オーダースーツ 銀座英國屋オーダースーツ顧客様インタビュー銀座英國屋では、オーダーが続く
「お客様の喜びを生み出すことだけ」に集中できるスーツ
Profile:公認会計士・税理士 / 株式会社古田土経営 代表取締役会長 / 税理士法人古田土会計 代表社員 / 中小企業庁 はばたく中小企業300社 審査委員 / 「日本で一番大切にしたい会社大賞」審査委員
監査法人を経て、昭和58年1月独立。現在360名の古田土会計グループの代表取締役会長を務める。顧客数は3600社の中小企業に及び、会計指導と経営計画指導両輪で中小企業を支援する。全国の会計事務所500社を会員化し、同業者に対する指導にも力を入れている。
中小企業経営者の絶大な支持を集める「熱意と商品力」
小林:本日は、本社にお招きくださりありがとうございます。社員のみなさんが仕事の手を止め、立ち上がって挨拶してくださって、感激しました。早速ですが、古田土会計の事業概要を改めてお教えいただけますか?
古田土様:古田土会計グループは、一般的な税務・経理業務代行ではなく、数字に強い経営者の育成を通じて高収益型事業構造の実現をサポートする会計事務所です。1983年1月11日に創業し、今年で40周年になります。
わたしたちのお客様はほとんどが中小企業。どこに手を打てば利益が出て、お金が残るのかを数字を使ってお伝えし、何があってもびくともしない強い会社になることをサポートするのがわたしたちの仕事です。社員数はグループ全体で360名、会計事務所としては、日本有数の規模になりました。
小林:日本の会計事務所の90%ほどが、社員5名以下という小規模で運営されていると、一般的に言われています。ここまでの規模に成長された理由はどんなところにあると思われますか?
古田土様:多くのお客様からご支持いただけている理由は、熱意と商品力に尽きます。「どうしたら目の前のお客様が良くなっていくか」を真剣に考えれば、どんな商品とサービスを提供すべきかが見えます。そうして設計した商品やサービスをお客様のために活用し、強い会社になるお手伝いを愚直に続けてきたのです。その結果、お客様が新たなお客様を紹介してくださる循環がたくさん生まれています。
小林:会計顧問の切り替えは「財務情報の開示」「経理・財務の協力」が必要になるので、経営者にとって心理的なハードルが高そうに感じますが、それを上回る「熱意と商品力」なのだと拝察します。
古田土様:ありがとうございます。「こういうものを提供すれば喜んでいただけるんだ」という気付きを重ね、「古田土式月次決算書、人を大切にする経営計画書®(以下「経営計画書」)、社長の成績表®」といった独自の商品を生み出すことができました。「お客様のために」を考え抜くことはずっと大切にしてきました。
会社の成長戦略を設計し、未来を拓くための「経営計画書」
小林:御社が独自で開発された「経営計画書」をお客様に提供されたきっかけはありますか?
古田土様:1991年から、東京中小企業家同友会(墨田江東支部)に集まる青年経営者とともに、「経営計画書」の勉強会を始め、「これは経営者を支える有効なツールになる」と確信し、本格的に取り組もうと決めたことがきっかけです。
中小企業の経営者は、想いはあっても数字に強くない方が多い。そこで、勉強会では私が数字面についての講師を務めたところ、経営者仲間に大変喜ばれました。
今思うと、各社が「経営計画書」をつくったら発表会を開こう! と決めたのはユニークだったかもしれません。ある経営者が経営計画発表会に臨む際には、同友会の仲間十数名が会場に詰めかけて、応援しあっていました。
各社の発表会には、古田土会計のお客様もご招待していたんです。発表を聞いて「うちの会社でもつくってみたい」というお客様が増え、古田土会計の「経営計画書」がだんだんと広まっていきました。
小林:大切なお客様を招待されたのは、古田土様ご自身が会社経営には「経営計画書」が必要だと感じられていたからでしょうか。
古田土様:おっしゃるとおりです。「経営計画書」をつくることで、改めて自分の気持ちを問い直し、この先、会社としてどう歩むかを熟考して決意できる。「経営計画書」に基づいて行動したからこそ、わたしたちも業績が伸び、気持ちのいい社風をつくりあげることができました。一言でいえば「いい会社」になる原動力になってくれたと思います。
小林:「経営計画書」によって社風まで変化するというのは素敵ですね。
古田土様:「経営計画書」をつくれば、経営方針や行動指針を明確にし、「会社がどうあるべきか」を打ち出すことができます。その表明により、わたしたちのあり方に共感する人材に出会えるようになったことは大きいと思います。
小林:なるほど、理念を共有できる人との出会いまで生み出せるんですね。
ただ、ビジネス誌などで「時代の流れが速い現代は、中期経営計画はつくっても意味がない!」といった論説を目にすることがあります。こういった論調についてはどのように思われますか?
古田土様:私は、3年、5年の中期経営計画こそが経営の核になると考えています。綺麗事を抜きにして、会社の未来は、商品が売れ続けるかどうかで決まる。3年後、5年後、どんな市場を開拓し、どんな商品を提供していくのかを中期経営計画で具体的に示し、計画を達成しようと設備や人材に投資し、売れ続けている状態をつくろうと努力することが重要なのです。
「経営計画書」で、この先の環境変化を想像して商品やサービスを具体的に描き、実践できた会社が生き残るのです。経営計画を立てなくてもやっていける経営者は、一握りの天才。凡人は、計画を立てて進まないと何も達成できずに終わってしまいます。
「経営計画書」をインストールして動ける会社は必ず稼げる
小林:未来を切り拓くための具体的な施策を盛り込めるのが、中期経営計画なのですね。
古田土様:もうひとつ、「経営計画書」をつくる大きなメリットは、つくる過程で財務の知識を身につけられることです。財務がわからず、売上が上がっても妙なところで損失を出してしまったり、無駄な不動産を買ったり、立派な自社ビルを建てたことで倒産する会社をたくさん見てきました。そういったことを避けるためにも、大事なツールです。
小林:では、「無意味な経営計画」と「有用な経営計画」とでは、どのような違いがあるのでしょうか?
古田土様:これは簡単。つくったきり、運用とチェックがされない「経営計画書」はまったくの無意味です。つくったものを机の中にしまいこんでいたり、現場を見ずに机上でそれらしい計画をつくったりするのもダメですね。社員に「経営計画書」をデータで送りつけ、現物を渡さないというのもダメ。社員の頭の中に、目標とする数字や理念が入っていくはずがない。紙に明文化し、繰り返し確認できる状態をつくることで、計画が身体に染み込んで動けるようになります。
小林:「経営計画書」がきちんと実践されているかのチェックが大事という点では、御社はひと月に一度、顧問先と面談されているんですよね。
古田土様:「どうしたらお客様の売上が上がるか」を考えたら、「月次決算書」を用いた面談が必要という判断になりました。経営者が数字に強くなれば、必ず稼げるようになりますから。
小林:御社のセミナーのひとつ「経営計画作成25時間合宿」も、好評だそうですね。3日間缶詰めになって御社の社員様から指導を受けられるという……。
古田土様:経営者に社員がつきっきりで数字の意味を説明しながら、お客様の会社の実情に即した経営計画を一緒に立てていきます。3日で9万円という価格はわたしたちが唯一だと思います(笑)。
これまでは年に数回だったのですが、2021年は月2回のペースで実施してきました。それだけ、「経営計画書」をつくって会社を良くしたいという、想いある経営者が増えているのだと感じています。
言葉と行動で現実にする「人を大切にする経営」
小林:御社が一貫して実践してこられた「人を大切にする経営」に、心惹かれている経営者も多いのではないでしょうか。
古田土様:そうだとうれしいですね。わたしたちが「経営計画書」をつくる目的は何かといえば、社員がイキイキと働ける環境を整え、社員と家族、会社を取り巻く多くの人々を幸せにするためなんです。これが、明らかに利益最優先の計画だったらどうでしょうか。社員は内心「社長は、自分たちのことをどう思っているんだろう。利益が出せないと、ないがしろにされるのではないか」と疑心暗鬼になるでしょう。心の底から、会社の経営計画に共感して働いてくれるとはとても思えません。
私自身、酒は飲めない、女性の前では大変な口下手(笑)。ですが、「経営計画書」に掲げた方針を最前線で実現していれば、社員はついてきてくれるはずだと信じていました。社員に信頼してもらうためには、計画書と異なる行動をとってはいけません。今も、どうしたら社員がもっと喜んでくれるか、感謝しあえる職場になるかを日々考えています。
小林:「人を大切にする経営」を掲げ、実践されていることをぜひ教えてください。
古田土様:社員が「会社に大切にされている」と感じてくれるにはどうしたらいいか?と考え、社員が安心して働ける仕組みを整えています。
たとえば、社員の家にお子さんが生まれたら、お子さんが大学卒業するタイミングまで毎月家族手当を支給しますし、万一社員が亡くなってしまったら、できる限りのサポートをしたいという思いで、お子さんが成人するまで毎月金銭的支援をします。「大切だ」と言葉にするだけでなく、その気持ちを行動に移さなければ意味がありません。
わたしたちは、無借金経営・自己資本比率90%以上を維持しています。多額の現金を持っている理由は、想定し得ない事態になっても、社員と家族の暮らしを守るため。コロナ禍は予想以上に長引きましたが、社員の給与・賞与を維持しました。
小林:想いが言葉にとどまらず、行動に落とし込まれていることが素敵ですね。現在、さまざまな業界で世代交代が進んでいると思いますが、会社を受け継いだ若手経営者は「社員を大切にしたい」という想いを強く持っている印象があります
古田土様:まさに、わたしたちが以前から提案してきた「人を大切にする経営」が、時代に合ってきたのではないかと感じています。
わたしたちも、男女の給与格差なく、安心して暮らせる給料を必ず支給し、働けるなら70歳まではこれまでと同じ待遇で、その後もパートとして80歳まで働いてもらえる。そんな職場環境をつくってきました。「人を大切にする会社」が、この先増えていくし、生き残る会社だと思っています。
銀座英國屋のスーツを着ると、自信を持って話せる
小林:経営者として伺いたいことは尽きないのですが、ここで当社でのオーダーについてお話をいただけたらと思います。銀座英國屋での最初のオーダーが2016年。「銀座英國屋でオーダーしよう」と思われたきっかけについてお聞かせください。
古田土様:先ほど申し上げた「経営計画発表会」がきっかけです。700名ほどのお客様が集まってくださる晴れ舞台で堂々と発表したい。自信につながるスーツをビシッと着て、お客様に伝えたい。という思いでオーダーを決めました。
実際に着てみると、心構えが変わり、自信を持ってお話しできる。内容も伴ってくることを実感しています。「今日は大事な日だぞ」と気持ちを引き締められるので、ここぞというときは銀座英國屋さんのスーツと決めています。
小林:お客様の自信につながる一着を提供できていると思うと、とても嬉しく、光栄です。「これでいいのかな」という状態で人前に立つと、持ち前のパワーが発揮できなくなったり、自分のことが気になってしまい、相手の方への気遣いができなくなったりしますよね。
古田土様:私は、人前でお話しする際にスピーチ原稿を用意しません。経営計画発表会では登壇した経営者の言葉に耳をすませ、自分が何を話したら、より経営者の想いが聴衆に届くのかを必死で考えています。
自分にかまう余裕があるなら、周囲の方がどうしたら喜んでくれるかを考えたい。集中して考えるためにも、着ているだけで安心なスーツはありがたいです。
着心地も周囲の評判も抜群。お客様の信頼を自然と高める一着
小林:その後、オーダースーツ・オーダーシャツをコンスタントにオーダーいただいていますが、続けてご依頼いただけた理由はありますか?
古田土様:はじめに冬用のスーツをつくったら、季節ごとに一着ずつつくりたくなってしまったんです。着ている本人が一番違いを感じています。体型を丁寧に測ってくださるので、ピタッとハマる感じがあり、本当に着心地がいいです。
周りの方にもよく褒められますよ。「所長、今日はいいですね、いつもと違いますね」「よくお似合いですよ」なんて、若い子から言われたりすると嬉しくて(笑)。
小林:ありがとうございます。お客様の筋肉の付き方や骨格まで考えて仕立てることで、フィット感を感じていただけているのだと思います。では、「士業の装い」として、銀座英國屋のオーダースーツはどのように評価できますか?
古田土様:士業は特別な職業ではありませんし、公認会計士や税理士がものすごく高級なスーツを着る必要はないと思います。ただ、わたしたちはお客様あっての仕事です。信頼感が自然とにじみ出るような、きちんとした装いをしていたいと思うと、銀座英國屋さんはぴったりです。
――古田土会計グループで、お客様との対面時に大切にされていることはありますか?
古田土様:社員には、「お客様に喜ばれる商品・サービス提供に専心する、馬鹿のような会計人」になってほしいと伝えています。お客様に指導する自分たちが偉いと勘違いしている「先生商売」は絶対にしたくないし、してほしくありません。
わたしたちは、お客様を「クライアント」とは呼びません。大切で、ありがたい存在だから「お客様」と呼びたいし、お客様が来社されたときには、全員起立し、笑顔でご挨拶します。お客様が、貴重な時間とお金をかけて自分たちのもとに来てくださったことに感謝したいという想いの現れです。そう思うと、お客様への感謝の気持ちを表すひとつの手段が、きちんとした装いなのかもしれませんね。
小林:ありがとうございます。この顧客様インタビューでは、信頼と装いといったテーマを1つの軸にして、顧客様にお話を伺っています。最後に、古田土様にとって信頼とはどんなものでしょうか。
古田土様:信頼は、お客様商売において欠かせないものであり、嘘をつかないことで築かれていくものだと思います。わたしたちの仕事は、たとえミスをしても、お客様が気付かなければ判明しません。恐ろしいことですが、こちらの計算ミスでお客様に税金を1,000万円多く払わせてしまっても、気付かれなければわからないんです。
わたしたちは、過去にこちらのミスでお客様の会社に損害を与え、税金を含めた賠償金を1.8億円お支払いしたことがあります。ミスをしてしまったら正直に認め、誠実に対応することは信頼につながります。私は経営者として、社員を嘘つきにしたくないですし、自分に対しても正直でいながら誠実に仕事をすることが、信頼の素だと思っています。
小林:お客様に対しても、自分に対しても正直に、誠実に仕事をすることで信頼につながるというお言葉に共感いたします。お客様のためにならない……と自分が感じたものを販売することは、それだけで心が苦しくなりますよね。
古田土様:そうですね。社員の心に無理をさせる経営方針を定めてはいけないのだと思います。
小林:今日は、長時間にわたりお話を伺えて大変光栄でした。最後に、お気に入りのアイテムをご紹介いただけますか?
古田土様:それは、わたしたちの経営計画書です。社内の勉強会等で日々使い込んでいるため年度が終わるとボロボロになりますが、経営計画書に記された価値観を共有し、「会社も社員もお客様の良いモデルになる」という夢に近付いた証のように感じています。