オーダースーツ 銀座英國屋コラムウィリアム・ハルステッドは英国服の王道を卓越した品質で表現するオーダースーツ生地
ウィリアム・ハルステッドは英国服の王道を卓越した品質で表現するオーダースーツ生地
ウィリアム・ハルステッド(William Halstead)は英国のイングランド、ウェストヨークシャー州ブラッドフォードで創業されたオーダースーツ、ジャケット、コート向けの生地を製造するミル(織物製造業者)でありブランドです。
良質のウール生地を供給し、とりわけ春夏向けの快適なトロピカルウールや高品質モヘヤのオーダースーツ生地の製造を得意とする、真に実力派のミルです。
今回の記事では、そんな玄人好みの本格オーダースーツ生地ブランド、ウィリアム・ハルステッドの特徴と魅力について紹介します。
秋冬の良質ウール素材を求めている方はもちろんですが、春夏の涼感生地としてのトロピカルウールやフレスコ、モヘヤに興味がある方も、ぜひ参考にご覧ください。
目次
ウィリアム・ハルステッド(William Halstead)とは?
ウィリアム・ハルステッド(William Halstead)は英国のイングランド北部に位置するウェストヨークシャー州のブラッドフォードにて、1875年に創業しました。150年近い長い歴史を持つ、高級オーダースーツ生地を生産する毛織物工場のブランドです。
創業以来、上質な天然繊維にこだわり続けてオーダースーツ生地を世に送り出し、世界中から多くのエンドユーザーのお気に入りとなってきた生地ブランドでもあります。
特筆すべきは高品質なモヘヤや、強撚糸(強く撚りをかけた糸)によるハイツイスト素材を用いたトロピカルウールやポーラ、サンクロスなどです。
深い味わいがあって仕立て映えのする、英国の伝統的なテーラードファッション向けのオーダースーツ生地を展開しています。
ウィリアム・ハルステッド(William Halstead)のオーダースーツ生地の特徴
ウィリアム・ハルステッドの得意とするトロピカルウールやポーラなどのハイツイスト(強撚)素材は、比較的太さがある糸を用いる事で織組織の耐久性を確保しています。
また撚りが強いゆえに糸が交差する周囲のスペースが広くなり、通気性を確保して涼感ある生地となります。
また、モヘヤ生地は南アフリカのケープタウンやカンデブーで採取される高品質なモヘヤ原毛から作られ、宝石の輝きに似たモヘヤの光沢は、古くから英国のビスポーク文化に、夏場であっても高い格調を服地に与えてきました。
現在進行形のヴィンテージクロス
また、最近では珍しい目付(生地1mあたりのグラム数)が300g/mを超えるような高密度で重厚なオーダースーツ生地も一部提案されています。
いわゆるヴィンテージクロスのような目付ながらも、現代に身につけて違和感がない普遍性を持つ生地は、ファッションに強いこだわりがあるエンドユーザーをも大いに唸らせているのです。
名門テーラーのカッターが称賛するクオリティ
英国毛織物の華々しい黄金期を彷彿とさせると同時に、揺るぎない本物志向のオーダースーツ生地は、今を生きる名門テーラーの秀逸なカッターたちから大変高い評価を集めています。
多くのカッターいわく、ウィリアム・ハルステッドの生地は腰の強さから大変仕立てやすく、型崩れにも強くて風合いは永く保たれるので、ビスポークの聖地サヴィル・ロウでも大人気とのことです。
柄のバリエーションは、まさに英国クラシックの醍醐味のオンパレードです。バンカーズストライプやバーズアイ、ネイルヘッド、プリンスオブウェールズチェック、ウィンドウペインなどの王道柄が、春夏も秋冬も楽しめます。
ウィリアム・ハルステッドのポーラの魅力
ウィリアム・ハルステッド(William Halstead)のポーラ素材は、世界的に評価が高い素材です。
ウィリアム・ハルステッドのフレスコで仕立てたオーダースーツは、高温多湿な日本の気候で上着をきちんと着用していても、肌に張り付かず風通しもよく、シワに強くて型くずれもしにくい服なのです。
ビジネスパーソンにとって、そうしたオーダースーツは夏場の強い味方ではないでしょうか。
また、ビジネスユースだけでなく、ポーラ生地を使用して副資材(肩パッドや芯など)を減らして仕立てるアンコン仕立てのオーダージャケットなども、夏のオフタイムが快適に楽しめるアイテムといえるでしょう。
双糸と単糸を撚り合わせるスリープライ(3つ杢)と呼ばれる糸で織り上げた、涼感とシワへの強さを兼ね備える優れた春夏向けオーダースーツ生地で、その特性から、春夏用のトラベルスーツとしても大変重宝されています。
ウィリアム・ハルステッドのモヘヤの魅力
ウィリアム・ハルステッド(William Halstead)のモヘヤは、ポーラと並ぶ人気素材です。ウールに比べて繊維が太く、ウールと混紡することにより生地に凸凹が生まれ、織り上がりにシャリ感が生まれるのです。
また表面の細かい凹凸ゆえに、体と触れ合う箇所にも熱伝導率が低い空気が細かくいたるところに入り込み、外界の暑さを遮断するような効果もあって、着る人はより涼しさを感じることになります。
ウィリアム・ハルステッドがおすすめな人
ウィリアム・ハルステッド(William Halstead)は流行よりも、普遍的な格好良さをオーダースーツに求める方におすすめできます。
歴史が古いクラシック柄でも、時代に見合う確かな品質で生地として織り上げると、古めかしさなど感じられず、現代のビジネススタイルとなるのです。
また、夏場でもきちんとスーツ上下を身にまとってアクティブに活動する方にも、その涼感とシワや型崩れへの強さからおすすめできます。
エネルギッシュに動き、涼しい顔で振る舞えるオーダースーツが仕立てられる生地ブランドがウィリアム・ハルステッドなのです。
さいごに
ウィリアム・ハルステッド(William Halstead)の150年という長い歴史を支えてきたのは、品質の確かさと伝統の英国服飾文化へのこだわりです。
王道の英国柄を現代において違和感のない品質で発信するオーダースーツ生地ブランド、ウィリアム・ハルステッドに興味を持たれたみなさんは、銀座英國屋の店頭でぜひお確かめください。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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