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メンズスーツにおすすめのインナーは?シーン別に選び方を解説
メンズスーツにおすすめのインナーは?シーン別に選び方を解説
スーツの着心地や見た目を左右するのが、肌着(アンダーウェア)の選び方です。男性の中には「普段、シャツの下に肌着は着用しない」という方もいらっしゃいますが、直接肌に触れるインナーは、汗や皮脂による汚れからスーツを守るだけでなく、見た目の清潔感や着心地の良さにも大きく影響します。
しかし、「どの色を選べば透けにくいのか」「素材は季節によって変えるべきか」など、選択肢が多く迷ってしまうケースも少なくありません。
本記事では、スーツに適したインナーを選ぶ基本的な考え方として、色や丈、素材、さらに季節ごとの使い分けなどの視点から、失敗しない選び方のポイントをわかりやすく解説します。
スーツにインナーが必要な理由は?
スーツの着こなしを美しく整えるうえで、肌着の果たす役割は決して小さくありません。見た目の印象を底上げするだけでなく、スーツそのものの寿命にも関わってきます。
ここでは、なぜビジネスシーンにおいてインナーの着用が基本とされているのか、その理由と具体的な効果を詳しく解説します。
肌が透けるのを防ぐ

シャツ(ワイシャツ)を素肌に直接着ると、特に汗ばむ季節は生地が肌に密着し、肌の透けが目立ちやすくなります。この状態はただ見た目が悪いだけでなく、ビジネスやフォーマルな場では相手に不快感を与えかねず、マナーを欠く印象を与えてしまう恐れもあります。
その点、肌着をインナーとして着用することで、シャツ越しに肌や胸毛が透けるのを防ぎ、装いに対する信頼感や清潔感を高めることが可能です。とくに目上の方や取引先と接するシーンでは、「素肌を見せない」ことが相手への礼儀として求められるケースも多く、見えない部分の配慮が好印象につながります。
また、透けることへの不安や視線を気にせずにいられるという点で、心理的にも安心して日中を過ごせるのも大きなメリットです。服装のマナーが求められる場面でこそ、肌着の一枚が与える印象の差は小さくありません。
スーツに汚れがつくのを防ぐ
スーツの生地に汗や皮脂が付着すると、シミや黄ばみの原因となるだけでなく、生地の劣化やにおいの原因にもつながります。とくに夏場や長時間の着用時には、自覚がなくても相当量の汗や皮脂が肌から衣類へと移っているものです。
そのまま着用を続けると、汗染みが目立ったり、クリーニング頻度が増えることでスーツ自体の風合いや耐久性が損なわれたりする恐れもあります。
そこで役立つのが、インナーです。インナーが汗や皮脂を吸収することで、シャツやジャケットに汚れが直接触れにくくなり、結果としてスーツを清潔に保ちやすくなります。とくに脇・背中・首まわりなどは汚れやすい箇所です。インナーが一枚あることでこうした部分へのダメージを最小限に抑えることが可能です。
見た目の印象だけでなく、大切なスーツを長く美しく保つ実用的な工夫として、肌着の着用は非常に効果的といえます。
スーツの着心地のよさが向上する

夏場にスーツを着ていると、どうしても大量の汗をかいてしまいます。近年は気温の上昇もあり、真夏を迎える前から蒸し暑さを感じる日が増え、インナーなしでシャツを直接着ていると、肌に汗が張りついて不快感が増しやすくなります。
その点、肌着を一枚挟んでおくことで、汗を吸収してシャツへの汗ジミを軽減し、ベタつきや不快な肌ざわりを抑えることができます。さらに、雑菌の繁殖を防ぎやすく効果もあり、汗によるニオイ対策にも効果的です。
また、夏だけでなく冬にも重宝します。寒い季節に肌着を着ていないと、冷えたシャツ生地が直接肌に触れて、体温を奪いやすくなります。保温性のあるインナーを着用すれば、冷えを防ぎつつ、肌にやさしい着心地が得られるので、防寒対策としても効果的です。
関連ページ:スーツの臭いを消すには?自分でできる予防とケア方法を解説
スーツのインナーの選び方
一口にインナーといっても、さまざまな種類が存在します。しかし、清潔感やきちんと感を出したいと考えていても、どんな色や形を選べばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
ここでは、袖の長さや色味など、スーツに合わせるインナー選びのポイントを解説します。日々のコーディネートに迷いがちな方や、スーツスタイルに自信を持ちたい方にご活用いただければ幸いです。
袖の長さ

インナーは袖丈によって、主に次のタイプに分けられます。
- 半袖
- 長袖
- ノースリーブ、タンクトップ
ここでは、それぞれの特徴をわかりやすくご紹介します。
半袖
もっとも一般的な袖の長さで、季節を問わず一年中使いやすいタイプです。脇まわりの汗を適度に吸収してくれる効果があり、シャツへの汗ジミを防ぎやすく、清潔感の維持にも役立ちます。
袖丈が短いため動きやすく、重ね着してももたつきにくいのが特徴。夏は通気性の良いメッシュ素材、冬は保温性のある素材など、シーズンごとに適したバリエーションも豊富です。
長袖
冬場に活躍するのが長袖タイプです。腕全体をカバーすることで、汗や皮脂の付着を抑え、シャツやジャケットの内側を清潔に保ちやすくなります。
七分丈、九分丈、フルレングスと複数のバリエーションがあり、寒さの度合いやコーディネートに応じて選ぶことが可能です。以前はごわつきが難点でしたが、最近では薄手で保温性の高い高機能素材の製品も増えており、快適さが向上しています。
ノースリーブ、タンクトップ
ノースリーブは、半袖から袖を取り除いたシンプルな形状で、タンクトップは首まわりや腕まわりが大きく開いたデザインが特徴です。いずれも肌に密着する面積が少なく、通気性が高いこともあり、暑い季節に適しています。
ただし、袖がない分、脇汗が直接シャツに響きやすい点には注意が必要です。また、タンクトップは肩のリブ部分が太く、縫い目が肌に当たって不快に感じることがあるほか、首元からインナーが透けて見えてしまうケースもあります。
いずれのタイプを選ぶにしても、季節や着用シーンに合わせて袖丈を選ぶことが大切です。
首周りの形

インナーは袖丈だけでなく、首元の形状によっても着用感や見た目の印象が変わります。代表的なタイプは以下の3つです。
- クルーネック
- Vネック
- Uネック
ここでは、それぞれの特徴とスーツスタイルにおける適性について解説します。
クルーネック
首元が丸く開いた定番の形で、「丸首」とも呼ばれます。襟ぐりが広めで首まわりをしっかり覆ってくれる分、保温性に優れているのが特徴です。
ネクタイを締めている場合は、インナーが見えることはありません。しかし、クールビズなどで第一ボタンを開けて着用する場合、襟元からインナーが覗いてしまう点には注意が必要です。
Vネック
首元がV字型に大きく開いたデザインで、第一ボタンを開けてもインナーが見えにくい点が最大のメリットです。
スーツにネクタイを合わせる場合は、クルーネックとの違いはあまり感じられないかもしれませんが、ノーネクタイやオフィスカジュアルでシャツのボタンを開けて着る方には、Vネックの方が実用的です。
見た目の清潔感を重視したいビジネススタイルには、Vネックが適しています。
Uネック
U字型にゆるやかに開いた首元が特徴で、クルーネックよりは深く、Vネックほどシャープではない中間的なデザインです。
機能性はVネックに近く、インナーが見えにくい設計になっているものが多いですが、商品によっては襟ぐりや身幅がやや広めに作られていることもあり、シャツの下で少しもたつきを感じることがあります。
インナーの快適さと、見た目のバランスを両立させたい方に適しているタイプです。
首元のデザインは、スーツの着こなしやTPOによって相性が変わります。用途やスタイルに応じて、最適なタイプを選びましょう。
インナーの色

インナーには、さまざまな色があります。その中でもよく見られるのが白、黒、ベージュといったベーシックカラーです。
なかでも「白インナー×白シャツ」は定番の組み合わせとされていますが、実は肌の色とのコントラストにより、かえってインナーの輪郭が透けて見えてしまうことがあります。とくに汗をかいたときなどは、生地が肌に張りつきやすく、透け感が強まる傾向があります。
また、黒いインナーも同様に透けやすく、白シャツとの色差がはっきりと出るため、インナーだけが目立ってしまう場合もあります。ロゴやプリント入りのものも避けた方が無難です。
透けにくさを重視するなら、肌の色に近いベージュ系がもっともおすすめです。シャツ越しでも目立ちにくく、見た目も自然になじむことからビジネスシーンでも違和感がありません。
もしベージュに抵抗がある場合は、明るめのグレーも選択肢として有効です。肌との色の濃淡差が出にくく、白シャツでも比較的透けにくい色で、見た目の清潔感を損なわずに着用できます。
素材と機能性

インナーは使用されている素材によって、着心地や機能性が大きく異なります。目的や季節に応じて、適した素材を選ぶようにします。
コットン(綿)
一年を通して使いやすい素材として、もっとも代表的なのがコットンです。吸湿性に優れており、汗をかいても蒸れにくく、肌ざわりもやわらかで自然な着心地が特徴です。
夏は通気性が高く、冬場も体温を一定に保ちやすい特色を持ち、オールシーズン対応しやすい素材といえます。生地のごわつきが気になる方や、肌との摩擦が苦手な方にも適しています。
ポリエステル

速乾性を重視する方には、ポリエステル素材のインナーがおすすめです。汗を素早く吸い上げて乾かしてくれるので、夏場や湿度の高い季節に特に効果的です。
また、洗濯後も短時間で乾くことから、梅雨や冬場にも扱いやすい素材といえます。加工技術によっては保温性を持たせた製品もあり、冬用インナーとして選ばれることもあります。
ただし、ポリエステルは化学繊維特有の特性として、静電気が起きやすいという難点があります。また、独特のシャリ感が苦手な方や敏感肌の方は、着用前に素材表示や肌ざわりを確認すると安心です。
Tシャツは避ける

Tシャツは、クルーネックの肌着と似た形状をしていることから、インナー代わりに着用される方がいらっしゃいます。しかし、Tシャツをそのままインナーとして使うのはおすすめできません。
Tシャツはもともとカジュアルウェアとして一枚で着ることを想定した服であり、インナーと比べると生地が厚く、ゆとりのある作りになっています。そのため、シャツの下に着るともたつきやシルエットの崩れが目立ちやすく、スマートな印象を損なうおそれがあります。
また、Tシャツは丈がやや短めのものが多く、着用中にシャツの裾からインナーが見えてしまうこともあります。きちんと感が求められるビジネスシーンでは、不適切と受け取られる可能性があり、注意が必要です。
さらに、Tシャツは全体としてラフな印象が強く、スーツやドレスシャツとの相性が悪いことから、スタイリングに違和感が出やすくなります。近年では、あえてTシャツを見せるカジュアルミックスの着こなしも一部で人気がありますが、あくまでもトレンドを意識したカジュアルスタイルです。したがって、フォーマルな場やきちんとしたビジネスシーンでは避けるのが無難といえます。
きちんとした印象と快適さの両立を目指すなら、専用のインナー(肌着)を選ぶようにしましょう。
季節ごとのおすすめインナー
季節によって適したインナーの種類は異なります。時期に合った素材や形状を選ぶことで、より快適に過ごすことが可能です。ここでは、季節ごとの選び方のポイントを解説します。
春夏シーズンは清涼感と機能性を重視
春夏にかけては、汗や湿気による不快感を軽減できる通気性や吸汗性に優れたインナーを選ぶと快適に過ごすことができます。
ムレを防ぎたい方には、メッシュ素材のインナーがおすすめです。繊維の間に適度な隙間があることで空気がよく通り、体温がこもりにくくなります。生地が薄手でフィット性も高く、シャツのシルエットを邪魔せず、見た目もスマートな印象を与えます。
汗をたくさんかく方は、脇部分にパッド(当て布)がついたタイプを選ぶと安心です。パッドが汗をしっかり吸収してくれるため、Yシャツやスーツへの汗ジミを防ぎ、清潔感を保ちやすくなります。
秋冬シーズンは保温性の高いものを
気温が下がる秋冬シーズンには、身体を冷やさないよう保温性に優れたインナーを選ぶことが大切です。とくに七分丈や九分丈の袖タイプは、腕全体をしっかり覆うことで、冷えを効果的に防ぐことができます。
より高い保温効果を求める方には、キルティング素材のインナーが最適です。生地が何層にも重なった構造になっており、断熱性に優れ、体温を外へ逃しにくい特徴があります。ただし、やや厚みがあるため、スーツやジャケットの下に着たときにごわつきを感じることもある点には注意が必要です。
厚手の生地が気になる場合は、薄手でありながら保温性を備えた高機能素材を選ぶと快適です。たとえば、メリノウール混のインナーは、軽量でありながら非常に暖かく、さらに吸放湿性や防臭性にも優れていることから、長時間の着用にも適しています。
まとめ

本記事では、スーツをより快適かつ美しく着こなす際に欠かせないインナー(肌着)の役割や選び方を解説しました。見えない部分だからこそ、しっかり選ぶことでスーツスタイル全体の印象が引き締まります。
袖の長さには半袖・長袖・ノースリーブ、首元の形状にはクルーネック・Vネック・Uネックなどがあり、季節やTPOに応じた選び分けが欠かせません。また、色選びもポイントです。とくにベージュやライトグレーなど、白シャツの下で透けにくく肌なじみの良いカラーは、幅広いシーンで使いやすく、上品な印象を保ちやすくなります。
銀座英國屋では、一人ひとりの体型やライフスタイルに合ったスーツスタイルのご提案を行っています。インナーや着こなしに関するご相談も承っておりますので、お気軽に店舗スタッフまでご相談ください。
監修者

小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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