オーダースーツ 銀座英國屋コラムアット・ヴァンヌッチは、クラシコイタリア伝統のハンドメイド技術を持つネクタイブランド
アット・ヴァンヌッチは、クラシコイタリア伝統のハンドメイド技術を持つネクタイブランド
イタリア語でセッテピエゲ、英語でセブンホールドと呼ばれる7つ折りのハンドメイドネクタイを作るなど、伝統製法の技術を持つネクタイブランドのひとつが、アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)です。
今回の記事では、イタリアのネクタイブランド、アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)について詳しくご紹介します。クラシコイタリアの粋なスタイルに興味があるみなさんは、ぜひ参考にしてください。
アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)とは?
アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)は、クラシコイタリアの流れを汲む、イタリアの伝統的なハンドメイドの製法の技術を持つネクタイブランドです。
このアット・ヴァンヌッチのアトリエが創業された頃、市場には量産品のリーズナブルなネクタイがあふれて飽和し、そのうえイタリアンファッションの流れは「センツァ・クラバッタ」の着こなし、つまりノーネクタイスタイルが普及しつつありました。
アット・ヴァンヌッチは高価なハンドメイドネクタイを扱っていたため、次第に需要は減少し、アトリエは困窮の一途を辿ることになってしまいます。
そこで、日本にクラシコイタリアを紹介した功労者の一人であり、現在タイユアタイ・フローレンスのオーナーである加賀健二氏が、力強い存在として社を引き継ぐこととなりました。
彼は、絶滅のピンチにあったクラシコイタリアのハンドメイドネクタイを存続させ、その素晴らしい文化を後世に残すために2011年にセブン・ホールド社をフィレンツェで設立し、アット・ヴァンヌッチ・フィレンツェの新たなスタートを開始しました。
アット・ヴァンヌッチの名前の由来
アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)というブランド名は、1858年にトスカーナ共和国を創設した革命家グループの1人である、イタリアの革命家の名前にちなんでいます。彼はオーストリア軍がグランデュークを奪還した際に、亡命生活を開始します。
イタリアが統一されると、アット・ヴァンヌッチは最初のイタリア議会に議員として参加しました。イタリア独立の英雄のひとりとして、尊敬を集めている人物を讃えるためにブランド名に冠されたのです。
アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)のこだわり
アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)は毎シーズン、オリジナルの新柄を発信しています。生地はすべて、イタリアのコモでは最高クラスとされるシルク業者から厳選された高品質の原料を使用して柄出しされます。
クラシック感やヴィンテージ調にこだわった企画で、色目は1970年代にモチーフを求め、柄デザインはクラシックに求めています。
ただし、柄のヒントはイタリアだけでなく、英国やフランスのクラシックなモチーフも柔軟に取り入れています。最終的にはファッションの国籍など関係なく、格好良いかどうかであるというポリシーに基づいたアプローチです。
素材も目付けの重厚なシルクやヴィンテージっぽいシルクコットン、ドライ感がある渋いウール素材など、クラシコファンが見惚れるような素材を常に開発しています。
企画においてはネクタイ屋目線の発想ではなく、洋服屋目線で提案する独自のスタンスが、業界でも際立っています。
洋服屋目線で企画するのは、目的がネクタイを目立たせるのではなく、主役のスーツやジャケットを引き立てるためであり、さらにいえば身に着ける本人を輝かせるためだからです。
また、アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)でネクタイ製造に取り組む職人チームは、全員が25年以上の職人経験を持つ熟練者で固めています。
アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)のラインナップ
アット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)は、イタリア伝統の7つ折り製法を用いたハンドメイドネクタイであるセッテピエゲに加え、他にも素敵なネクタイを展開しています。
芯地を用いて3つ折り製法で作るトレピエゲにおいては、ストレートシェイプのボブ(Bob)とボトルシェイプのフランク(Frank)が用意されており、私ども銀座英國屋でも一部取り扱いがございます。
ほかには裏地を使わないスフォデラート(Sfoderato)、裏地付きのフォデラート(Foderato)、表地と裏地が共生地のフォデラート・フォデラート(Foderato Foderato)などの魅力的なモデルに分かれています。
また、袋縫いのクラシカルなニットタイも多色展開で人気商品となっているようです。
さいごに
ネクタイを締めていても堅苦しくなく、自由に伸び伸びと振る舞えるようなネクタイがアット・ヴァンヌッチ(ATTO VANNUCCI)のハンドメイドネクタイです。これまでしめたネクタイとはひと味もふた味も違う華やぎを、ぜひご体感ください。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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