オーダースーツ 銀座英國屋コラムホーランド&シェリーのオーダースーツ生地は英国イタリアの仕立て職人がこぞって絶賛
ホーランド&シェリーのオーダースーツ生地は英国イタリアの仕立て職人がこぞって絶賛
オーダースーツファンなら一度は名前を耳にしたことがあるホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)は、英国マーチャントの老舗中の老舗であり、トップブランドです。そのグレードの高さは群を抜いており、アパレル向けよりオーダー向けがほとんどとなっています。
既製品に使われることはほとんどないため、名前を知らない人も多いのではないでしょうか。今回の記事では、そんなホーランド&シェリーの魅力についてご紹介します。圧倒的にグレードが高い生地を使ったオーダースーツに興味があるみなさんは、ぜひ参考にしてください。
目次
ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)とは?
英国の高級服地専門のマーチャント(生地商社)であり同名のブランドを有するホーランド&シェリーは、1836年にロンドンのボンド・ストリートにて創業されました。それ以来180年以上に渡り、世界中のテーラーにハイクラスのオーダースーツ生地を提供しています。
現在、本社はスコットランドのエジンバラ近郊にある町、ピーブルズというところにあり、サヴィル・ロウ・ストリートにはロンドン営業所を構え、40ヵ国以上に専属総代理店や現地法人を持ち、全世界に向けてその充実したコレクションを発信。
また直営のミル(織物工場)を英国内外に所有し、オーダースーツ生地に加えてインテリア素材など、多岐に渡る事業も展開しています。
ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)の歴史
スティーブン・ジョージ・ホランドとフレデリック・シェリーがロンドンの古い街、ボンド・ストリート10番地で、ウールとシルクの生地を専門とする織物商としてビジネスを始めたのが1836年のことです。
創業以来一流のテーラーやメゾンを相手にビジネスを展開
二人のファミリーネームを合わせて商号としたホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)はそれ以来、一流のテーラーやメゾンに世界最高級のオーダースーツ生地を供給し続けています。
1886年にホーランド&シェリーは、当時毛織物の取引の中心地であったゴールデン・スクエアにビジネスの拠点を移しました。
20世紀の幕開けにはすでにグローバル志向だった老舗マーチャント
20世紀を迎えるまでにホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)は、多くの国にオーダースーツ生地を輸出しました。アメリカ合衆国のニューヨークに営業所を構えたのもその頃です。
20世紀初頭は英国とヨーロッパ諸国、南北アメリカの諸国がホーランド&シェリーの主要なマーケットでした。またロシアのサンクトペテルブルクにあるホーランド&シェリーの倉庫は、ロシア革命前にはすでに成功を収めており、現在も順調に運営されています。
1982年にホーランド&シェリーは本拠地をロンドンのサヴィル・ロウ・ストリートに移転し、その威風堂々たる建物は、現在もホーランド&シェリー・ロンドン営業所として機能しています。
多くの織物業者を傘下に入れて成長したホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)
1968年、ホーランド&シェリーはスコットランド国境のエジンバラ近郊にある町、ピーブルズ に本拠地を置くスコットランドのマーチャント、ロウ・ドナルドをグループ企業として傘下に入れ、そこに専用の倉庫を設置する計画を実行しました。
19世紀後半に活動していたゴールデン・スクエアのすべてのマーチャントの中で、2022年現在も残っているのはホーランド & シェリーだけです。何十年もかけて彼らは20社近くの織物業者をグループ傘下に入れて成長しました。
伝統技法と先端の研究という両輪が生み出す至高のクオリティ
ホーランド&シェリーは今もなお、より上質でよりゴージャスな繊維を追求し、生地のクオリティを高める研究に取り組んでいます。彼らがプロデュースするオーダースーツ生地は、確かな品質と優れたテイストのために、昔ながらの伝統技法も駆使して織られています。
そんなラグジュアリーなオーダースーツ生地ブランドであるホーランド&シェリーの生地を使用したオーダーメイドスーツは、まさに人生への投資であり、常に装う喜びを感じさせてくれるでしょう。
ホーランド&シェリーのオーダースーツ生地の特徴
ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)のオーダースーツ・ファブリックコレクションの特徴は、その質感の素晴らしさと選択肢の豊富さにあります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
伝統技法による打ち込みの良い生地
ホーランド&シェリーの生地は、低速織機を使用した伝統の製法で、じっくりと織り上げられています。非常に打ち込みの良い、しっかりとしたその質感は、生地に触れて直接感じられる魅力です。
また、英国紳士服のアイデンティティであるイングリッシュドレープ(胸から腰にかけての美しいくびれ)を作りだす、圧倒的なハリとコシを備えた生地でもあります。織組織が高密度なのでシワにもなり難く、耐久性と回復力に優れた理想的なオーダースーツ用の素材です。
世界最高レベルの豊富なバリエーション
次に、豊富な柄数および色展開も、ホーランド&シェリーコレクションの大きな魅力となっています。最高級のウーステッドから、カシミヤやビキューナなどの高級絨毛素材、コットンやシルク、アイリッシュリネンなどの高級天然素材を幅広く展開しています。
シーズンごとに3,000バリエーションの圧倒的な柄数のボリューム
ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)のオーダースーツ生地は、Spring・Summer・Autumn・Winterのシーズンごとに、おおむね30種類の素材が用意されています。
そして素材ごとに、少ないものでも30種類、多ければ80種類の柄が作られ、それに色のバリエーションの展開が加わります。
つまりコレクションとしての年間総柄数はほぼ3,000柄となり、そのボリュームたるやヨーロッパのマーチャントの中でも群を抜いています。創業以来、英国内の需要に応えるだけでなく、国外市場への輸出にも力を入れる中で培われた提案力です。
オーダーメイドにこだわる生地ブランド、ホーランド&シェリー
ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)はヨーロッパの一部のビッグブランド以外への、既製品向けの反物ベースでの販売は行っていません。日本国内においても、量産型の既製服メーカーへの反物ベースの販売は控えられています。
その背景には、オーダーメイドでこそ生地のクオリティを引き出すことができるという、彼らのこだわりがあります。
既製品向けの反物単位の販売よりビスポーク向けカットレングス販売が主体
認知度を上げるためには、量産型のメーカーに提供する方法もあるでしょう。しかし、ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)は既製品向けに低価格で打ち出すことが難しい高級生地です。
そのため、ビスポークテーラーやオーダーショップへのカットレングス販売がメインとなります。
カットレングス販売とは、マーチャントの基本的なビジネスのやり方です。具体的には、バンチサンプル(生地見本帳)からリクエストされた品番の用尺(一着仕立てるのに必要な長さ)にカットして販売します。
ホーランド&シェリーのカットレングスの販売数は世界トップを誇り、今日では1日に平均で600件の注文が世界中から入ります。1,000件を超えるオーダーを受ける日も珍しくありません。
バンチサンプルを使った販売方法の元祖はホーランド&シェリー!
ちなみに、今では当たり前の注文方法である、バンチサンプルを用いたカットレングス販売の手法を取り入れたのは、ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)が世界で初めてという説もあります。
創業まもない草創期の最初のバンチサンプルは、現在まで大切に、社内の資料館に保管されてきました。また、ホーランド&シェリーは日本のビスポーク市場においても、40年以上にわたってバンチサンプルを使って販売を続けてきた歴史が厳然と輝いています。
世界中からの注文をその日のうちに発送するホーランド&シェリーの体制
ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)は顧客サービスを徹底しており、日々のオーダーを迅速に処理し、カットしたオーダースーツ生地をその日中に特別契約の国際物流システムにより、世界中に発送する仕組みを持っています。
また、彼らは在庫管理には特に細心の注意を払っています。柄数3,000バリエーションのコレクション在庫の動きを常に把握し、シーズンの進行の度合いから購入タイミングを考慮しながら適切な入荷調整を行っています。
高級生地を扱うオーダーサロンがこぞってバンチサンプルを利用
現在、ビスポークスーツの聖地であるサヴィル・ロウを中心とする英国のビスポークテーラーはもちろん、イタリアやフランスのほか、ヨーロッパの名のあるテーラーのほとんどがホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)のオーダースーツ生地を扱っています。
特にクラシコイタリアを世界に発信したナポリにおいては、多くのサルトリアがホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)のバンチサンプルばかり勧め、他のブランドのバンチサンプルは隅に追いやられているといわれるほどです。
その理由はホーランド&シェリーならどれを選んでも、生地の目がしっかり詰まっていてハリとコシが素晴らしく、「仕立て映え」がよいので職人も「仕立て甲斐」があるからです。
私たち銀座英國屋のようにフルオーダーを提供する老舗テーラーにとっても、ホーランド&シェリーは自信を持っておすすめできるオーダースーツ生地です。
ホーランド&シェリーがおすすめな人
ホーランド&シェリーはファッションテイストの好みに関わらず、本当のラグジュアリー、本当のグレード感を味わいたい方におすすめです。好みのテイストがあるかどうかについては、豊富なバリエーションの中で解決できる可能性が高くなります。
決してヤワな生地ではないので、長く快適に、鮮度を保ちながら着用できることも考え合わせれば、価格的にも納得できるクオリティといえるでしょう。
さいごに
ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)は既製品ではあまり見かけないブランド名ですが、オーダーの世界ではトップ・オブ・ザ・トップともいえる最高クラスの生地です。
まだホーランド&シェリーの素晴らしさを体感したことがないみなさんは、ぜひ私たち銀座英國屋で手に触れてお選びいただき、ご自身へのご褒美、あるいは今後の人生への投資の一着としてお仕立てになりませんか?
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
オーダースーツ銀座英國屋(東京銀座・東京赤坂・大阪梅田・大阪阿倍野・京都)|トップへ戻る
最近の投稿
-
2024年11月16日
大学入学式のスーツはどう選ぶ?男性向けに選び方と着こなし方を解説
-
2024年11月8日
モーニングコートはいつ着る?燕尾服との違いと着こなしマナーを解説
-
2024年10月28日
ブラックスーツとは?ダークスーツとどう違う?着こなし方を解説
-
2024年10月21日
燕尾服とは?着る場面や着こなし方をわかりやすく解説
-
2024年10月12日
ボタンダウンシャツとは?着こなしの注意点とオススメのコーデを紹介