オーダースーツ 銀座英國屋コラム「オーダースーツ おすすめ」でネット検索してはいけない!?その理由と解決策
「オーダースーツ おすすめ」でネット検索してはいけない!?その理由と解決策
もしもあなたが今日「オーダースーツを仕立てたい」と思ったら、まず何をしますか?知人にスーツに詳しい人がいればその方に聞いてみるのも手ですが、おそらく、ほとんどの方がインターネットで情報を検索されるのではないでしょうか。
例えば以下のような検索キーワードです。
・オーダースーツ 東京
・オーダースーツ おすすめ
・オーダースーツ 評判
「オーダースーツ」ではなく「テーラー」や「フルオーダー」などと検索する方もいらっしゃるでしょうが、概ねこのようなキーワードで検索を始めることになると思います。
確かにホテルやレストランであれば、地名や評判で検索をかけることで、失敗を防げる可能性はかなり高いでしょう。情報は整理されており、そして信ぴょう性も高いためです。口コミや点数を見て高評価を受けていたら、おそらくそのホテルやお店はあなたにとって満足できるお店だと思います。
しかし同じことを「オーダースーツ」でやってはいけません。実は、ここに大きな落とし穴が潜んでいるのです。今回は、「オーダースーツの店選び」でネットの情報だけを信用してはいけない理由と、本当に良い店舗を選ぶための方法について解説したいと思います。
オーダースーツに関するネットの情報は信用できない!?
言うまでもなく、ネットの情報は玉石混交です。我々プロが見れば、何が正しくてどの情報が間違っているかすぐに分かりますが、一般の方であればそこまで判別するのは難しいでしょう。
さきほど例示したホテルやレストラン以外にも、歯科医院やレジャー施設、習い事教室や不動産屋、美容室など、ネット検索するだけで欲しい全ての情報が揃う分野もあります。このような分野では、ネットの情報はかなり信用できます。しかしオーダースーツでは、ネットの情報は信頼性に欠けます。
ニッチな分野
オーダースーツのネット情報が信頼性に欠ける理由は、まずオーダースーツが上記分野に比べて極めてニッチな世界だからです。例えばホテルや旅館は、全国で※52,000軒もの数があります。
※メトロエンジンリサーチ
不動産屋は※124,000軒、美容室に至っては※248,000軒です。
※不動産適正取引推進機構
※厚生労働省
オーダースーツ・テーラーの店舗数は、現時点での正確な数は分かりません。しかし大手のスーツ量販店8社全ての合計でも約1,900店舗なので、個人店の多いオーダースーツは、その半分にも遠く及ばないのではないかと推測できます。
※洋服の青山、AOKI、紳士服のコナカ、紳士服はるやま、オリヒカ、スーツセレクト、パーフェクトスーツ、ザ・スーツカンパニー
そう考えると、かなりニッチな分野だということになります。要するに、情報を整理して提供できるほどの店舗数がそもそもないのです。にも関わらず、比較やランキングをつけること自体に無理があります。
WEBに力を入れていない
オーダースーツ業界は、正直に言ってWEBの活用に関してかなり遅れている業界です。ECをやっている飲食店なら、集客のために最低でも自社ホームページと、楽天やAmazonなどのモール店舗、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSの活用、できればYouTubeも使って広告宣伝することはもはや当たり前になっています。
これは飲食に限ったことではありません。ありとあらゆる分野で、WEBの活用は急速に進んでいます。もはやWEBなしでは、集客が成り立たないと言っても過言でないほどです。しかし、オーダースーツ業界で十分WEBを活用できているところは数えるほどしかありません。動画やSNSはおろか、それぞれのオーダースーツ店のホームページすら整っていないのが実情です。
職人の世界でもあり、また高齢化の進む業界でもあるので、情報公開して積極的にお客様にアプローチしよう、という会社も少ないのです。
評判やランキングなどのブログにも、ホームページがなければそもそも紹介すらされません。そしてホームページがなければ、本当に高い技術を持っているテーラーがあったとしても、それを検索で見つけることは物理的に不可能なのです。
記事を書いているのは誰?
例えば「都内のオーダースーツ店をランキング形式で紹介する」記事を見つけたとしましょう。なんとなく、この記事で上位に掲載されている店は信頼が置けるような気がしませんか?しかしそのような保証はどこにもありません。裏側を解説します。
仮に、そのランキングが恣意的に操作されていたらどうでしょう?1位から順に、多額のお金を払ってランクインさせてもらっているかも知れません。理由は、このブログを読んだ方の内の一定数が、上位にある店舗を「信頼できそう」という理由で訪れるからです。このランキング記事自体、1位の会社が書いている可能性も大いにありえます。
いや、たとえ第三者が善意で書いているにせよ、どの程度あなたにとって有意義な内容なのか大きな疑問が残ります。というのも、オーダースーツは高額なうえに、「仕立ててみなければ分からない」商品だからです。スーツの専門家でもない限り、オーダースーツについて評価したり解説したりすることは難しいです。
つまり、プロの記事であれば恣意的に操作されている恐れがあり、素人さんの記事であれば、読む価値に疑問符が付くということです。
ただし、オーダースーツの知識を持つプロが、何の経済的見返りも期待せず、客観的にあなたに役に立つブログを書いている可能性もあります。ただし、このようなブログの真意を判断することは、まず不可能に近いと思われます。
誰に向けた記事?
スーツには様々な目的があり、あなたの立場や着用シーンなどから最適なものを選ぶことが必要です。しかしネットには、読者の立場を理解した上で書かれているような情報はあまりありません。
一般論ですが、ネット記事(ブログ)を書く経済的な理由は、「集客」か「アクセス」です。オーダースーツ業界の人が、自らの良さをそれとなく宣伝することで自店舗に来店をしてもらうことを狙っているか、できるだけ大勢の人に読んでもらって、アクセスを増やして広告収入を稼ぐか、このどちらかです。
要するに、「これから自分に合ったオーダースーツ店を見つけたい」「信頼できる客観的な情報を知りたい」という方をそもそも対象にはしていないのです。
これらの理由から、ネットの情報「だけ」を頼りにして、ご自身にとって適切なスーツを作るのはおすすめできません。誤った情報に接すると、あなたにとって本当に満足のできる店舗に巡り合うことができないからです。
ネットであなたに合ったオーダースーツ店を探す方法
ではどうすれば、本当に良い情報を見つけることができるのでしょうか?
ホームページを見る
さきほど「ホームページがなければ、高い技術を持っているテーラーがあったとしても見つけることができない」と言いました。しかしだからといって、全ての店をリアルに調べ歩くこともまた、現実的に不可能です。そのため、まずホームページを持っている店に限られますが、そのページの中身を見ていくことにしましょう。
ここで間違えないでほしいのが、単純に「きれい」なホームページだから良いというわけではないということ。確かにオーダースーツ作りには、デザインセンスが求められます。しかし、それとこれとは話が別です。オーダースーツのレベルが高いことと、ホームページがきれいなことは比例しません。なぜなら、テーラーはオーダースーツを作ることはしますが、ホームページは専門業者が作っているからです。
では、ホームページの「どこ」を見れば良いのでしょうか?
会社の歴史を確認する
まずは、「歴史」を確認しましょう。オーダースーツの値段や、ホームページのデザイン、フェア情報などは、本来の技術力には関係なく、言ってみれば「何とでも」書く(描く)ことができます。昨日・今日作られた店舗と、本当に長い間多くの方から愛されている店舗の間には、歴史という埋めがたい溝が存在します。
例えば、単純に創業から何年経っているのか、ここを確認してみてください。一概には言えませんが、30年以上経っている会社であれば、信頼性はかなり高いと思われます。本当にお客様が付いていないとそれだけの期間、営業し続けることができませんし、また逆にそれだけの経験があることで、さらに技術力を高めて、お客様を惹き付けることができるのです。
メディア情報を確認する
一見して同じようなホームページがあったとしても、メディア情報を比較してみると、本当の評判が分かります。さきほどお客様の声は捏造されやすいという話をしましたが、一方でメディア情報に嘘を載せることは難しいものです。
そして色々なメディアに取り上げられているということは、それだけ会社が情報発信に積極的だということも見て取れます。つまり「ウェルカム」な姿勢でいるということ。どうしてもオーダースーツというと、来店のハードルが高いこともあります。その点、新規客の受け入れ態勢の整っているお店というのは、それだけで一つの安心材料です。
著名人インタビューを確認する
更に、著名人インタビューに「このお店のスーツを着ている」という情報が無いか、探すのもおすすめです。著名人であればあるほどに、実は「お客様の声」に登場いただくことは難しいためです。しかし、本当に気に入っていれば、インタビュー記事の中で「どこそこのテーラーのオーダースーツを着ている」とお話しするものです。
衣装協力・撮影協力
オーダースーツであれば、衣装協力や撮影協力などを、どの程度しているのか確認してみると良いでしょう。衣装協力を依頼するのは、テレビや映画など撮影の際です。俳優さん・女優さんは、「一目で良く見える衣装」を選びます。
社長の顔が見える
オーダースーツ・テーラーのホームページには、ほとんどの場合モデルさんの画像が使われています。かっこいいモデルさんばかりに目が行きがちですが、少し視点を変えて社長の挨拶を確認してみましょう。「何」を売っているかも大事ですが、「誰」が売っているかというのも同じくらい大事なのです。
ビジネスツールと捉えた場合、オーダースーツ屋の社長がビジネスで成功しているか、見てみましょう。これを体現している社長の言葉には説得力があります。また嗜好品と捉えた場合、社長のオーダースーツへのこだわりが、お店や接客、スーツ、目に見えるものも見えないものも、すべてを魅力的に見せてくれます。逆に社長のオーダースーツへの強いこだわりや造詣、熱意が伝わらないようなお店は、同じような条件で悩んだ時には敬遠するほうが無難かも知れません。
スタイリストの顔が見える
社長の場合にも同じことが言えますが、スタイリストさんが顔を出しているサイトは安心感が増します。オーダースーツ店は、完成品を売るわけではありません。お客様とスタイリスト(フィッターや縫製技術者も含む)が協力して、1着の至高のスーツを作り上げます。
つまり、どれだけ縫製の技術が高くても、接客を担うスタイリストが非協力的だったり、お客のニーズを理解できていなければ、決して良いスーツには仕上がらないのです。そのため、スタイリストの写真やコメントが載っていれば、ぜひ確認してください。そして、もしホームページ上に任せたいスタイリストが見つかれば、店舗に確認して接客を依頼してみましょう。
まとめ
今回は、インターネットの情報に惑わされずに、正しくあなたに合ったオーダースーツ店を見つけ出す方法について解説しました。情報量が多かったかも知れませんが、お役に立てましたでしょうか?
これまでネット上の情報だけを見てオーダースーツを仕立てて失敗していたという方や、これからオーダースーツを作りたいけど情報収集の仕方が分からないという方には、今日からでも使える内容だったのではないでしょうか。
ここに掲載されている内容に関わらず、何かオーダースーツに関することでお悩みやご相談がありましたら、いつでも銀座英國屋までお問い合わせください。お会いできることを、一同心より楽しみにしております。
無料オーダー体験のご案内
銀座英國屋では、無料オーダー体験を実施しています。
ご注文を前提せずに、カウンセリング・生地選び・細かなディテール決め・サンプル仮縫い品によるフィッティング体験を、ご体験いただけます。
また、店内には仕上がった製品見本もご用意しています。是非、ご予約フォームより「無料オーダー体験」をご予約下さいませ。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・東京赤坂・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・名古屋・京都・奈良に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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