オーダースーツ 銀座英國屋コラム英国カントリーテイストの本質を現代に違和感なく溶け込ませる、Wビルのオーダー生地
英国カントリーテイストの本質を現代に違和感なく溶け込ませる、Wビルのオーダー生地
Wビル(W.BILLl)は英国のビスポークの聖地サヴィル・ロウに近い、ボンドストリートに拠点を構える老舗服地マーチャントです。Wビルの持ち味は、英国カントリーテイストにあふれた生地の素材感と柄行きが楽しめることです。
古き良き英国をテーマにした映画で目にするような、素敵な服地が豊富に展開され、多くのテーラーから信頼を得ています。今回の記事では、そんな素朴でお洒落なWビルブランドの魅力を紹介します。
オフ向けにカントリーテイストのジャケットのオーダーを検討しているみなさんは、ぜひ参考にしてください。
カントリーテイストのオーダー生地の草分け「Wビル」とは?
150年以上の歴史を誇るWビル(W.BILL:William Bill)は、カントリーテイストのオーダー生地の草分け的存在として知られています。
シェットランドツイードやドニゴールツイード、伝統的なタータンチェックやリネンのコレクションなど、素朴さを活かしたナチュラルで味わい深いオーダー生地(主にジャケット向け)を豊富にプロデュースしています。
Wビル(W.BILL)の歴史
Wビルの創業は1846年。実に180年近い歴史がある、カントリーテイストに特化したマーチャント(生地商社)であり服地ブランドです。
クラシカルな正統派のツイード生地や、斬新な柄行きのジャケット生地を得意とする老舗ブランドとして、ビスポークの聖地、ロンドンのサヴィル・ロウに軒を並べる名門テーラーから多大なる信頼を得てきました。
ニュージーランドの登山家にして、シャルパのテンジン・ノルゲイとともに人類史上初のエベレスト登頂の偉業を果たしたエドモンド・ヒラリー卿が、まさに登頂達成時に同ブランドの生地による服を着用していたことで有名です。
また、天才芸術家パブロ・ピカソが愛用していたことも、Wビルの名を広めた要素のひとつでしょう。
ノースウェールズに構えた小さな織物販売店で、ツイードとウールブランケットを売り始めたのが、その後180年に及ぶ歴史の始まりでした。
創業以来、ツイードとカシミヤの生地メーカーとして実績を積み重ね、希少価値が高い生地を扱う世界でも有数のマーチャントへと成長していきました。
現在は英国最大のマーチャントグループ「ハリソンズ・オブ・エジンバラ」グループの一員として、価値あるツイードの供給者としての存在感を高めています。
クラシックテイストのツイードもさることながら、時代のトレンドを反映して打ち出すコンテンポラリーなスコティッシュツイードなども、世界中から高い評価を得ています。
Wビル(W.BILL)の特徴
Wビルのオーダー生地は、古き良き時代から脈々と受け継がれてきた英国のクラシックカントリーテイストにあふれた柄をベースにしながらも、単なる懐古趣味ではありません。
ほどよく現代的なエッセンスを加えているので、クラシックの良さを現代のファッションに昇華させています。
色目は落ち着いたものが多い傾向ですが、無地、ヘリンボーン(杉綾織り)、チェックのそれぞれに、細分化されたお洒落なパターンや個性的な風合いがあり、渋い華やぎを持つオーダー生地といえるでしょう。
Wビルのツイードが愛される理由
Wビルが得意とするツイードは、北海の寒風吹き荒ぶエリアで生息するシェットランドシープから原毛を採取します。
シェットランドシープの体毛は、繊度が極めて細くて柔軟です。それは厳しい極寒の環境に順応して生きていくために、体毛の中に熱伝導率が低い空気を多く含んで保温性を高めるためです。
まるでアルパカのようにフカフカでボリュームたっぷりの毛から作るツイードは、大自然の恵みをまとうような「ぬくもり」と生地の味わいがあります。
また、過酷な環境に対抗するしなやかさと強さもあり、そのツイードで作ったジャケットは子や孫に受け継ぐことができるといわれるほどの丈夫さも備えています。
Wビル(W.BILL)がおすすめな人
Wビルをおすすめしたい人は、やはり英国ファッションの、それもスーツだけでなくオフに楽しむカントリーファッションに興味があるみなさんです。
英国貴族が山林渓谷を散策し、狩猟を楽しむ際のファッションなので、現実にそういうオフを過ごすことはないかもしれません。しかし、たとえどこにいても優雅に、心は貴族のように心からオフを楽しめる服となるオーダー生地なのです。
さいごに
Wビル(W.BILL:William Bill)はカントリーファッションのテイストを現代に伝え、しかも決して懐古趣味にならずに現代の感覚に溶け込むかたちで楽しませてくれる、得難いオーダー生地です。
カントリーファッション系の装いが好きなみなさんは、ぜひWビルのツイードや春夏ならリネンでオーダージャケットを仕立てて、優雅なオフを楽しむ糧としてください。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
オーダースーツ銀座英國屋(東京銀座・東京赤坂・大阪梅田・大阪阿倍野・京都)|トップへ戻る
最近の投稿
-
2024年11月16日
大学入学式のスーツはどう選ぶ?男性向けに選び方と着こなし方を解説
-
2024年11月8日
モーニングコートはいつ着る?燕尾服との違いと着こなしマナーを解説
-
2024年10月28日
ブラックスーツとは?ダークスーツとどう違う?着こなし方を解説
-
2024年10月21日
燕尾服とは?着る場面や着こなし方をわかりやすく解説
-
2024年10月12日
ボタンダウンシャツとは?着こなしの注意点とオススメのコーデを紹介