを引き寄せることもあります。布製の椅子やソファに座るとホコリがつきやすいのは、こうした理由があるためです。

ホコリがつきやすいスーツの素材

同じスーツでも、使われている素材によってホコリの付きやすさには大きな差があります。大切なスーツの美しさを保つには、素材ごとの特性を理解したうえで、適切な対策を取ることが重要です。

ここでは、代表的な素材別にホコリの付きやすさとお手入れのポイントを詳しく解説します。

ポリエステル

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ポリエステルは丈夫でシワになりにくいうえ、軽量で扱いやすいことから、多くのビジネススーツに用いられる素材です。速乾性にも優れており、日常的な手入れがしやすい点も魅力といえます。

一方で、化学繊維であるポリエステルは摩擦によって静電気を帯びやすい特性があります。特に乾燥する季節は、椅子との接触や歩行のたびに生地表面が帯電し、空気中のホコリを強く引き寄せてしまいます。その結果、肩や袖口などに白っぽいホコリが目立ちやすくなるのです。

また、静電気によって毛羽立ちが生じると、ホコリが繊維の隙間に絡まりやすくなり、軽く払った程度では落ちにくくなります。こうした特性を踏まえ、ポリエステル素材のスーツは外出後にすぐブラッシングを行い、表面をきれいに整えておくのが重要です。

ナイロン

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ナイロンはポリエステルと同じ化学繊維の一種で、軽く耐久性に優れている点が魅力です。一方で、吸水性が低く湿気をほとんど含まないため帯電した電気が逃げにくく、空気中の微細なホコリを強力に吸着してしまうというデメリットがあります。

また、ナイロン繊維は表面が滑らかで凹凸が少ないので、ホコリが繊維の間に入り込むことはほとんどありません。その分表面に留まりやすく、黒や濃紺などのスーツでは特に目立ちやすくなります。

ナイロン素材を取り入れたスーツを着用する場合は、ポリエステルと同様に軽くブラシをかけて静電気を逃がすケアを習慣にすると良いでしょう。毎日のこまめなブラッシングが、見た目の清潔さを保つポイントです。

アクリル

アクリルは軽く柔らかい風合いを持ち、保温性に優れた化学繊維です。セーターや裏地などにも多く使われる素材ですが、電気を通しにくい性質があります。一度帯電すると電気が生地の表面に留まりやすく、空気中のホコリを強く引き寄せてしまいます。

また、アクリルは湿気を吸いにくく乾燥しやすい素材で、摩擦による帯電が起こりやすいのも特徴です。ホコリも付きやすく、特に黒やチャコールグレーなどの濃い色のスーツでは汚れが目立つことがあります。

ナイロンと同様に、表面が滑らかで凹凸が少ないので、付着したホコリが繊維に絡まず表面に残りやすい点も特徴です。

ホコリがつきにくいスーツの素材

日々のお手入れを少しでも楽にしたい方は、ホコリが付きにくい素材を選ぶことを推奨します。ここでは、銀座英國屋のスタイリストが日常使いのスーツとしておすすめできる素材と、その特徴をご紹介します。素材選びの参考としてご活用いただければ幸いです。

ウール

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ウールは静電気が発生しにくく、ホコリを引き寄せにくい素材です。羊毛が持つ適度な水分が帯電を防ぎ、生地表面にホコリが付着しにくい状態を保ちます。特に上質なウール生地は、細い繊維を高密度で織りあげていることから目が詰まっており、汚れが絡みにくくなります。

なお、ウールにポリエステルなどの化学繊維を混紡した生地は、化学繊維の割合が高いほど静電気が発生しやすくなります。ホコリの付着をできるだけ防ぎたい場合は、ウール100%、もしくはウールの比率が高い生地を選ぶことを推奨します。

既製スーツの場合は、ジャケットの内ポケットにある品質表示タグを確認すれば、混率を確認することが可能です。このひと手間が、清潔で上品な印象を長く保つことにつながります。

コットン

コットンは吸湿性に優れており、湿気を含むことで静電気を抑える働きがあります。静電気は乾燥と摩擦により発生しますが、湿気を吸いやすいコットンは帯電しにくく、ホコリを引き寄せにくい素材です。日常的に扱いやすく、清潔を保ちやすい素材といえます。

ただし、生地の織り方によっては、ホコリが絡まりやすくなることもあります。凹凸のある折りや起毛の多い生地はホコリが付着しやすく扱いにくいことから、表面が滑らかで目の詰まったコットン生地を選ぶのがおすすめです。

毛羽立ちがあると繊維くずが引っかかりやすくなるため、定期的にブラッシングをしたり、衣類スチーマーでケアを行ったりするなど、丁寧なお手入れが必要です。

一方で、コットンスーツはウールに比べてややカジュアルな印象を与えます。ビジネスシーンで着用する際は、職場の雰囲気やドレスコードを考慮して選ぶのが望ましく、上品さと清潔感を両立させたい場合には、しっかりとした折りの高密度コットンを選ぶことを推奨します。

スーツにホコリがつきにくくする方法は?

スーツを清潔に保つには、日々の扱い方や保管環境に少し工夫を加えることが肝要です。ホコリの付着は避けられないものの、静電気や摩擦を抑えることで、その影響を最小限にすることができます。

ここでは、スーツにホコリを付きにくくする対策と、長く美しい状態を維持するうえで有効なケア方法をご紹介します。

関連記事:【保存版】スーツの生地を長持ちさせるお手入れ方法とクリーニングの注意点

ホコリのつきにくい場所で保管する

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まずは保管場所に気を配り、スーツにとって最適な環境を整えることをおすすめします。繊維くずは空気の流れとともに舞い上がり、家具や衣類の上に日々積もっていきます。したがって、クローゼットの上段や奥など、空気の動きが少なくホコリがたまりにくい場所で保管するのが適切です。

一方で、部屋の隅や窓の近くは湿気や静電気が発生しやすく、ホコリも付着しやすいことから、なるべく避けた方が望ましい場所です。

また、衣類を詰め込みすぎると、出し入れする際に生地同士が擦れて静電気が発生しやすくなります。スーツ同士の間に適度なスペースを確保することで通気性が保たれ、ホコリの付着も防ぎやすくなります。

保管時には専用のカバーをかける

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スーツを汚れから守るには、保管時に専用のカバーをかけることが有効です。カバーを被せることで外部からの汚れの侵入を防ぎ、スーツの生地表面を清潔な状態に保ちます。

製品を選ぶ際は、通気性の良い不織布(ふしょくふ)製のものがおすすめです。不織布はホコリを遮断しつつ、内部の湿気を外へ逃がす働きがあり、スーツが呼吸できる状態を保ちます。カビや嫌なニオイの発生を防ぎ、生地の質感も長く維持することが可能です。

一方で、ビニール製のカバーは避けた方が賢明です。ビニールは通気性が悪く湿気がこもりやすいほか、静電気が発生しやすいことから、かえってホコリを引き寄せる要因になります。素材に合った保管方法を選び、長く美しい状態を保ちましょう。

こまめにブラッシングする

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スーツをホコリから守るうえで、こまめなブラッシングは欠かせません。一日着用したスーツには、チリや花粉などの微粒子が付着しています。帰宅後、その日のうちに軽くブラシをかけることで、静電気によって吸着した汚れを除去できます。

ホコリは時間の経過とともに繊維の奥まで入り込み、定着してしまうものです。翌日に持ち越さず、着用直後にケアを行うことが理想的です。ブラッシングの習慣がつけば、スーツの風合いを損なうことなく、美しい状態を維持しやすくなります。

使用するブラシは、馬毛や豚毛など天然素材のものが最適です。柔らかな毛が繊維の間に入り込み、ホコリをやさしく払い落としてくれます。なお、化学繊維のブラシは静電気を帯びやすく、かえってホコリが付く原因となることから避けるのが望ましいです。

また、ブラッシングには、繊維の間に空気を含ませて生地をふっくらと蘇らせる効果もあります。このようなケアを習慣にするだけで、スーツの美しさと寿命を延ばすことが可能です。

コーディネートの組み合わせにも注意する

静電気は、異なる素材が擦れ合うと発生します。そのため、スーツとインナーの素材の組み合わせによってホコリの付きにくさも変わります。

たとえば、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維を使ったスーツには、静電気が帯びにくい天然素材のインナーを合わせるのがおすすめです。特にコットン素材のシャツは吸湿性が高く、帯電を押えてホコリの付着を防ぐ効果があります。

反対に、アクリルなどの化学繊維のニットをインナーに選ぶと、摩擦によって静電気が起こりやすく、ホコリが吸着しやすくなります。冬場など、乾燥する季節は、コーディネートの組み合わせに特に注意を払いましょう。

関連記事:化繊と自然繊維の違いと役割とは?洋服の素となる素材を解説

まとめ

スーツに付くホコリは、見た目の清潔感を損なうだけでなく、細部への気配りに欠ける印象を持たれることがあります。静電気の起こりやすさやホコリの付きやすさは素材によって変わることから、生地選びは重要なポイントです。

しかし、ホコリが目立ちやすい素材でも適切なケアや対策をすれば、長く美しい状態のスーツを保つことができます。反対に、どんなに上質な生地でも日々のケアを怠ると見た目の印象が損なわれてしまうので、日ごろの習慣として取り入れることをおすすめします。また、ホコリを寄せ付けにくい素材でコーディネートを組むことも有効な手段のひとつです。

銀座英國屋では、スーツの仕立てだけでなく、お客様のお悩みに合わせた生地選びのサポートや日常のメンテナンス方法などを含めたトータルコーディネートを行っています。素材の特性を理解し、長く愛用できる一着をご提案いたしますので、お手入れのしやすさも考慮したスーツをお探しの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

監修者

オーダースーツ銀座英國屋 代表取締役社長 小林英毅

小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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