オーダースーツ 銀座英國屋コラムアルバート・サーストンはサスペンダーを二百年以上前に初めて世に送り出したブランド
アルバート・サーストンはサスペンダーを二百年以上前に初めて世に送り出したブランド
オーダースーツの周辺アイテムとして、お洒落度をアップするサスペンダー。日本では身につける人は少数派かもしれませんが、欧米のビジネスパーソンや、とりわけ指導者階級では、好んで使用されている紳士向けアクセサリーです。
今回の記事では、そんなサスペンダーの代名詞といわれる老舗の紳士向けアクセサリーブランド「アルバート・サーストン(ALBERT THURSTON)」についてご紹介します。サスペンダーが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
アルバート・サーストン(ALBERT THURSTON)とは?
みなさんは「サスペンダーが似合う人物」として、誰を思い浮かべますか?
年齢層にもよると思いますが、1987年のハリウッド映画「ウォール・ストリート」のマイケル・ダグラスを挙げる方も多いのではないでしょうか。
ダグラス扮する飽くなき野望を持つ成功者、投資家ゴードン・ゲッコーのトレードマークとして、観る人に強烈な印象を与えたのは、彼が身につけていたサスペンダーです。
映画での冷酷無比なダグラスの役回りはさておき、颯爽としたサスペンダースタイルは日本のビジネスパーソンにも強烈な印象を与え、当時はちょっとしたサスペンダーブームになりました。
マイケル・ダグラスが映画で使用していたサスペンダーのブランドが、200年を超える歴史を誇る「アルバート・サーストン(ALBERT THURSTON)」だったのです。
世界で最初のサスペンダーはロンドンの片隅で生まれた
サスペンダーという服飾アイテムが歴史に登場したのは、トラファルガーの戦いにおけるネルソン提督の大勝利と戦死を記念して、ネルソン記念柱がロンドンに建設される5年前(1820年)のことでした。
ロンドンのヘイマーケットにある、パントンストリート27番地にあるアルバート・サーストンの紳士向けアクセサリーショップにて、世界で最初に製造、および販売がされました。そのアイテムは、静かにビジネスパーソンの間で広まっていきます。
1851年、ウェストミンスター地区からケンジントン地区にかけて広がる王立公園ハイドパークでの万国博覧会にて、アルバート・サーストンはサスペンダーを含む紳士向けアクセサリーの優れた品質に対して優秀賞を受賞しました。
歴史と伝統を英国の職人技が承継
こちらの画像は、1870年代の「アルバート・サーストン(ALBERT THURSTON)」のサスペンダーのカタログです。およそ150年前のものですが、これを見れば世代を超えて丁寧に受け継がれてきた細部へのこだわりが、ひしひしと伝わってきます。
19世紀から20世紀、そして21世紀にまたがって、アルバート・サーストンのサスペンダーは、世界中の王家の男性、大統領、成功したビジネスパーソンによって愛用されてきました。
(「ウォール・ストリート」でのマイケル・ダグラスの颯爽たるサスペンダースタイルは「成功者」を表現する意図があったのかもしれません。)
銀幕に見るアルバート・サーストンのサスペンダー
アルバート・サーストン(ALBERT THURSTON)のサスペンダーを、誇りを持って身に着けているのは、街を闊歩するビジネスパーソンだけではありません。エグゼクティブやセレブリティにも求められ続けています。
また、アルバート・サーストンのサスペンダーは「ウォール・ストリート」の印象があまりに強烈だったので、その後も映画やテレビドラマで頻繁に使用されています。
サスペンダーへの紳士の思い入れを表す逸話
アルバート・サーストンのサスペンダーが、如何に紳士のアイテムであったかを示すエピソードとして、20世紀初頭の名優ラルフ・リチャードソンの話が興味深いです。
1939年9月1日にドイツ軍とスロバキアがポーランドへ侵攻し、2日後に英国とフランスがドイツに宣戦布告しました。
仕事をしていたラルフ・リチャードソン卿はポーランド侵攻の報道を聞くなり、サヴィル・ロウの行きつけのビスポークテーラーに慌てて直行するなり、サスペンダーを半ダース購入しました。
有事に備え多くの指導者が新しいサスペンダーを購入して、品切れになると困ると彼は考えたのでしょう。
さいごに
サスペンダーは、日本では「お洒落を楽しむ方のアイテム」という印象が強いかもしれませんが、欧米では一般的で、バリバリと働くビジネスパーソンにも好まれています。
スーツファッションにアクセントをつけ、いつもと気分を変えることで、仕事の流れを活性化するためにも役立ちそうなアイテムです。ひとつは日常のコーディネートアイテムとして備えておくことをオススメします。また、増やしていくのが楽しみなアイテムにもなることでしょう。
監修者
小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)
1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。
ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。
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