オーダースーツ 銀座英國屋コラム決定版!フルオーダースーツのテーラーの見分け方
決定版!フルオーダースーツのテーラーの見分け方
オーダースーツの最高峰といえば、フルオーダースーツです。この記事を読まれている皆様の中にも、いずれはフルオーダーでスーツを仕立てたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ「フルオーダースーツを仕立てよう!」と思った時に、「どのテーラーに任せようか?」と迷われる方が少なくないようです。
そこで今回は、フルオーダースーツのテーラーの見分け方をお教えしたいと思います。結論から言うと、「細やかな採寸・フィッティングを反映できる縫製体制が整っていて、かつ継続できるか?」が見分けるポイントです。結論だけでは分かり難いので、一つずつ説明していきたいと思います。せっかくフルオーダースーツを仕立てるなら、その前に必ず読んでおいていただきたい内容です。
専門用語が分からない
テーラー選びに迷ってしまう原因の一つが、専門用語がよく分からない、ということでしょう。たとえばオーダースーツの代表的な区分である「パターンオーダー」「イージーオーダー」「フルオーダー」の3つのオーダーの種類をはっきり区別できる方は少ないのではないでしょうか。
一般的には、このような違いがあると言われています。
・パターンオーダー
ゲージ服の各部位(袖丈や着丈など)の長さを調整して仕立てる方法。
・イージーオーダー
丈などの長さ調整に加え、パターンオーダーではできない、細やかなサイズの調整や、いかり肩・なで肩などの「体型補正」ができる。
・フルオーダー
お1人お1人のスーツの元となる型紙を作る。
さらに熟練の技術者によるフィッティングで、お身体のクセや用途に合わせた細かな調整をしていく。
定義がない?
とはいえ、実はこれらの言葉は、定義そのものが曖昧なのです。そのため各ショップ・各ブランドごとに自由に使われており、お客様が迷ってしまう大きな要因となっています。
例えばお客様ごとにパターン(型紙)を作成することだけを理由に、「フルオーダー」と謳っている場合があります。しかし、それだけでは「フルオーダー」とは言い難く、お客様がイメージされている「フルオーダースーツ」とは、異なるスーツが仕上がってしまうかもしれません。
そうは言っても、お客様ご自身で「この店舗は、本当のフルオーダースーツが作れるのか?」を事前に知ることは非常に難しいと思います。まず「フィッティング(仮縫い)」という点から、フルオーダーとそれ以外のスーツ(パターンオーダー・イージーオーダー)の違いを説明したいと思います
フィッティング(仮縫い)とは
フルオーダーにはフィッティング(仮縫い)があることが、パターンオーダー・イージーオーダーとの大きな違いです。
フルオーダースーツでは、ご注文時に採寸した寸法で、お客様ごとの型紙(パターン)を製図し、その型紙を基に、しつけ糸で仮留めされた「仮縫い品」を作成します。
そして、その「仮縫い品」をご着用いただき、数値だけでは表現できないお客様の身体にフィットさせる作業「フィッティング(仮縫い)」をします。
体型は人それぞれ千差万別
例えば同じ肩幅45cmの人であっても、左肩・右肩で形は異なります。左右差があるということです。一般的に、利き腕の方が下がり気味になる傾向があります。また、肩回りの筋肉(僧帽筋・三角筋など)の付き方や骨の形状は人それぞれであり、その方の肩に合うスーツの形も、千差万別です。
数値だけでは表現できない部分も多々あるのです。
調整箇所は無数
フルオーダースーツでは、「調整箇所数」という表現は使いません。調整箇所数として、数えることが難しいのです。敢えて言うならば「調整箇所は無数」です。
銀座英國屋のフルオーダースーツ
銀座英國屋は、スーツで最も大切なことは「信頼を得られる装いか?」と考えています。理由は「スーツは、仕事のツール」だからです。ご自分にとって気に入ったスーツであっても、それが周囲の信頼を失ってしまうようなスーツでは、意味がありません。
逆に言えば、「信頼を得られる装い」であれば、既製スーツでも、フルオーダースーツでも、良いスーツであると思います。
しかし、「信頼を得られる装い」として大事なのが、「身体にフィットしているか」ということです。シルエットだけを気にして小さ過ぎるスーツになってしまったり、逆にサイズが大き過ぎる不格好なスーツになってしまったりしては、見た目は、残念ながら「信頼を得られる装い」にはなりません。
だからこそ、あなたの身体にジャストフィットさせるスーツを作るために、フルオーダースーツのショップは、フィッティング(仮縫い)という工程を設けています。
このフィッティングの有無が、パターンオーダー、イージーオーダーとは大きく異なる点です。
接客とフィッティングを分ける
フィッティングを行うためには、人間の身体・生地・シルエットに対しての深い理解が不可欠です。専門学校などでフィッティングの技術は学ぶことができますが、仕事の中でどこまでも追究していく職人技でもあります。
このため銀座英國屋では、フィッティング専門技術者を「フィッター」とし、接客担当(スタイリスト)とは、別のスタッフが担当することにより、フィッターはフィッティングに集中できる環境を整えています。
先輩から若手への技術継承
フィッターは、普段から先輩のフィッターから仕事の中で熟練の技を学んでいくことになります。また定期的に社内研修も設けており、ベテランのフィッターから若手への教育も日々取り組んでいます。
縫製体制があってこそのフィッティング
身体に完璧に合ったフィッティングを施し、お客様ごとに型紙を製図・調整ができたとしても、実は、それに対応できる縫製体制が無ければ、フルオーダースーツは仕上がりません。言い換えるならば、「縫製体制が対応できる範囲でしか、フィッティングで調整できない」ということです。
だからこそ、フルオーダースーツを仕立てるテーラー選びのポイントは、「フルオーダースーツに対応できる縫製体制が整っているか?」と考えています。
銀座英國屋はオーダースーツ縫製工房という、細やかな採寸・フィッティングを反映できる縫製工房をグループ会社に持っています。この「製販一体」の体制を採っているからこそ、最高の一着を仕立てることができるのです。
縫製
高齢化で廃業が相次ぐフルオーダースーツ職人業界
昨今、各業界で職人の高齢化が進んでいると聞きます。フルオーダースーツ業界においても同じです。縫製職人の高齢化は深刻化しており、高齢化を理由とした廃業も相次いでいます。アパレル業界新聞「繊研新聞」2020年2月25日の記事においても、フルオーダースーツの副資材商社ヤマモト様のコメントとして
『当社の取引先のテーラーでは、抱えていた職人の高齢化による引退や、外注先の職人不足による廃業などで、「(ご注文をいただいても)作れなくて困っている」という声が聞かれる』
と紹介されていました。つまり、業界としては、フルオーダースーツのためのフィッティングに対応できる縫製体制を維持するのが厳しい状況にあるのです。
新型コロナウィルスの影響で、縫製体制の維持は更に難しくなっており、職人集団を解散させたという話も多く伝わってきています。
テーラー選びのポイントは、縫製体制
だからこそ、フルオーダースーツを仕立てるテーラー選びのポイントとして、「フルオーダースーツに対応できる縫製体制が整っているか?」に加え、「将来的にも、縫製できるか?」という基準を入れられることをお勧めします。
既製スーツとは違い、テーラーはお客様の採寸をしたデータを預かり、お客様のお好みや仕事内容を把握した担当がいることで、いつも満足のいくオーダースーツを作り続けることができ、お客様はテーラーと長いお付き合いをしていただけるようになります。
しかし、もし縫製体制に不安があれば、せっかくテーラーと付き合いが始まってもまた他のテーラーを探さなければならない可能性もあります。そのため若い縫製職人さんの育成ができているテーラーが、 長い目で見てお客様にとってより良い選択だと言えるのです。
銀座英國屋の縫製体制
若手育成体制が整備された縫製工房
オーダースーツ縫製工房は、銀座英國屋の100%子会社の縫製工房です。若手育成に注力し、現在では社員の半分以上を20・30代が占めるにまでになりました。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
フルオーダースーツを仕立てるテーラーとして、銀座英國屋も候補の一つとお考えいただけましたでしょうか。また、「無料オーダー体験」をぜひご利用いただき、フルオーダーの一連の流れをじかにご確認いただければ幸いです。
フルオーダースーツ縫製職人の若手育成のご支援
ふるさと納税を通した「フルオーダースーツ縫製職人の若手育成のご支援」にも多くの方々の共感をいただいており、更に若手育成体制の整備を進められています。
またふるさと納税を通じた、「フルオーダースーツ縫製職人の若手育成のご支援」も、お待ちしております。寄附金額の30%を、オーダー補助券として、返礼させていただいています。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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