オーダースーツ 銀座英國屋コラムネクタイバー・タイピンの選び方・付け方|意味・位置・種類も解説!

ネクタイバー・タイピンの選び方・付け方|意味・位置・種類も解説!

ネクタイバー・ネクタイピン・選び方

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スーツコーディネートに、さりげない彩りを加えるネクタイバー。
いざ使おうと思った時に「付け方は?」「選び方は?」「プレゼントには何が良い?」と迷うことはありませんか?

今回は、そんなネクタイバーの「シーン別の付け方」「自分用の選び方」「プレゼント用の選び方」などを解説いたします!

※ネクタイは1850年後には普及されたといわれ、当時は小剣通し(タイループ)も無かったため、大剣と小剣がユラユラと乱れやすかったので、1870年頃には虫ピンのようなピンタイプが使われ始められたと言われています。
 またピンタイプだったため、シルク素材であるネクタイにキズを付けることが多く、その後、挟むタイプのクリックタイプが使われるようになったようです。
 現代の主流はクリップタイプのネクタイバーが主流となっています。


【結論】シンプルなタイクリップ式(バネあり)を、
「ネクタイの長さ調整」のために隠して付ける。

ネクタイピン・ネクタイバー

大切な場面での「信頼を得られるビジネスウェア」という視点で考えると、ネクタイバーを通常の「外から見える位置」に付けると、モノによっては「装飾性」が強く華美な印象になることがあり、オススメとは言えません。

特に、「目上の方からの信頼」を得ることが大切な場では、されない方が好印象に映ります。

(しかし、ネクタイバーを付けることで「より誠実さを届ける」方法があります!
 それは「ネクタイの長さを整えるために、ネクタイバーを正面から見えないように隠して付けること」です。詳細は後述しますので、ぜひお試しください。)

一方で、結婚式のような慶事の場合は、「装飾性」を強めることが「お祝いの気持ちの表れ」となります。

礼服としてのブラックスーツに、シルバータイを付け、シルバーのネクタイバーをするといった組み合わせはオススメです。

ネクタイバーの意味は、昔「ネクタイの乱れ防止」⇒今「オシャレ」

昔は、ネクタイの厚みが薄く(=軽く)、裏にある小剣通し(ネクタイループ)も無かったため、ネクタイはユラユラととても乱れやすい物でした。
そして、「ネクタイの乱れを止めるため」に、ネクタイピンが付けられていました。

今は、ネクタイの生地は厚く(=重く)なり、小剣通しも付けられ、ネクタイの乱れやすさが緩和されました。
このため、ネクタイピンやネクタイバーの本来の目的は薄れていき、今ではオシャレ(装飾性)として楽しまれる事が多くなっています。

例えば、「ネクタイを上に持ち上げネクタイバーで留め、立体的に見せる」といったオシャレもあります。
スーツショップの店舗スタッフでも、こういったオシャレをしている方もよく見かけます。

とはいえ、全体的には「ネクタイバーを付ける方」は多くはなく、ネクタイバーを付けた時には、「ネクタイバーをていない方」との比較で「装飾性が目立つ」ことになります。

このため、ベーシックな装いで誠実さを届けたいビジネスシーンでは、「表から見えるように」付けることはあまりオススメしません。

ネクタイバーを付けることは、今の「マナー・常識」ではない。

昔、ジャケットを脱いだワイシャツ姿の時には、ネクタイがブラブラとしないように、ネクタイピンをするのが「マナー・常識」と言われていたことがある様です。
これは、昔はネクタイの生地が薄く(=軽く)、ネクタイループが無く乱れやすかったことに起因しています。

しかし、1980年代のソフトスーツが流行った頃から、そのようなマナー・常識は薄れていったようです。

今では、ネクタイバーは「マナー・常識として付けるもの」ではなくなりました。

また、主流もネクタイピンからネクタイバーに代わりました。

ネクタイバーは、「ネクタイの長さ調整」のために利用する。

ネクタイを締めた時の長さは、「ネクタイの大剣の先端が、ベルトのバックルの上下の幅に収まる」が最も良いバランスです。

しかし、ネクタイの長さは日本人にとっては長い場合が多く、小剣が長く余ってしまいがちです。

ここで、ネクタイバーの出番です!

余ったネクタイの小剣を折って、ネクタイの裏の間と、ワイシャツの前立てを一緒に止めることで、スッキリと着こなすことができます。

本来の使い方とは異なりますが、表からも見えず、かつ、ネクタイの長さも整えられるオススメの工夫です。

なお、この使い方の場合、ネクタイバーが、ネクタイやシャツに引っかからないようにしたいもの。
装飾が付いていないシンプルなデザインで、抑える力があるタイクリップ式(バネあり)がオススメです。

ネクタイタイバーの選び方(表に見せる場合)

ビジネスで使うならば、シンプルなデザインを選ぶ。

ネクタイバーは存在感があるため、「シルバーの棒状」などのシンプルなデザインがオススメです。

色を入れるならば、ネクタイと同じ色を選ぶ。

色を入れるならば、ネクタイと同じ色を選ぶとオシャレです。

基本的に、コーディネートの中に色を増やすほど、調和が難しくなり、かつ、カジュアルダウンします。
このため、ネクタイバーはネクタイに近い色を選び、コーディネート全体の色を増やさないことがオススメです。

「ビジネスと関連のあるデザイン」のネクタイバーは、会話が弾むキッカケになる。

ご自身のビジネスをアピールするために、「ビジネスと関連のあるデザイン」のネクタイバーをすることも一案です。
スーツのラペルのフラワーホールに社章や、関連デザインのラペルピンを付けるのと同じイメージです。
例えば、木材に関係したビジネスをしている方が、木を使ったネクタイバー等を使用するのはオススメです。

それこそ、オーダースーツ専門店の店舗スタッフは、よくハサミの装飾が付いたネクタイバー・ラペルピンを使っています。

このようにしていると、「そのネクタイバー、ラペルピンはオシャレですね!」といった会話から、自然に自社のビジネスについてお話しすることもできます。

また、プレゼントに贈るアイテムとしてもオススメです。

金属の色は合わせる。

ベルト・時計などで使われている金属の色は、統一するのがオススメです。

理由は前述の通り、色の数が少ないほど、コーディネートに調和が生まれるからです。

この「色の数を減らす」という意味で、金属の色は「シルバー」がオススメです。

ゴールドには、イエローゴールド・ピンクゴールド・ホワイトゴールドなど様々な種類があり、シルバーと比較すると統一することが難しいためです。

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ネクタイバーの付け方(表に見せる場合)

ジャケット着用時

スーツ・オーダースーツ・ネクタイピン・ネクタイバー

ジャケット着用時は、スーツスタイルを完成させる「ファッション性を楽しむため」に付けます。
このため、ジャケットの第一ボタンの少し上に付け、Vゾーンからネクタイバーをさりげなく見せましょう。

ネクタイを持ち上げて立体的に見せたい場合には、ワイシャツの胸ポケット辺りでネクタイバーを付けると良いでしょう。

なお、ネクタイバーは「ネクタイの大剣・小剣・シャツ」の3枚を挟んで、右から左に向かって付けます。
ネクタイだけ挟むと、ネクタイバーの重みでよりいっそうネクタイが乱れやすくなってしまいます。

ワイシャツのみ着用時

ネクタイが乱れることを防ぐため、「ワイシャツの第四ボタンと第五ボタンの間」あたりにネクタイバーを付けましょう。

これであれば、前かがみになってもネクタイが垂れず、汚れや濡れを予防できます。
また、清潔感がありスマートな印象になります。

結婚式やパーティーといった慶事の時

上記のジャケット着用時と同様です。

葬儀などの弔事の時

葬儀の服装マナーでは、光沢のある装飾品は避けるため、ネクタイバーも付けません。

どうしてもネクタイバーが必要な場合には、全体が黒のネクタイバー、もしくは、本体がシルバーで真珠が付いたネクタイバーを選びます。
真珠は「涙の象徴」とも言われるため、葬儀の場でも許されるようです。

ただ、やはり基本的には葬儀などの弔事の際には、ネクタイバーはオススメできません。
「故人を偲ぶ気持ち」を、装飾品を省くことでも表現しましょう。

ネクタイバーの種類

タイクリップ(ワニ口式)

ネクタイバー・ネクタイピン・タイクリップ

ネクタイピンと言うと、バネの力を使って挟み込む、このタイクリップが一般的です。

前述の「ネクタイの長さ調整」のために使用する際には、強い力が必要なため、このタイクリップ式がオススメです。

タイクリップ(クリップ式)

ネクタイバー・ネクタイピン・タイクリップ

バネを使わずに、金属で直接挟みこむタイプです。
このクリップ式は、シンプルなデザインで素敵ですが、使用しているうちに少しずつ挟む力が弱くなっていきます。

ショートクリップ

ネクタイバー・ネクタイピン・ショートクリップ

一般的なネクタイピンよりも短いネクタイピンを指します。

タイ・チェーン

ネクタイバー・ネクタイピン・タイチェーン

ワイシャツのボタンに引っかけて、鎖を回して止めるタイプです。

止める力が強くはなく、より装飾的なネクタイピンのため、パーティーなど華やかな場での使用がオススメです。

タイ・タック(タックピン、ラペルピン)

ネクタイバー・ネクタイピン・タイタック

ピンバッジのように、針状のピンでネクタイを刺して、裏側を金具で留めるタイプです。

ネクタイ自体に穴が開いてしまいますが、ネクタイがズレない点が魅力です。

スティック・ピン

ネクタイバー・ネクタイピン・スティックピン

針状のピンを刺してネクタイを留めるタイプです。

主にアスコットタイやクロスタイを留める際に使われます。

補足:日本ではネクタイバーやネクタイピンと呼ぶが、英語では通じない。

日本では、ネクタイバー・ネクタイピンと呼びますが、
英語ではタイクリップ(Tie clip)・タイバー(Tie bar)・タイクラスプ(Tie clasp)などと呼びます。

日本でも最近ではタイバーやタイクリップといった呼び名が浸透し始めています。

さいごに

いかがでしょうか?

ネクタイバーは、「ネクタイの長さ調整」として、また、「パーティーの装飾品」としてオススメですので、ぜひ、ご活用ください。

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監修者

オーダースーツ銀座英國屋 代表取締役社長 小林英毅

小林英毅(銀座英國屋 代表取締役社長)

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 オーダースーツ銀座英國屋の3代目社長。 青山学院大学ファッションビジネス戦略論・一橋大学MBA・明治大学MBA・ネクストプレナー大学にてゲスト講師。 銀座英國屋は、創業80年。東京銀座・オークラ東京・大坂梅田・大阪あべのハルカス・京都に店舗展開。

ビジネスウェアを選ぶ際の「どなたから、信頼を得たいか?」という視点を軸に、オーダースーツについて、お役に立つ情報をお届けいたします。

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