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ノーカラージャケットの着こなし方は?シーン別おすすめコーデを紹介
ノーカラージャケットの着こなし方は?シーン別おすすめコーデを紹介
ビジネスシーンからフォーマルな場面まで、幅広く活用できるノーカラージャケット。襟のないすっきりとしたデザインは、洗練された印象とやわらかさをあわせ持ち、知的さと上品さを両立できるアイテムです。
一方で、「着こなしが難しい」「合わせるアイテムによってはカジュアルに見えてしまう」といった悩みも少なくありません。ノーカラージャケットならではの魅力を引き出すには、アイテム選びやシルエットのバランスが重要なポイントとなります。
この記事では、ノーカラージャケットの基本的な特徴から、シーン別におすすめのコーディネート例や、きれいに着こなすコツまで詳しく説明します。
この機会にシンプルだからこそ奥深いノーカラージャケットの魅力を、ぜひ見直してみてはいかがでしょうか。
ノーカラージャケットとは?

ノーカラージャケットは、名前の通り襟(カラー)が付いていないタイプのジャケットのことを指します。一般的なテーラードジャケットと比べて首まわりがすっきりと見え、やわらかく上品なスタイルに仕上がります。
堅苦しさを抑えた軽やかさがありながら、きちんとした雰囲気も損ないません。ビジネスシーンからカジュアルな場面まで幅広く活用でできる着回し力の高さから、さまざまなコーディネートを楽しめるのも魅力です。
また、インナーとの相性の良さも特徴のひとつです。クルーネックやVネック、ハイネックといったさまざまなデザインのトップスと合わせられ、コーディネートの幅を広げてくれます。
このように、ノーカラージャケットはシンプルで洗練された印象を持たせたいときに活躍するアイテムです。場面を問わず上品に着こなしたい方におすすめの一着といえるでしょう。
ビジネスシーンでは失礼にあたる?

ノーカラージャケットは、デザインや色味、合わせるインナーやボトムスによってビジネスシーンでも活用できるアイテムです。ただし、一般的なテーラードジャケットと比べるとややカジュアル感が強く、すべての職場や場面で適しているとは限りません。
たとえば、オフィスカジュアルが許容されている企業や、アパレル業界のように服装に一定の自由度がある職場では、ノーカラージャケットのやわらかい雰囲気が好印象につながることがあります。来客対応がない日や社内ミーティングといったカジュアル寄りの場面でも、堅苦しくなりすぎず、親しみやすさを演出することが可能です。
一方で、金融・法律・保険業界など、格式や信頼感が重視される職種では、ふさわしくないと判断される可能性があります。また、重要なプレゼンテーションや面接、取引先との正式な商談など、フォーマルな場では控えるのが望ましいでしょう。
職場で着用できるか判断に迷う場合は、周囲の同僚や先輩が着ているかどうかをひとつの目安にするのもおすすめです。社内の雰囲気を踏まえたうえで、適切に取り入れることができれば、品格あるビジネススタイルを実現できます。
ノーカラージャケットの種類
ノーカラージャケットといっても、実際にはデザインやシルエット、素材によって雰囲気が大きく異なります。選ぶデザインによって、ビジネスにもカジュアルにも対応でき、ご自身のスタイルや着用シーンに合わせた選択が重要です。
ここでは、ノーカラージャケットの代表的なタイプをいくつか取り上げ、それぞれの特徴や魅力を分かりやすく解説します。選び方の参考としてお役立ていただければ幸いです。
Vノーカラージャケット

Vノーカラージャケットは、その名の通り襟元がV字形に開いたデザインで、テーラードジャケットの襟を取り除いたような構造となっています。首回りがすっきりと見え、顔周りがシャープに映り、スマートで洗練された印象を与えられます。
シンプルなデザインなので、ミニマルでクリーンな着こなしになりやすく、特に黒やネイビー、グレーなどのベーシックカラーとの相性が良くなります。
さらに、V字の襟のカットによって縦のラインが強調され、着用するだけでコーディネートにメリハリが出ます。輪郭がやわらかく見えやすい顔立ちの方には、特におすすめです。
ラウンドノーカラージャケット

ラウンドノーカラージャケットは、襟元が緩やかなカーブを描いているのが特徴です。Vノーカラージャケットに比べて直線的なシャープさを抑え、穏やかなイメージに仕上がります。
この丸みを帯びたネックラインは、顔まわりをふんわりと見せてくれる効果もあり、フェミニンで上品な雰囲気を演出したいときに適しています。シャープなデザインに抵抗がある方でも取り入れやすく、優しさや親しみやすさを印象づけたい場面におすすめです。
また、インナーとの相性も良く、タートルネックやリボン付きのブラウスなど、ディテールのあるトップスと合わせてもバランスがとりやすいです。ワンピースの上に軽く羽織るだけでも、自然と華やかさが加わり、品よくまとまります。
同素材のスカートやワンピースとセットアップで着用すれば、全体に統一感が生まれ、よりフォーマルで完成度の高いスタイルが実現できます。卒業式や結婚式、入学式などセレモニーの場でも安心して身に着けられる一着です。
ノーカラージャケットを着こなすコツ
ノーカラージャケットは、着こなしの工夫次第で、より洗練されたニュアンスを引き出せるアイテムです。シンプルなデザインだからこそ、合わせるインナーやボトムス、小物の合わせ方などが全体の印象を大きく左右します。
ここでは、ノーカラージャケットを美しく着こなす基本のポイントをご紹介します。
上品に着こなすにはサイズ感が大切
ノーカラージャケットを美しく着こなすうえで、もっとも重要なポイントのひとつがサイズ感です。テーラードジャケットは襟があることで視線が分散しやすく、多少のサイズのずれも目立ちにくい傾向がありますが、ノーカラージャケットは襟がない分、体のラインがより際立ちます。そのため、わずかなサイズの誤差でも全体のバランスに影響が出やすいのが特徴です。
とくに注意したいのは、肩幅・袖丈・着丈のバランスです。体型よりも大きいサイズを選ぶとだらしないイメージになりやすく、小さすぎるものは窮屈に見えるだけでなく肩や腕周りに負担がかかり、着心地を損ねる場合もあります。
理想的なサイズ感としては、肩のラインが自然にフィットし、袖丈は手首が少し見える程度です。着丈はヒップの上あたりで収まると、全体のシルエットがすっきりまとまり、上品で洗練された印象を与えます。
また、インナーとの相性もサイズ感に大きく影響します。ノーカラージャケットはインナーの厚みによってもフィット感が変わるので、着用予定のトップスと合わせて試着することが大切です。すると、ジャケット単体だけでなくコーディネート全体のバランスを確認できます。
ボトムスと合わせた印象も確かめておく

ノーカラージャケットに合わせるボトムスは、スカートとパンツそれぞれで印象が異なります。コーディネートの完成度を高めるには、ジャケット単体ではなく、全身のバランスを確認することが大切です。
スカートを合わせると、ノーカラージャケットが持つやわらかな雰囲気が引き立ち、よりフェミニンでエレガントに仕上がります。
とくにAラインやフレアスカートは、ウエストから裾にかけて広がるシルエットが優雅さを演出し、入学式や卒業式などのフォーマルなシーンにぴったりです。一方、タイトスカートを組み合わせると、よりシャープで知的に仕上がり、ビジネスシーンでも好印象を与えるスタイルが完成します。
パンツスタイルの場合は、ノーカラージャケットのすっきりとした襟元のデザインが際立ち、マニッシュなニュアンスに仕上がります。ワイドパンツを合わせると、トレンド感のあるリラックスした雰囲気になり、大人のこなれ感を演出することが可能です。また、テーパードパンツと合わせれば、縦のラインが強調されてスタイルアップ効果も期待できます。
このように、ボトムスの選び方ひとつで、ノーカラージャケットの印象は大きく変わります。着用シーンや演出したいイメージに合わせて、全体のコーディネートを意識したバランスを整えることが、上品な着こなしのポイントです。
インナー選びにこだわる

ノーカラージャケットは、合わせるインナーのデザインによってもイメージが大きく変わります。うまく着こなすポイントは、ジャケットだけでなくインナー選びにも配慮することです。
すっきりとした襟元のデザインを引き立てるためには、シンプルで首元の開きが控えめなインナーを選ぶのが基本です。たとえば、クルーネックのカットソーやニット、ボードネックのトップスなどは、首まわりを程よく覆いながらも抜け感があり、顔周りをすっきり見せてくれます。
ビジネスシーンでは、クルーネックやVネックのブラウスも相性が良いアイテムです。とろみ素材などの落ち感のある生地を選ぶことで、柔らかさと上品さが加わり、洗練されたビジネススタイルが作れます。
さらに、寒い季節には薄手のタートルネックのニットを合わせるのもおすすめです。首元を包むデザインがノーカラージャケットのシンプルなラインに映え、エレガントで季節感のあるコーディネートが実現します。
一方で、襟付きのシャツや装飾性の強いインナーは、ノーカラージャケットのすっきりとした魅力を損なう可能性があります。シャツの襟がジャケットの襟元からのぞくと、スマートさが失われ、ややちぐはぐな印象になってしまうので注意が必要です。
同様に、大きなフリルやリボン、レースなどの装飾が目立つブラウスも、ノーカラージャケットのクリーンな雰囲気とは調和しにくく、シーンによっては避けた方が無難でしょう。
ビジネスで使うならセットアップを選ぶ
ノーカラージャケットをビジネスシーンで着用する場合は、単体ではなくセットアップで揃えるのが理想的です。
ジャケットとボトムスを別々に選ぶと、生地の質感や色味にわずかな差が生じやすく、全体の統一感を損なってしまう可能性があります。とくにビジネスの場では、こうした小さな違和感が清潔感のなさにつながることもあり、注意が必要です。
その点、セットアップであれば上下が同じ素材・色味で作られているので、自然な一体感が生まれやすく、誠実で信頼感のあるスタイルを演出したいビジネスシーンに適しています。
ノーカラージャケットのやわらかな雰囲気に、セットアップがもたらすきちんとした印象が加わると、親しみやすさと上品さを兼ね備えたバランスの良い着こなしが完成します。これは、男性のスーツスタイルが誠実さや清潔感を印象づけるのと同じように、プロフェッショナルとしての印象形成において大きな役割を果たします。
なお、ノーカラージャケットに限らず、衣服は同じデザインでもシーズンごとに素材や色味が微妙に変わることが一般的です。後からボトムスだけを買い足そうとしても、すでに同じ型が手に入らない場合があり、セットアップとして着用する可能性がある場合は、購入時に上下をあわせて揃えておくことをおすすめします。
ノーカラージャケットのおすすめのコーディネート
ノーカラージャケットは、洗練されたデザインを活かすことで、さまざまなシーンで活用できるアイテムです。ビジネスからフォーマル、カジュアルまで幅広く対応させるには、場面ごとのコーディネートを意識することが大切になります。
ここでは、シーン別におすすめの着こなし例を挙げながら、ノーカラージャケットを効果的に活用するコーディネート術をご紹介します。
ビジネスシーンでの着こなし例

【使用アイテム】
- ジャケット:ネイビーのVノーカラージャケット
- ボトムス:セットアップのタイトスカート
- インナー:白のボウタイブラウス
- 靴:黒のポインテッドトゥパンプス
ビジネスシーンでノーカラージャケットを取り入れる際は、セットアップでまとめたスタイルがおすすめです。
ネイビーのVノーカラージャケットに、同素材のタイトスカートを合わせれば、フォーマルで誠実さを感じられるとともに、コーディネートを引き締められます。ネイビーは清潔感のある定番カラーで、幅広い業種・職種に対応しやすいのも魅力です。
インナーには白のボウタイブラウスを選ぶと、首元にほどよい華やかさが加わり、シンプルになりがちなビジネススタイルにエレガントさをプラスできます。ボウタイはフリルほど甘さが強調されず、上品な存在感を持ちながらも控えめな印象にまとめることが可能です。
足元には、黒のポインテッドトゥパンプスを合わせるのが理想的です。つま先がシャープにとがったデザインは、Vノーカラーの直線的なシルエットとも好相性で、全体をすっきりと引き締めてくれます。
オフィスカジュアルでの着こなし例

【使用アイテム】
- ジャケット:ベージュのラウンドノーカラージャケット
- インナー:白のハイネックニット
- ボトムス:ブラウンのワイドパンツ
- 靴:エクリュカラーのフラットシューズ
オフィスカジュアルでノーカラージャケットを取り入れる場合は、ラウンドノーカラージャケットの優しい雰囲気を活かすスタイルがおすすめです。ベージュのジャケットとブラウンのワイドパンツを組み合わせれば、温かみのある色合いと、リラックス感を兼ね備えコーディネートが実現します。
インナーには、白のハイネックニットを合わせることで、首周りをすっきりと見せつつ、コーディネートに清潔感ときちんと感をプラスします。程よくフィットする薄手のニットであれば、ジャケットのシルエットを崩さず、洗練された印象を保つことが可能です。
足元には、ジャケットやパンツとトーンを揃えたエクリュカラーのフラットシューズを選ぶと全体が軽やかになり、親しみやすさを感じさせるスタイルになります。ヒールのない靴でも、色味や素材に上質さがあれば、カジュアルすぎず好印象を与えることが可能です。
なお、ニットでは暑さを感じる季節には、クルーネックのカットソーをインナーとして選ぶのもおすすめです。その際は、生地に微光沢があるものを選ぶとカジュアルになりすぎません。
結婚式などのセレモニーシーン

【使用アイテム】
- ジャケット:ベージュのラウンドノーカラージャケット
- ワンピース:ネイビーのミモレ丈ワンピース
- 靴:シルバーまたはゴールドのヒールパンプス
結婚式や卒入学式などのセレモニーシーンでは、ラウンドノーカラージャケットのやわらかなシルエットが適しています。明るいホワイト系のジャケットに、ネイビーのミモレ丈ワンピースを合わせれば、落ち着きと華やかさを兼ね備えたフォーマルスタイルが完成します。
ミモレ丈のワンピースは、肌の露出を抑えながらもエレガントな佇まいを演出でき、格式の高い場にも適したスタイルです。ネイビーは知的でシックなイメージを与えるカラーで、ホワイトジャケットの清楚な色味との対比が、コーディネートに明快さをもたらします。
足元には、シルバーやゴールドなど華奢で上品なカラーのパンプスを合わせると、程よい華やかさが加わり、セレモニーらしい祝福ムードが自然と表現されます。金具の装飾が控えめなものを選ぶと、上品で清潔感のある印象に仕上げることが可能です。
なお、ジャケットとワンピースのコントラストが強く感じられる場合は、ベージュや淡いピンクなど、トーンの近いノーカラージャケットを選ぶのが望ましく、やわらかい色合いは肌なじみが良く、親しみやすさや女性らしさを引き出すコーディネートになるでしょう。
また、少しカジュアルな式やガーデンパーティーなどの場合には、ツイード素材のノーカラージャケットを取り入れるのもおすすめです。ツイード特有の織り感がナチュラルで程よく華やかさを添えつつ、ドレッシーすぎない抜け感あるスタイルを演出してくれます。
まとめ

ノーカラージャケットは、襟がないことで首周りをすっきりと見せ、シンプルながらも上品で洗練された印象を演出できます。クルーネックのカットソーやハイネックニット、ボウタイブラウスなど、シンプルなデザインのインナーとも相性がよく、さまざまな場面に対応しやすいのも魅力です。
一方で、襟付きのシャツや大きなフリル・リボンのついたインナーなどは、ノーカラーの洗練されたシルエットを損なう恐れがあり、避けた方が無難とされています。
着こなしにおいては、サイズ感も重要なポイントです。肩幅や袖丈、着丈がきちんと合っていることで、全体のバランスを整えられます。とくにノーカラーは体のラインが際立つので、フィット感のある一着を選ぶことが大切です。
また、合わせるボトムスによっても印象が大きく変わります。スカートと合わせればエレガントな雰囲気に、パンツを合わせればスマートで洗練されたニュアンスに、ワンピースと合わせればセレモニーなどの華やかな場にも自然に溶け込みます。
このように、ノーカラージャケットはインナーやボトムス、サイズ選びを工夫することで、オン・オフ問わず多彩なコーディネートを楽しめる、とても汎用性の高いアイテムです。 銀座英國屋では、プロのスタイリストが着用シーンやご希望のイメージに合わせて、最適なノーカラージャケットのご提案を行っております。お一人おひとりの体型に合わせたフィッティングや、素材選び、カラーコーディネートまで丁寧に対応しておりますので、ご興味のある方は、店舗または公式サイトからお問い合わせください。
監修者

小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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