オーダースーツ 銀座英國屋コラムスーツとシャツはどう合わせる?ビジネスで失敗しない着こなし最適解
スーツとシャツはどう合わせる?ビジネスで失敗しない着こなし最適解
お仕事でスーツを着用する方にとって、欠かせないのがシャツ。シャツを購入する際、種類が多すぎてどのようなものを選べば良いか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際にスーツ店の店頭には似たようなシャツがたくさん並んでいます。
そこでこの記事では、スーツに合わせるシャツの特徴や種類、着こなし方について詳しく解説します。こちらをご覧いただくことでスーツに合わせるシャツについて理解が深まれば幸いです。
スーツに合わせるシャツの特徴
ビジネスの場面で、スーツと合わせて着用するシャツには、共通する特徴が見られます。ここでは、ビジネス向けに選ばれるフォーマルなシャツの特徴を紹介しましょう。
光沢があるものが多い
ビジネスの場面で着用されるシャツとしては、フォーマルなシーンにふさわしい見た目、印象が求められることから、光沢があるものが選ばれる傾向です。
そもそも一般的なスーツは生地に上質で美しい光沢があるため、これに合わせてシャツも「ブロード」と呼ばれる光沢があるものを選ぶことが多いです。
前立てや胸ポケットが付かない傾向にある
シャツには、正面ボタンに沿って縦方向に「前立て」と呼ばれる帯状のパーツが付けられているものがあります。これはボタンを開閉させる際に生地が傷むのを防ぎ、補強することが目的のパーツです。前立てが付いているとボタン穴側の耐久性が増し、傷みにくくなるというメリットがあります。
前立ての有無に関しては、付いていないほうが、よりフォーマルとされています。そのため、より格式を上げるのであれば前立てが付いていないシャツを選ぶと良いでしょう。
また、シャツはもともと下着が起源とされていますが、正式なシャツには胸ポケットのような実用性のあるディテールは付いていません。現代でも胸ポケットが付いていないシャツの方がフォーマルとされているため、可能であればポケット無しを選びたいものです。
スーツに合わせるシャツの種類
スーツに合わせて着用するシャツの違いは、主に襟の形に見られます。ここではシャツの襟型の違い別にどのようなものがあるか解説します。
レギュラーカラーシャツ
レギュラーカラーシャツとは襟の開きの角度が75度ほどで、もっともオーソドックスなシャツです。カラー(collar)は英語で「襟」のことです。
フォーマル度合いは高いとされている一方で、襟の長さが短いため、ジャケットラペル(下襟)にワイシャツの襟先が乗ってしまうことがあり、ルーズな印象を与えてしまいかねません。
スーツに合わせるシャツの襟型のうち、オススメは後述のワイドやセミワイドです。
ワイドカラーシャツ
ワイドカラーシャツは襟の開き角度が100〜140度程度のものを指します。襟先がラペルの下にしっかりと収まるため、見た目のバランスが良いのが特徴です。
襟の開き具合が大きいので、ネクタイを結ぶ際は結び目の紐が見えないようにしっかり締め上げる必要があります。
セミワイドカラーシャツ
セミワイドカラーシャツは襟の開き角度が100度程度です。レギュラーカラーとワイドカラーの中間くらいに位置します。襟の開き角度がワイドカラーより狭いため、ネクタイの結び紐が見えづらく、襟先はラペルの下に隠れるので見た目のバランスも良いのが特徴です。
ホリゾンタルカラーシャツ
ホリゾンタルカラーシャツは襟の開き角度がほぼ水平(180度)になっているシャツです。レギュラーカラーやワイドカラーなどと比べるとややカジュアルな印象です。
ネクタイに関してはプレーンノットと呼ばれるもっともシンプルな結び方では、結び目の紐が見える恐れがあります。そのため、結び目が横広な結び方であるセミウインザーノットなどにすると良いでしょう。
カッタウェイシャツ
カッタウェイシャツは襟の開き角度が鈍角(190度程度)になっているシャツです。襟が前ではなく後ろ方向に広がっているのが特徴です。また襟の開き角度がかなり大きいため、ネクタイを締めると結び目の紐が見えてしまう恐れがあり、タイドアップするシャツとしてはやや不向きと言えます。
ノーネクタイスタイルではカッタウェイの襟の開きが綺麗に見えるので、どちらかというとノーネクタイのスタイルで着たいシャツです。
クレリックシャツ
クレリックシャツは襟の台襟から上とカフ(袖先)が身頃とは異なる生地で作られたシャツです。このうち、多いのが襟とカフが白でそれ以外が別色や別柄のものです。
クレリックシャツはその見た目から華やかな印象を与えます。その一方で、色・柄を複数使うのでコーディネートが難しくなる傾向があります。また、少しカジュアルな印象になるので、着用するシーンを考えてから取り入れると良いでしょう。
ボタンダウンシャツ
ボタンダウンシャツは襟先を小さなボタンで留める形状のシャツです。この襟型は馬を使ったポロ競技の際、襟が揺れ動くことを防ぐために作られたという起源とされ、カジュアルな分類となります。
着用する場面によっては、スーツと合わせるのがNG、つまりマナー違反となることもあります。基本はビジネスカジュアルなど「ノーネクタイでもOKな、格式の高くない場面」で選択肢に入れるのがおすすめです。
スーツに合わせやすいシャツの色と柄
シャツはスーツのVゾーンを作る重要な要素であり、シャツ1枚で印象は大きく変わります。そのため、スーツに合わせるシャツにはこだわりたいものです。ここでは、スーツに合わせやすいシャツの色や柄について解説します。
基本は白無地のシャツ
白無地のシャツはビジネスシーンではもっとも使いやすく、汎用性も高くなります。
白は真面目、誠実な印象を与えるため、お相手への敬意を表す点でもオススメです。シャツ自体に色味がないので、どのようなスーツにも合わせやすいのもポイントです。特にネイビースーツと合わせると、色のコントラストがハッキリして清潔感も演出できます。
参考記事:ネイビースーツの着こなし方|シーン別のオススメ着こなしもご紹介。
水色のシャツもオススメ
白無地以外では淡い水色のシャツもオススメです。
ビジネススーツの基本色であるネイビーとグレーのどちらにも合わせることができます。このうち水色の無地であれば、白シャツと同じくコーディネートも組みやすくなります。青みが強くなりすぎるとスーツと合わせづらく、カジュアルな見た目にもなるので注意が必要です。
ストライプシャツは縞の幅に注意
ストライプシャツも一案です。ストライプシャツは縞の太さや幅によって見た目の印象が異なります。このうち、縞幅が太くなるほどカジュアルな印象になります。ビジネススーツと合わせるのであれば、線が細く遠目では無地に見えるようなシャツが無難です。
また、ストライプシャツを着る際にスーツもストライプ柄にすると、柄同士が干渉してしまい目がチカチカするような見え方になることがありますので、ストライプシャツを着用するときはスーツを無地にしておくとそのような心配がありません。
スーツとシャツを着こなすポイント
ビジネスシーンでスーツとシャツを着こなすポイントは、何と言ってもサイズです。どんなに仕立てが良いシャツであっても、サイズが合っていないと美しく着こなすのは難しくなります。
スーツに合わせるシャツの適性サイズ
スーツに合わせるシャツとして、サイズが適正か確認するには、いくつかチェックしたい項目があります。
まず、シャツの首周りについては首の実寸+2cm程度が推奨されます。これはシャツの一番上のボタンを留めたときに指が1本程度入る余裕がある状態です。これよりも緩いとネクタイを締めた時に首周りに余分な隙間が生じてしまい、サイズ感が合っていない印象となり、着映えしません。反対に全くゆとりがない状態ですと首が窮屈で着心地が悪くなりがちです。
シャツの身幅はジャストサイズが理想となります。これは正面のボタンを留めた際にボタンが左右に引っ張られるほど窮屈でなく、また生地が余りすぎない程度です。
シャツの身幅が余るとお腹周りにシワが寄ります。本来はシワが出ないシャツを選ぶのが望ましく、もしシワが寄る場合は、そのゆとりを体の正面ではなく横方向に流してあげると、正面から見たときにスッキリと見せることができます。
袖丈はスーツのジャケット着用時にシャツの袖先が1cm程度覗くのが正しい長さとされます。目安はシャツの袖ボタンを留めない状態で、手の甲が半分隠れるくらいの長さです。分かりづらいときはシャツの試着時に普段お使いのスーツを着てみるのも有効です。
シャツのボタンは全て留める
ビジネススーツと合わせるときは、シャツのボタンは一番上まできちんと留めます。これはネクタイを締める場合は必須です。
ときおり、ネクタイ着用時にシャツの第一ボタンを留めずにネクタイを締めると、シャツの首元付近に不要なシワが出やすくなるため注意が必要です。
ただし例外もあります。最近ではクールビズが浸透していて、ノーネクタイでお仕事に臨む方も少なくありません。状況によってはシャツの第一ボタンを外すのも一案です。第一ボタンを外すことで首元が涼しくなり、また砕けた印象になります。もっとも、環境によるところもありますので、実際に第一ボタンを外すかは状況を見定めたうえで判断するのが良いでしょう。
なお、シャツのボタンを2つ以上外すのは、肌の露出が増えすぎることから、ビジネスにおけるマナー違反となりやすいので気をつけましょう。
まとめ
今回はスーツに合わせるシャツの基本として、ビジネススーツに合わせやすいシャツの特徴、襟の形状などについて解説しました。
スーツに合わせやすいシャツはブロード生地で前立てやポケットがないものです。また白無地シャツがもっとも汎用性が高いためオススメです。選ぶ際はジャストサイズのものが理想で、着用する際はネクタイを締めるときでもシャツの第一ボタンまできちんと留めます。
自分に合うシャツをきちんと着こなすことで、ビジネスにおける信頼感へと繋げられるのではないでしょうか。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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